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台湾と日本との架け橋 株式会社TOMOTOMO代表取締役 吳廷中(ゴ テイ チュウ)Davidさん

台湾と日本をつなぐ架け橋として日本で起業し、10万人規模の「台湾祭り」を手掛けるなど、国民性の違いを越えてチャレンジし続ける吳廷中さんにお話を伺いました。

吳廷中(愛称David)さん プロフィール
出身地:アメリカ(ニューヨーク)生まれ、台湾(桃園)出身
国籍︰アメリカと台湾
活動地域:日本、台湾
経歴: 2014年来日、2016年に株式会社TOMOTOMOを創業、主にメディアや日台関連のイベント運営などを行っている。
現在の職業および活動:株式会社TOMOTOMO 代表取締役
広告代理/イベント制作/マネジメント
SHIAPPA SHIAPPA オーナー
TFFDA 台灣未來影像發展協會 日本代表

「台湾人に日本を理解してもらい、日本人に台湾を知ってもらう」という理念で活動をしており、TOMOTOMOが台日間の架け橋になることを願っている

「自分にできる特別なこと、新しいことにチャレンジすることが好き」

Q. 日本に来られたきっかけや日本で起業されたきっかけは何ですか?

吳廷中(David)さん(以下David 敬称略):日本には家族で何回も旅行に来たんですけど、本当に好きになったのは大学時代ですね。映画やドラマを見て日本の雰囲気や文化が好きになったのがきっかけです。

 台湾の大学を卒業して兵役で1年間軍隊に入った後、日本に行って日本語を勉強したいと思い、台湾で2年くらいマーケティングや企画の仕事をした後に日本に来ました。

 最初は日本語学校で1年くらい勉強したら台湾に帰る予定でしたが、せっかく日本に来たから日本で少し仕事をしてみたいと思って、日本の会社に入りました。台湾のクライアントがいる日本のメーカーで、私が唯一の台湾人として営業の仕事をやっていました。

 日本が好きで、もっと日本人のようになりたいという気持ちで、日本の文化も学んだり、仕事しながら言語交流や花火大会などイベントも作っていました。日本語の勉強も面白くて、日本の友達もいっぱいつくりたくてやっていました。

 それからイベントの仕事が面白くなって、会社を辞めて全力でイベントをやってやってやって、2,3ヶ月くらい経った時に参加してくれる人達も増えて、これでやっていこうと会社を立ち上げました。元々台湾で仕事していた時から自分で独立したいという気持ちがありました。

 その気持ちがどこから来るのかはわからないですが、私はやっぱり自分の好きなことをしたいんですね。台湾と日本のイベント会社を創ることは他の人はあまりやってないですし、人と同じことをやるのは好きではないんですね。
 だから、自分にできる特別なこと、新しいことにチャレンジすることが好きなのでこの会社を創りました。それと勇気があります!でも私はステップステップ計画的にそんなに考えないんですよ。好きだからやります!だからチャレンジしてみて失敗してもいいと思っています。

人と人の繋がりをつくりたい

Q. 日本で起業されて、今はどんな夢やビジョンをお持ちですか?

David人と繋がることが好きなので、つなぐ仕事ですね。日本と台湾の架け橋として今やっている事業を大きくして、例えばイベントの「台湾祭り」も今は10万人規模ですが、もっと100万人がみえる規模のものも創りたい。

 将来的には日本と台湾のことを安定的に運営できれば、いずれは台湾と韓国、台湾とアメリカとか、アジア以外にも行くというビジョンもあります。

 私は「皆さん一緒に何かつくりませんか?」と若いベンチャー企業の社長さんなど人を集めて、「お互い協力して何か面白いものを創りましょう!」「一緒にやります!」という、人と人の繋がりをつくりたいですね。

 台湾と日本もそうですし、ビジネスパートナーもそうですけど、本当に一緒にやれば面白いじゃないですか。単純に人と繋がっていくことが好きですし、新しいことをチャレンジできればうれしいし楽しいですね。

 まさに全部の国が競争じゃなく、みんなと一緒に何かできる世界になるといいと思います。もともと友達をつくることが好きなので、一緒にやればできる事ももっと大きくなりますし、もっと面白くなる。全部自分一人の力ではできないので、チームプレーで面白い事を一緒にやりたいと思っています。
 偉そうに聞こえるかもしれませんが、一緒にやればもっと良くなるのになぜ一緒にやらないんですか?お金が少なくなる?あるいは別の国だから一緒にやりたくない?そういう考え方はやめた方がいいと思っていて、そういう壁も壊したいですね。

