ナポリタンショートショート
独身男性の小林は、夜中に突然激しい空腹感に襲われた。
しかし、彼はダイエット中で夜遅くに食べることは控えていた。
それでも、何かを食べたい気持ちは抑えられなかった。
小林はキッチンに向かい、冷蔵庫を開けた。
そこには、先日の買い物で買ったばかりのケチャップとスパゲッティがあった。
彼はふと、ナポリタンを食べたくなった。
しかし、彼は自分自身との約束を守らなければならないと感じた。
彼は、一度は冷蔵庫を閉めようとしたが、空腹感がますます増していくのを感じ、止められなかった。
「もう少しだけ……」
小林は、鍋を火にかけスパゲッティを茹で始めた。
パスタが茹で上がる頃には、彼はもう葛藤に苦しんでいた。
「でも、本当に食べちゃダメなんだろうか……」
小林は、自分自身と戦いながらもケチャップを鍋に加え、スパゲッティと混ぜ合わせた。
そして盛り付けると苦悶の表情と共に食卓に座った。
ナポリタンは熱々でトマトソースの酸味とケチャップの甘味が混ざり合って、とても美味しいのが皮肉だ
小林はその味に満足しながら同時に自分の行動に罪悪感を感じていた。
「ダメだ、これで明日からまたがんばろう……」
小林は途中で食事を終え、残りを冷蔵庫にしまった。
彼は葛藤の中で眠りについた。
翌朝、小林は自分がナポリタンを食べてしまったことを反省し、朝食は控えめにとった。
彼は、自分自身に向けて約束を守ることを決意した。
しかし時折、ナポリタンの味を思い出し、ついついニヤリとしてしまうのだった。