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異例続きのドラマ制作。オーディションの裏側はこんな感じだった。

怒涛の準備期間を重ね、mamochi.filmは遂にJ:COM放送ドラマ「俺のテントに誰かいる…!」の出演者オーディション当日を迎えた。

この企画の根幹となる『キャスティング』に突入したわけだが、今回はメジャーの世界を目指す“原石” の起用を念頭に、オーディション参加者を広く募集した。スタッフとしてもキャンプ業界としても新しい挑戦に、未来ある役者たちの起用。それは彼らがブレイクした時に再度、彼らが出演した「俺テン」という作品にも火をつける。彼らにとってもステップアップとなる作品を、何度でも火がつくような作品を、mamochi.film にはそういう作品を作れる自信があった。

約100名の書類審査を経て、オーディション会場となった神奈川県厚木市のサンダースネイクというライブハウスには64名の役者が集まった。

一般的には参加者を数ブロックに分けて時間差で来てもらい、審査をする。しかし今回のオーディションでは全員を同じ時間に集め、一次オーディションを受けてもらい、その日その場で選考した後、午後には二次オーディションを受けてもらった。

64名の全員が同じくらい長い時間、待機をする。大ヒンシュクを食らうことも多少考えたが、このオーディションでどうしても『待ち時間の過ごし方』を見ておきたかった。“原石” に必要なのは、演技力だけではない。役を演じていない時間でどれだけ役に向き合えているか。その初歩的なところまで見ておく必要がある。

現在のドラマ業界では、役者にとって出演機会が極端に多い。ドラマはテレビだけの時代ではなくなった。NetflixやAbemaなどの配信アプリをはじめ、YouTube、TikTok。一昔前よりも見違えるコンテンツ量がこの日本に溢れており、制作側が役者を選ぶ時代から役者が現場を選ぶ時代に移り変わりつつもある。

そのせいか、“勘違い役者”の急増も著しい。自分の実力の一歩上のステージで芝居をさせてもらった後、自分があたかもそのステージにふさわしい実力の持ち主なのだと勘違いする。もしかしたら、事務所やマネージャーが事務所やマネージャーの為にめちゃくちゃ頑張った結果、選ばれただけなのかもしれないのに。

兎にも角にも、まずは“勘違い役者”をふるいにかける作業から始める必要があった。

メジャーの世界では役に合わせて生活習慣を変えたり、奥歯すら抜く役者がいる中で、このオーディションの中にその覚悟を持つ役者はいるのか。そういう覚悟がある役者がもし埋もれてしまっているなら、彼らこそ救い上げたい。他にも、現場の雰囲気作り、立ち振る舞い、自分が演技をしていない時間の過ごし方は、どうしても従来のオーディション形式では見ることができない。埋もれている才能を見つける為にも、長時間の待ち時間は役者に我慢してもらうことにした。

それからようやく注目する演技力。男女の2人ペアとなり、全員が同じ台本で役を演じる。監督と脚本家は各々の立場から役者たちの演技を審査。誰がどんな役者なのか、どんな人間なのか、個性は何か。短い台本の中で、できる限りを見させてもらった。

過去の実績なんて関係ない。役者歴なんて関係ない。今の実力、今の個性、今の彼らだけにしか興味がない。過去や実績にすがること無く、『今の実力』にどれだけ注目できるか。下剋上とはそうやって始まる。“原石” とはそうやって見つかる。発足間も無いmamochi.filmも、前例の無い「俺テン」も、そうやって証明していく。今回のキャスティングも、そうやって進めていくと決めていた。

短い台本の限られたセリフ数で表現していく64名の挑戦者たちを朝から昼過ぎまで審査し、二次オーディションでは40名前後を審査。夕方には無事、二次オーディションまでの全てを終えた。その後、約1〜2週間をかけてメインキャストと準レギュラーとが次々に決定。若手揃いのキャスティングはかなり挑戦的であったが、オーディション参加者の中からベストなメンバーが揃った。感慨深いことに、その中にはmamochi.filmが月に1〜2回開催しているオーディション形式ワークショップに参加し、mamochi.filmのYouTube作品出演を経て、この場に立っている役者もいた。

さらに今回、特殊な点がもう1つあった。それは、『用意されていた脚本に役者を当てはめるのではなく、決定した役者で脚本を書く』ということ。その為、今回のオーディションでのキャスティング枠に上限は無く、良い役者であればできる限り多くの役者をキャスティングすることが可能となった。

熱に溢れた役者たち。未来ある若手の彼らがそれぞれの役とどう向き合い、どう演じるのか。メジャーの世界に挑戦する役者たちの下剋上を、是非作品を通して見ていてください。異例続きの今作品。今までに見たことが無いキャンプドラマをお届けします。

代表 奥田

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