記者:社名のTOMOTOMOの意味も「友」ですよね。人と人の繋がりで世界を繋いでいくって本当に素敵ですね。

Q. ビジョンに向けて今はどんな活動や取り組みをされていますか?

David:主に3つの事業。イベントと広告代理店とマネージメントをしています。今は広告代理店が多いですね。それとTVやタレントさんのマネージメントですね。日本のタレントさんを連れて台湾に行ったり、台湾のタレントさんを連れて日本に来たり。イベントする時もメディアがほしいし、イベントに出演するタレントさんも自分の所でキャスティングもやっているので、だいたいこの3つが繋がっています。

 人材紹介や翻訳、通訳もたまにします。また、台湾映画を日本人に紹介する「東京台湾未来映画週間」も年1回やっていて、台湾のことをサポートしていると自分も達成感がありますし、意味があると思われているので楽しんでやっています。

Q. 日本で活動される中での苦労や、台湾と日本の違いはありますか?

David:信頼感をつくることが日本は難しいですね。日本の企業さんやパートナーさんを探すことや仕事をもらうことが結構時間がかかりますね。
 例えば台湾の企業を集めて展示会をします。そこで日本の会社が来て、いいと思っても絶対に仕事できない。1年目は知り合っても仕事はまだ。2年目またいろいろ話して距離も近づいても、それでもまだ仕事できない。3年目経ったらやっと仕事できるかもしれない。そのくらい信頼感を得ることが難しいですね。
 台湾はすごくいいものだと思ったら「いいですね!じゃあ一緒にやりましょう!」みたいな感じが多いですが、日本人や日本の会社は商品は良くても、数字をみて実績がないと一緒に仕事ができないみたいな所があるじゃないですか。今までどんな会社と一緒に仕事したことがあるのかなど、慎重ですね。

 じゃあどうやって私は問題を解決するのかと言ったら、もちろん実績をちゃんと作る事も1つの方法ですけど、私のやり方ではもっと早い方法は紹介ですね。「この人を信頼してるから問題ない」と即仕事を頂けるようになりました。

Q. 厳しい中でもたくましく勇気を持って挑まれていますが、人と繋がることが好きになったのは何か気付きや発見がありますか?

David:人と繋がることが単純にうれしいし楽しいですね。新しい人と知り合ったら、新しいもう1つのストーリーを知り合うことができます。どんな環境で育ってどんな考え方をしてるとか、1人1人自分のストーリーがあるじゃないですか。それを知り合うことが面白いし、もっと世界も広がるので単純に人と出会うことが好きです。

「自分にしかできない価値を生み出していきたい」

Q. 日本でチャレンジし続けてるのはどんな思いや背景からくるんでしょうか? 

David:実はお父さんからも聞かれましたね。「なぜこんなに一生懸命、台湾のことを日本人に紹介するのか?お前は政府の人でもないし、自分が偉い人と思ってるのか。使命感とかがあるのか?」と言われたんです。

 私もなぜ?と考えましたが、正直言ったらよくわからないんですね。私の周りの日本人の友達はもちろん台湾が好きで、台湾のことを知ってる人が多いんですけど、日本全体はまだまだじゃないですか。台湾を知らない人がいっぱいいますね。少し落ち込んだこともありました。
 台湾はどんな国?と言ったら、皆さんは「台湾は優しい人がいる。食べ物が美味しい」それだけです。

 なぜこんなに台湾のことをやってるのか?と聞かれると、1つ言えるのはこれが私が特別にできることです。
 ビジネスマンの観点では、私は中国語も話せますし台湾で繋がってる人もいますので、事業で考えればこれがいいんじゃないかと言えるんですね。
 でも自分はデザインもできないし、何一ついい能力は持ってない。唯一自分が持ってるのは「人を集める力、人と繋がること」が特別なところかもしれないですね。

 本当にすごいことをやりたいんです。お金ではなく皆さんが「ちゃんといいものを創ったんですね」と言われるようなことをやっていきたいと思っています。
 そんな気持ちがあるから自分の深いところからずっとプッシュされているのだと思います。これからも自分にしかできない価値を生み出していきたいと思います。

記者:本当にDavidさんの繋がる力が世界を変えていく鍵になるんだなと思いました。地球人として、国を超えて繋がっていく時代だなと感じました。
 本日は貴重なお話をありがとうございました。

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Davidさんの活動についてはこちら ⬇︎

【編集後記】
インタビューを担当させて頂いた塚崎、西尾、磯原です。
 Davidさんのお話を聞いて、お互いの国を深く理解しあいながらも国のアイデンティティに固定されず、ボーダレスな新しい世界を創っていくことができると希望を感じました。
 Davidさんの人との繋がりを大切にする生き方や、失敗を恐れず勇敢にチャレンジしていく姿は、多くの日本や台湾の人々に勇気を与えると感じました。これからもご活躍を楽しみにしています!

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こちらの記事は、リライズ・ニュースマガジン “美しい時代を創る人達”  にも掲載されています。

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