吉野家はファンマーケティングとカスタマーサポートを強化して欲しい
吉野家が炎上してしまいましたね・・・
広告の仕事をやっていた身からすると、吉野家側のジレンマも良くわかります。
デジタル化が加速して、転売が起きたり、不適切な行動が拡散したりするようになっているので、キャンペーンをやるときは、できるだけそういうリスクは排除したい――というのが、まずあります。
一方で、リスクを恐れて制限を付けすぎると、参加や応募の阻害要因になってしまうし、逆にクレームを受ける可能性もあります。
こういうことは、国や自治自体のデジタル政策で起こっている問題でもありますが、民間がやっていることなので、ある程度リスクを取りながら、効果を最大化することが重要になります。
それを踏まえると、吉野家のキャンペーンの設計が甘かったのではないか・・・というのはあります。
2008年に『キン肉マン』の29周年(ニクとかけている)の際に、集英社が吉野家にキャンペーンをやらないかと持ち掛けたところ、吉野家が断って炎上したことがあります。
結局、キャンペーンはすき家で行われ、吉野家は評判を下げてしまいました。
あれから14年が経ちますが、同じようなことが再発してしまったなあ・・・と思います。
私の著書の中で、吉野家のライザップ牛サラダ、超特盛&小盛に関する話題を紹介しました。
この時は、吉野家の話題はほぼポジティブでしたし、発売と合わせてSNSでキャンペーンを行って、話題化に成功していました。
一方で、吉野家は、これまであまりコンテンツとのコラボキャンペーンはやってこなかった(むしろ、すき家の方が積極的だった)のですが、最近は『呪術廻戦』とコラボしたり、色々やり始めています。
その点では、今回の炎上は、コラボに関するノウハウの蓄積が少なかったのかな・・・とも思います。
ただ、それを加味しても、吉野家側の対応が宜しくなかったのは紛れもない事実です。
売上では、ゼンショー(すき家、なか卯を運営)が吉野家の約2倍あるのですが、「牛丼と言えば?」と聞かれると、依然として「吉野家」と答える人が多いのではないでしょうか?
実際、吉野家にはファンも多いと思いますし、私自身も、大手チェーンの中で、牛丼が一番おいしいのは吉野家だと思っています。
そうであればこそ、もっと吉野家はファンを大切にするマーケティング活動をやって欲しいと思いますし、カスタマーサポートも丁寧にやって欲しいと思います。
吉野家はちゃんとファンがいるのに、ファンマーケティングが十分にできていない会社だと思うんですよねぇ・・・