「子どもの文章に“感情”をのせるには?」⇨作文教室講師ながたさんの回答が素敵だった
8月下旬、マーブルコミュニティの「親子の書く習慣」をテーマにしたオンラインイベントに登壇するという、ありがたい機会をいただきました。
参加してくださった皆さん。マーブル運営の皆さん。本当にありがとうございました。
そしてこのイベントでは、「書いて深める作文の教室」を運営するながたせいこさんと一緒に登壇させていただくことに。
ながたさんと「書くこと」について話をするとき、いつも、ほかの人とは違う「深み」を感じます。今回もそうです。
イベント参加者の方から、こんな質問がありました。
これに対し、ながたさんがお話しされたことをご紹介させてください。
「事実を淡々と書くのも、私はすごいなと思うんです。感情表現はそこまで書かないけど、淡々と事実を述べるのがすごく得意な子もいるんですよ。事実を述べる作文は、それはそれでめちゃくちゃ素敵だなと個人的には思うんです。」
「子どもが見ているものを知る、そこを楽しむという意識を私は大事にしたいと思っていて。 “何が書かれているのか” を通じて見えるその子の視点には、ユニークさが必ず表れていると思うんです。」
「たとえば運動会について淡々と書いていたとしても、どの場面を切り取っているかで、その子の視点が見えてくる。そこに、個性が表れていると思うんです。」
「とはいえ、感情を表現する文章を書いてほしいという気持ちもよくわかります!そういうときは、五感を意識させるような質問をしてみるのもいいかもしれません。」
「たとえば、『そのときの心臓の音は?』とか、『どんな匂いがしてた?』『何が見えてた?』『どんな肌触りがしてた?』とか。ほかにも、『周りの人はどんなことを言ってた?』というような、自分以外のものに視点を移すような質問を投げかけてあげるのもいいと思います。こうすると、本人も意識していなかったような意外な感情が見えてくることがあるんです。」
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ながたさんの「受け止め方」と「感情の引き出し方」、素敵すぎません!?
「指導する」でも「テクニックを教える」でもなく、そのまま受け止めて、自然と引き出せるように手を差し伸べる。なんという包容力でしょうか。
このながたさんのアプローチは、お子さんの感性を、歪めず、濁さず、そのまま外側へ出すことの素晴らしさに、その子自身に気づいてほしいと願っているからこそなんだろうなと思います。
作文でもあり、思考や感情の理解でもあり、自己表現でもあり、創作でもあり、コミュニケーションでもある。
「書く」って、なんて奥が深いんだろう。
多くの気づきをいただいたがんちゃんに、そして質問をいただいた方に、あらためて感謝を伝えたいと思います。もちろん、イベントを主催してくださったマーブルにも!
▼「親子の書く習慣」に関する本を出版しました。