後悔しない仕事選びの考え方
今どき、安定だから大企業だからという理由で仕事を選ぶ人なんて少なくなっているんだろうなと思いきや、今だに銀行をはじめとする〝大企業〟の人気が高いと聞いて、驚愕しています。
たくさんお給料がもらえて、安定している(潰れない)ところの方が本当にいいのでしょうか。
私は、中小企業、ベンチャー企業に勤め、転職をした経験があり、大企業の人や起業家とも話をしたことがあります。
もちろん、仕事に満足してずっと勤めたいと思っている人もいましたが、安定した大企業であっても、中小企業であっても、起業家であっても、今に不満を持ち、環境を変えたいと思っている人たちは一定割合以上存在します。
実際に働いてみて、「ここは合わない」と感じたのだと思いますが、最初に仕事を選ぶ時に、自分なりの基準を持ってしっかり考えていたら、最初からもっとしっくりくるところや、能力を伸ばせたところへ行けたのではないかなと思います。
私が考える「仕事選び」の基準は、次の3つです。
①興味のある分野である
②得意なことが活かせる
③待遇
①→②→③の順番で考えていくと、仕事選びの軸がブレなくなります。
仕事選びの基本①興味のある分野である
たとえば、私の場合、高校時代に強制的に理系に進まされ、その雰囲気のまま、某理系分野で大学院まで過ごしました。
大きな括りで「モノ作り」が好きだったようで、何かを突き詰めていくよりも、何かを作っていくことに興味がありました。
そこで、理系の中でも「作る」ことができる、有機化学を専攻することにします。
就職活動の際は、有機化学を活かしてモノ作りができる製薬会社などに履歴書を送りました(面接にはほとんど行けなかったのですが…)。
どのジャンル(化学、物理、語学、天文、音楽etc.)に興味があるのかという視点の他に、どんなことをしていたら幸せかという視点も加えるといいと思います。
読むこと、書くこと、感動すること、追求すること、笑えること、見つけることなどなど、「〇〇すること」で幸せを感じられるポイントがきっとあるはず。
どんなことをしていたら幸せなのかがわからない場合は、日常のちょっとした気持ちの変化を観察してみることをオススメします。
仕事選びの基本②得意なことが活かせる
モノ作りは好き。でも、実は、化学という分野への興味は薄く、実験も得意ではありませんでした。
研究も、周りの人の力を借りてやっと進めている状況。独り立ちなんて遠い世界の話。
就職活動に失敗して、紆余曲折を経て化学系ベンチャー企業に採用されますが、当然、結果を出すことなどてきず、物を投げつけられて怒鳴られる毎日でした。
退職勧奨で転職をすることになった時、「実験系はもうやめよう。語学や文章を扱うものの方が、まだ仕事としてできるかもしれない」と考え方を変えました。
これが転機になったのだと思います。
書類を扱う仕事を中心に仕事探しを行い、採用された職場で、既に10年以上働くことがてきているし、ある程度の評価もいただいています。
「得意」は、「特別なこと」である必要はなく、周りの人よりちょっとだけできるな、と感じるもので充分です。
私の場合、最初に受けたTOEICのスコアが「650」だったのですが、それでも研究室の同期より高かったので、「理系の中では、語学だったら他の人よりも優位に立てるかも」と感じるきっかけになりました(TOEICはその後ちゃんと勉強と対策をして、最高スコア910までいきました)。
仕事選びの基本③待遇
前職がブラック企業だったため、転職活動では待遇についてあまり気にしませんでした。
絶対に今より良くなる、と確信できていたからというのもありますし、一人で生活ができることが当時の究極の目標だったからです。
結果として入社したところは、たまたまホワイト企業でした。残業代がしっかり出るし、お休みも取りやすく、初年でも額面年収が前職より+50万円。
決して高給取りではありませんが、一人で生活ができるという目標を達成することができて大満足でした。
周りの同僚も優秀な人が多くて刺激をたくさんもらえる、理想的な環境です(まあ、細々した喧嘩とかはもちろんありますが)。
ブラック企業は論外ですが、給料の良さ、待遇の良さを一番先に持ってくると、後々後悔することになると思います。
今の会社でも、結果を出す以前に能力の面で問題視されて試用期間で切られたり、合わないと感じて辞めていく方は結構いらっしゃいます。
まずは、自分が興味のある分野なのか、得意を活かせるかを中心にして、仕事を選んでみてはいかがでしょうか。