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ドラマ「未成年~未熟な俺たちは不器用に進行中~」を見終わって

今突発的にこの感想を書いています。普段はキュンキュンした!とか萌え〜とか可愛い〜とか鳴き声みたいな感想しか出てこない俗に言う腐女子と呼ばれるような私ですがこのドラマに関しては読後感(映像だけど)というかいい意味でずーんと心にくるものがありこれは今のうちに感想を書いておきたいということで今に至ります。

まず。日本に出回っているblドラマと呼ばれているような映像作品はほとんど網羅していますが、今回のドラマ未成年は日本bl史の集大成であり転換点ではないかと思います。
これまで数々のbl作品が日本で作られ、おっさんずラブで一般化しそれを皮切りにチェリまほ、美しい彼、みなしょーなど名前をあげたらキリがないほどにたくさんの作品が生まれました。
その中で2024年ドラマ未成年の登場により日本blは新たな時代に入ったと言えます。

このドラマの情報解禁がされた当初、変な映像と変な長いタイトル、そしてキャストがebidanとニチアサ出身俳優というパターン化されてきているキャスティングでsnsでは物議を醸していた記憶があります笑
実際、私もそこまで期待せず見始めました。

しかし1話が放送され冒頭の水無瀬の語り、優等生の水無瀬に接近してくる不良の蛭川、急に水をかぶりだす奇行に走る蛭川、父親から暴力を受けている蛭川とそれを目撃する水無瀬。そして1話から頻繁に登場してくる「水」にこのドラマはこれまでのblドラマっぽさがなく一気に引き込まれました。(上村謙信くんと同じグループの沢村玲くんがやっていたハピエンみたいな重たい空気を感じました)
そして2話3話と話が進んでいきお互いの傷を埋め合うように距離を縮めていく2人そして突然の別れ…(この続きはぜひドラマで笑)
常に近くに存在する「水」と要所要所で出てくる水無瀬の手紙の真相など全ての行動がで最後まで繋がっていて最終話まで幸も不幸もありながらもどこか緊張感のある映像、2人のすれ違い、未成年であるがゆえのもどかしさなど、bl作品というジャンルを抜いてドラマとして面白かった。blドラマは中盤で山場を迎えてその後ダレてしまうような作品が多いですが、未成年に関してはそのような不安が一切なく最終話まで駆け抜けたと思います。


メイン監督はあの金髪奥野壮くんでお馴染み「好きどや」などを手がけていた柴田監督とひだキコの牧野監督。
好きどやはコミカルでゲラゲラ笑えるところもあるしこれぞ!BL!というようなシーンもあるハッピーなドラマで個人的には好きだったので、柴田監督の作品が見られると思って楽しみにしていたら湿度の高い真逆のドラマが始まり見終わってから柴田監督の得意分野はこっちだったのか、、と今もびっくりしています。

キャストの話をしますと、蛭川役の上村謙信くんはどうやってキャスティングに至ったのか気になります。元々スタダからキャスティングするつもりだったのかそれともオーデションで何人かいた中から選んだのか。それぐらい上村謙信くんがハマってました。水無瀬役の本島純政くんとは5つほど歳上でさらに高校生役はちょっと違和感を感じるかなーと思ってましたが、見た目は大人でありながらも蛭川のどこか子供らしい弱い部分が演技で現れていて特に大きな違和感を感じませんでした。(あとは本島くん以外の周りの真島やねもしば役の方たちが上村謙信くんと近い歳だったのが大きいのかも)演技経験がそこまで無いということでセリフが読み慣れてないような場面もありましたが、最終話の2人のやり取りが自然すぎてドキドキしました。監督のインタビューで上村くんは感覚で演技をするタイプだとおっしゃってたので、それこそ蛭川が憑依していたのだと思います。

水無瀬役の本島純政くんは、素から宝太郎(仮面ライダーガッチャードの主人公)と言われていたぐらい明るくガッチャガッチャと言っていた子が、真面目で暗い役をしていて正反対で面白いなーぐらいに見始めたら度肝を抜かれました。自分は蛭川が好きなのか。自分は同性愛者なのか。1人で抱えるこの気持ちが見ている私も辛いなあと思ってしまうほどひしひしと伝わってきました。当時19歳で本当に未成年だったからこそできる演技だと思います。

ストーリーに触れたかったのに全然いいたい事が書ききれずここで一旦締めます。

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