自分本来の道を行くとこんなことが起こる
誰しも小さい頃~若い頃は、親や周りが期待する道を行こうとして努力するものかと思います。
それが自分に合った道ならいいのですが、もし、自分の本来の性質に合わない道であったなら…、成果も出せず、周囲の期待に応えられず、自己肯定感が下がり、歯がゆい思いをするかもしれません。
かと言って、自分が本当は何に向いているのかわからない…。
周囲(特に親)が望まない道に行くのは気が引ける…。
そう悩む人も少なくありません。
かつて、その一人だった私も、就職活動の失敗と転職を機に少しずつ自分本来の道を見つけていくことができました。
どうやって自分の道を少しずつ見つけていったのか(まだ途中!)、その結果、何が起こっていったのか。
ここで書くことで、悩める方々の参考になるかもしれません。
大学受験の進路すら自分で選べなかった
この小見出しを見て「え!?そんなことがあるの?」と驚かれた方もいると思いますが、意外や意外、結構私の周りには多く存在します。
私の場合、「そもそも、大学って行くべきなの?」という原始的な問いをすっ飛ばし、高校1年の最初の成績表に、
「このくらいの成績だったら国公立大学は目指せませんよ」
と担任教授が平気で書くような高校に入ったのが間違いでした。
「大学に進学するという前提で、まずはどの学部を受験するのか考えなさい」
という、何段階飛ばしてんの!と思われる場所からのスタート。
それでも、数学も化学も苦手だし、英語が中学の時から得意だから、文系で文学部とかにでも行くかなぁと思っていた私。
それが、大学受験を1年ちょい後に控えた秋ごろから、親の圧力がかかるようになります。
「理系の方が就職にいいから、理系にしなさい」
と晩御飯のたびに言われ続けること1か月強。
さすがに耳タコ過ぎてげんなりし、理系科目が苦手なのに理系を選択しました。
しかし、数学の勉強方法も知らない(教えてもらえるような環境ではない)、理科も生物以外は苦手な私が大学受験で苦戦しないわけがなく、親に超文句を言われつつも1年浪人して、やっと理系の学部に滑り込み(後期日程合格)したのです。
合っていないし、本質的に興味も湧かない
物づくりには興味があったので、理論を追求するような学問ははなからパス。
選んだのは、薬の製造につながりそうな「有機化学」という分野でした。
ここで一念発起して興味を持って勉強に邁進すればよかったのですが、当時の私は、大学受験が終わって親の監視(特に母が教育ママだったので受験が終わるまで雑誌や本などの些細な娯楽さえも、勉強に関係がなければ一切禁止でした)がなくなった途端、RPGというジャンルのゲームにドはまりし、酷い時には1日16時間くらいゲームをするという中毒状態になっており、大学の勉強はそっちのけ。
何のために入学したのか…。
そもそも、「自分の意志で選択したものではない」ので、入学した学部の授業への興味が薄すぎたのです。
"自分の意志"が少しでも進路選択に影響を与えていたのなら、選ばなかったであろう学問。
本当にその学問を目指して勉強してきて、それでも受験に合格できなかった人には申し訳ない限りです。
そして、興味のないものって、自分にそもそも合っていないものなのですね。
そこをごり押ししてしまったから、大事な20歳前後の時間をゲームという何の生産性もないものに費やしてしまったのです。
大学院に進んで就職活動をするも、鳴かず飛ばず。
今学んでいる学問って、社会にどう還元できるのか?
自分は、その道をこれからも進みたいの?
