もっと早く失敗させてくれよ

これは、先日友人と大阪で日本酒を飲んでいたときに口から出た言葉だった。

自分でもふと我に返ってしまうくらい、大きな声で発した言葉。

酔いに任せて、自分がやりたいと思っているコミュニティの話や、子どもに対して思っていることを語っているときだった。


幼いころ、私は将来の夢や目標というものがまるでなかった。

いや、なかったというと当時の私に対して失礼かもしれないので訂正すると、「本気で目指そうと思える夢や目標」がなかった、と思う。

では、「夢や目標はあったけど本気じゃなかった」ということなのか?と問われると、つまり、そういうことだったのだろうと思う。

中学生のころ、私はゆずに憧れていた。路上ライブから一躍有名になっていく様子、ファンがまだ少ないころから路上で声を枯らして歌っている様子、初めての東京ドーム公演にたった2人とギター2本だけで挑み、最後にはマイクすら使わずに叫んでいる様子。私は盲目的に憧れ、「あんなふうになりたい」とギターを買った。路上にも出た。だけどギターは趣味で終わった。

大学生のころ、カフェ開業に憧れた。京都にあるさまざまなカフェに通うなかで感じた接客業の魅力、店舗という箱を自分でコーディネートし、仕事で「好き」を発信する人の目の輝き。「この人たちみたいになりたい、近づきたい」と飲食業に飛び込み、さまざまな店舗で働いた。だけど結婚と出産を言い訳に飲食から離れた。

夢や目標に、近づこうとしていたとは思う。
でも、いざ岐路に立たされたとき、私は違う方向を選んでいた。

音楽の専門学校に行くという選択もできただろう。
大学でバンドを組むという選択もできただろう。
独立して融資を受け開業する選択だってできたはずだ。
だけどそれを選ばなかったということは、「本気」じゃなかったのだと思う。


副業ライターからフリーランスになって、あらためて思う。

できるから、あるいはやったことがあるから、うまくいくんじゃない。

やってみて、うまくいくように行動する。
そして、結果が残る。ただそれだけだ。
どの結果が次の未来につながるかなんて誰にもわからない。

だから、失敗はできるだけ早く、たくさん経験しておいたほうがいい。
行動の質も精度も、おそらく失敗・後悔の数に比例して高まるから。


結論を書こう。

私は、子どもの口から夢や目標を聞く場面があったなら、第一声から肯定する。
そして最後まで声援を送る。
心配する姿など見せない。
あらゆる行動から、あらゆる結果から、その子自身が学ぶと信じている。
そうやって成長してきた時間を、変化を知っている。
失敗や後悔は、人の価値を高める。質を高める。
どうか恐れないでくれ。
恥ずかしがらないでくれ。
夢や目標があるって、めちゃくちゃかっこいいことだから。


自分の後悔の念を子に押し付けているだけの親なのかもしれない。
だけど私には、ものすごく大切なことのように思えるのである。




(告知すみません!)

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