あの頃の「Olive」を 読む その2
さて今回ご紹介するのは1984年12月18日号の「Olive」。
誰もがときめくクリスマス特集号です。
なので特集タイトルは「クリスマスをだれよりも楽しくするために」。
クリスマスに対する何か特別な気概を感じさせます。
このあたりから「Olive」の紙面は80年代特有のポップさと、パリやロンドンのテイスト溢れるシックとトラッドさを前面に出し、一気に洗練しつつある感があって見ていて本当に楽しいです。
これはその一例。
大胆なストライプを効かせたカーディガンに、それでは印象が強すぎるので、無地のタートルネックとシャツワンピとシンプルなボトムスで引き算したコーディネイト。
記事には「リセエンヌ」とありますが、イギリスのパブリックスクールの制服にこんなジャケットがありそうですね。
このヨーロピアンスタイルが、外国の文化に憧れていたオリーブ少女の心に大いに刺さった事でしょう。
特筆すべきはモデルさん着用のこのセーター。
首回りは白、袖口は白とピンクのライン、そしてクリスマスケーキの編み込みの入った真っ赤なプルオーバーなのです。
これ今見てもすっごくかわいいセーター!もし今こんなの売ってたら絶対買う!欲しい!!
この赤いニットと合わせているコーデ一式も素敵。手にしているプレゼントも自分でラッピング(もちろんラッピング指南のページも)。
ツリーやリース、クリスマスモチーフのブローチやアクセサリーで気分を高めて。
こんなかわいいブローチ、プレゼントでもらったら絶対嬉しいよねー。
イルミネーション輝く街に繰り出すのも素敵だけど、おうちで静かに過ごすクリスマスを提案するページも。
本来クリスマスはイエス様の誕生を、家族や大切な人と静かにお祝いをして過ごすものです。
ええ、決して陽キャたちが派手にブイブイいわすだけのイベントなどでは…
手作りの温かみを感じるクリスマス・オーナメントや素朴な手編みのソックスが特別なイベントなのだと感じさせます。
手編みソックスがハードル高いのなら、フエルトなら切りっぱなしで手で縫ってしまえば簡単にできますね。ヨークシャーテリアのモチーフはこの頃よく見かけました。懐かしいなぁ。
その他に、キリスト教系の学校(主に首都圏)のクリスマス行事のリサーチ記事や、ぶっちゃけみんなクリスマスはどう過ごしたい?というリアルなトークをアボワール徳川先生(誰?ww)とオリーブ読者との対談ページが興味深いです。
それによると、オリーブ読者の理想のクリスマスは「月並みだけど、イヴは彼と二人きりがいいな」。「近所の教会で賛美歌聞いてそのあと食事(もちろんフレンチ)そしてホテルに(キャピタルとか赤プリとか)」。
…へー。ふーん。ほーぉ。
当時そんな財力のある高校生大学生がどれほどいたのかは知りませんが。
まあ読者の意見を突き詰めると、その日のために貯金したりバイトしてくれる、そういう努力をしてくれる男の子と付き合いたいな、との事らしい。
それも夢だよね夢。ちなみに今の若いコは恋人と高級フレンチやホテルでイブを…なんて思うかな?それって夢のない時代を生きてるって事になるんでしょうか?
まあその時代を感じさせますね。
でもそんな夢のような理想を語った読者の女の子たちの大半は、実際は家族とケーキ囲みながらドリフや歌番組観てプレゼント貰って終わったんでしょう。
それだって今振り返るとかけがえのない幸せなクリスマスの思い出だと思います。
話は変わって。
この頃の「Olive」はブランド単体でスタイリングした広告ページがありました。その中から特にカワイイなぁと思ったのをご紹介。
まずはダイエーから出ていた「lolli pop」というブランド。そんなのあったんだ知らなかったなあ。お値段は他のDCブランドより若干お安め。
「pou dou dou」は今も多分まだある。どちらも砂糖菓子のような甘々パステルカラーでまとめて足元は黒コンバースとシマシマタイツ、洋服と同系色のブーツでゴツく引き締めて。
ああ、こういうのいいなぁ、オシャレだなぁ。っと、こんな歳になってもウットリしながら見入ってしまうのです。
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