当時、ちゃんと本質的な問いを自分に与えることができればよかったのですが、そんな思考能力はありませんでした。
周りも、「○○化学や○○製薬(大企業)に就職するもの」という空気しかなかったため、○○化学や○○製薬への「入社」を目指して就職活動を始めることになりました。
しかし、数十社、履歴書を送ってもほとんど返事はなく、稀に面接に呼ばれても二次面接まで行くこともなく、遠征費だけかかって貯金が減っていくという事態に。
当時は北海道から就職活動をしており、面接のために交通費が出る会社も半分以下だったため、自分の持ち出しが多かったのです。
最後は貯金が尽きて、イタリアンレストランのホールスタッフとか、ホテルの清掃とかで細々とアルバイトをして、軍資金を貯めることになります。
ではなぜ就職活動が上手くいかなかったのか。
性別や年齢、大学の成績(当然悪かった)もあるでしょうが、何より、私自身がその企業に貢献できるものが何もないと深層心理で思っていたことが大きかったです。
また、その企業に就職しても、未来が描けなかったことも要因としてありました。
企業側、私側ともにミスマッチの状態でうまくいくわけがありませんよね。
それもこれも、最初の進路選択で「自分が選ばなかった道」を選んでしまったからなのです。
一応就職するも、「使えない社員」に
その後、ブラック企業に拾われ(笑)、一応有機化学の分野で働けることになりました。
しかし、そこはベンチャー企業だったため、自分でいろいろと考えて動かないといけない。
それなのに「基礎力」が全くなかったため、早々に「使えない社員」の烙印を押されることになりました。
そもそも何をどう考えたらいいのかわからない。
上司が言う「基本的なこと」もわからない。
今まで使えてきた「ごまかし」もきかない。
上司に嫌味を言われ、社長に怒鳴られ、さらには物が飛んでくるという事態になり、私は最後には「仕事がどうの」以前に、「びくびくして何もできない」状態になってしまっていました。
そんな折、就職して1年後の春に「退職勧奨」を受けます。
「あなたみたいな、本当のバカは、うちには置いておけない」
その数カ月前から、転職サイトを眺めて嘆息していた私は、これを機に、転職活動を本格化します。
✔化学を専門として持っていても、世界に化学のニーズなんてない(これは思い込みですが)
✔今度こそ、本当に自分が「できる」仕事を探したい
昔から、文章や詩を書くのは好きだった。
語学にも興味があるし、文系寄りの仕事なら、自分にもできることがあるかもしれない。
ただし、単なる「文系の職種」では、年齢(当時、満30歳でした)のこともあるし、それこそ競争倍率がすごいことになるだろう。
そう考えて、転職活動で狙ったのは、「文系寄りだけれども、理解の知識が必要そうな職種」でした。
転職先ではちゃんと「仕事」ができるように
幸い、本格的に転職活動を始めてから1か月であっさり内定が出ました。
さらに、上司にも恵まれ、「本質をつかむ思考能力」を鍛えることができ、好きな語学も活かせるようになり、業界でもプチ有名人になり評価され、ちゃんと貯蓄できるくらいのお給料もいただくことができている、という、「本来の道」を歩いていなかった頃には全く予想できなかったプレゼントをたくさんもらうことができました。
人間関係に恵まれたことで、自分の能力を引き上げてもらえたし、仕事でも評価されて、
「地頭がいい人」
「こんなに優秀で、こんなに謙虚な人はいない」
「あなたにお仕事を任せていれば安心」
とお客さんにも言われるようになりました。
就職活動中や、ブラック企業にいた頃の私が見たらびっくりするだろうなぁというプレゼントの数々。
本業以外のことで何かを学習する時も、一緒のコミュニティの人が感心するくらい習得が早いし、気づきも深い。
当然、学習する内容は、自分の興味のあることなので、そのような現象が起こっているのかなと思います。
本当の道にいる時といない時、何が起こっていたか
本当の道にいなかった時、大学受験でまずつまづき、就職活動もうまくいかず(結局2年半放浪した)、やっと就職できても「使い物にならない」「何の価値もない人間」の烙印を押されるという事態になっていました。
翻って、少し、「自分の得意なところに照準を合わせて動き始めて」から、転職活動もすんなり行き、「自分から進んで仕事をやってくれる」「地頭がいい」と評価されるようになりました。
私自身の能力がいきなり変わったわけではもちろんなく、身を置く環境が変わったからこその、この評価。
さらに、物事の習得スピードも、本来の道とそうでない道では桁違いでした。
周囲の期待に応えようとしてもがいていた時期、「やらないと叱られる」という恐怖感から、ゴリゴリ頑張った結果、ある程度「学習する素地」ができていた可能性はあります。
しかし、それでも、「本来の道」ではないところでは、「本来の力」なんて発揮できないものです。
「自分が興味があること」「好きなこと」「これ、やりたいなと思うこと」
これが、”本来の道”なのだと思いますし、事実、興味や好きを大事にしてきた分野では、いい結果が出ています。
もし、今いる環境で「なんだか押さえつけられている感じ」「どう頑張っても成果が出ない」のであれば、それは”本来の道”ではない可能性が大きい。
「興味」「好き」の方向に少しでもシフトしていけたら、たくさんのプレゼントがもらえますよ。