アラフォーの憂鬱さを吹き飛ばした彼の言動
「人を好きとか一緒にいたいと思う気持ちって、やっぱり理屈じゃないわよね」
ホームにいる彼氏に手を振って別れた私は、ため息まじりにそう思った。
***
7、8年ほど前、30歳になる頃は、周りの同世代たちが30歳までに結婚したいとか騒いでる中、ばっかじゃねーの!?と半分見下していたのだが(性格わるし)、40歳を前にして、その気持ちが何となくわかるようになった。
見下してたわりには単に10年人より遅かっただけかよ!?と自分を情けなく思いつつも、彼氏がバツイチで子供は欲しくないそうなので、じゃーまーいつ結婚しても変わんないか、という気持ちもあり、でも付き合い始めて3年も経っちゃって、このまま付き合い続けてもいいものか?とたまに真剣に考えたりして、ああこれがアラフォーのあせりってヤツなのかと、揺れ動く日々を過ごしているわけです。
そんな日々の中の、彼氏と過ごしたいつも通りの週末。この日のデートの別れは電車の中で、彼が先に電車を降り私を見送るかたちとなった。私はいつものように、電車から少し離れたホームに立つ彼に向かってバイバイと軽く手を振っていたのだが、電車の発車までに時間があり、彼氏がふざけ始めた。
なんてことはない。大きく腕を前後に振ってその場で行進するような動きをしただけ、なのだが、上機嫌でおちゃらけた表情と立派な中年男が子供のように行進する姿が可笑しくて、私は電車の中で彼と目を合わせながらケラケラと笑っていた。
そして、彼はたぶん私が笑っているのを見て、もっと笑わせようとますます大袈裟な動きをした。
私はますます笑った。
笑いながら思っていた。
こりゃたまらん。
かわいすぎ。
小さな優しさもうれしい。
少年のように調子に乗ってるとこも愛しい。
もうどうしよう。
たまらなく彼が好き……。
やっぱり……、愛は勝つ?古……。アラフォーの憂鬱さが吹き飛んだ。まだこれから揺れ動くのだと思うのだけど、頭で考えても仕方がないのかもしれない。
愛は感じるもの、っていう名言があった気がするけど、だれの言葉だったっけな?
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