あの頃の「Olive」を読む その1
レトロファッションが好きなので、特に昭和中期から後期にかけての服飾雑誌に目がありません。
近所でやってる古本市に立ち寄った際に、または古書を扱うネットショップでそういった古雑誌を見つけてはついつい買ってしまいます。
自室の本棚には少しずつ買い集めた、戦後から昭和30年代にかけての「装苑」「服装」「ドレスメーキング」などの洋裁、ファッション系の雑誌が並び、その中に昭和の終わり、80sファッション期の「Olive」が数冊まざっております。
そこで所有している昔の「Olive」から素敵ポイントをいつくかピックアップし、稚拙ながら自作イラストでご紹介。ご興味あればお付き合い下さると幸いです。
今回は1984年1月3日~18日号(当時は隔週発行)を取り上げたいと思います。
80年代といえば、DC(デザイナーズ&キャラクター)ブランド全盛期。
もちろん当時の「Olive」も、このようなお洋服が紙面を華やかに飾ります。
(ちなみに当時私は小学校入学直前。田舎の子供にとってDCブランドはおろか、この雑誌自体も見た事もない夢のまた夢のような存在で…)
お洋服もさることながらスタイリングもまた素敵で、フランス映画の女優さんの衣装のような独特で洗練されたコーディネイトが魅力的です。
例えばこれ。
記事では「マリーン色」とあるのですが、今で言うトリコロールカラーですね。フランス国旗の色でまとめて、フレンチカジュアルの完成です。
セーラーカラーのブラウスにVIVA YOUのニットとマリンパンツ、ベレー帽の組み合わせがいかにもオリーヴ少女!と言う感じ。
全体の白、赤、紺色のバランスも見事です。
この頃はメダルやバッジ、ワッペンがついたアイテムも流行ったそうで。
既製のソックスにワッペンを付けてアレンジするテクも紹介されています。
さて「olive」と言えば「チープシック」。
この号の特集テーマは「84年は、すこし背のびしたくって」。いつもより大人びたスタイルを集めています。例えばココ・シャネルのように帽子やスーツでレディらしく、イミテーションパールのアクセサリーを無造作に重ねて。読者層がティーンな故に、ハイブランドで固めず手の届く価格のアイテムで創意工夫しオシャレを楽しんでいたのですね。
とは言え、VIVAYOUやATSUKI ONISHIのアイテムなんて当時の高校生でも簡単に買える値段ではなかっただろうけど。
ちなみに今回取り上げた「Olive」は新年号。なので「1984年おしゃれ星占い」なるページがあります。
私は牡羊座なので、この年の牡羊座のラッキーなファッションアイテムって何かしらん?と見てみると、だいたいこんな事が書かれていました。
「フラッシュ・ダンス」などのエクササイズ・ブームの影響でしょうか。
写真のモデルさんは高い位置のポニーテール、ピンクの上下スウェットにレッグウォーマー姿でスポーティにキメてます。
「今年に限らず帽子と赤はラッキー・ポイント。ブレスレット、レッグウォーマー、ソックスは欠かせないアイテム」「デートの時など、腕時計やネクタイはパパのものを借りる」とあります。
…なんでデートの時にタバコと加齢臭がする父親の物を借りなきゃならんのだ?
そんなオヤジ臭いの身につけてたら昭和の男の子も裸足で逃げてくわ。
まぁそんなツッコミはさておき。
長くてボリュームのあるスカートが好きで、ガーリッシュスタイルに憧れていた当時の私が見たら「なんだ、こんな可愛げのないアイテムがラッキーだなんて嬉しくも何ともない」とさぞガッカリしたと思います。
(この手の占いはいつも牡羊座のラッキーファッションって、大体シンプルかスポーティなんだよね。フェミニン要素は見た事がない)
しかし何十年経って大人になった現在、赤は好きな色になりましたし、ダンディーでマニッシュなアイテムも乙なものかも…なんて今さらながら思います。