令和百人一首 恋の巻【夏の部】
三羽 烏さんの企画に参加いたします。
よろしくお願いします。
汗ばんだ無風の宵の狂おしさ
饐えた記憶を洗えや黒雨
梅雨の頃、雨の合間の宵の空気は、まとわりつくような質量を持っていて、温度も人肌に程近い。どこか動物的な感覚を呼び起こす情動的な空気感をまとっている。
平たく言えば恋をしたくなる季節を連れてくると言ってもいい。といっても私が思い出すのは、大ヒットしたドラマ『ロングバケーション』の屋上の花火のシーンなのだけれど。
さらに、この短歌はドラマの雰囲気には全然似つかないテイストであることをお断りしておく。
「黒雨」とは空が暗くなるほどの雨雲に覆われ激しい雨が降る様子を現す。