大江千里さんのJazzライブに行った。
本場でJazzを体験したいというのもニューヨークに行く前からあったので、おすすめしてもらって「ビレッジバンガード」に出かけた。
月曜日はビッグバンドの日で、演奏者も観客もくつろいだ雰囲気が心地よかった。こういう大人の遊び場があるって本当に素敵。
もうひとつ、大江千里さんのJazzを聴きたかった。
noteでお見かけして、生き方がカッコいいなと気になっていたから。
ラッキーなことに「tomi jazz」での月一のライブとNY滞在日がかぶり、千里さんのJazzを聴きに行くことができた。
ざわざわと賑やかで、人の熱気にあふれた地下のバー。
日系の店らしく、日本酒を飲んでいる人もいれば、お好み焼きを頼んでる人もいて、ソースのいい香りに心奪われる。NYのかつお節も、活きがいいな。
千里さんのJazzピアノはポップに歌っていて、弾いている後ろ姿がとても楽しそうだった。
日本に帰ってきてから千里さんの「9番目の音を探して」を読み始めた。
そこには47才からのジャズ留学でどれだけJazzを鳴らすために苦労したかが書かれている。「年齢にとらわれずに挑戦できるのは素敵」と誰もが言うけれど、挑戦している本人の苦悩に触れると頭がギュッとなる。
簡単なことじゃない。だからこそ“素敵”なのだけれど。
本を読んでいると、大江さんのJazzをポップだと表現していいのか迷う。ポップスの世界から、練習に練習を重ねてJazzの音を探した千里さん。
でも、Jazzはよく知らないけど音楽は好きという私にとって、「ポップである」というのは最大の褒め言葉。難しいことを難しく、分かる人だけ分かる世界にしてしまわず、心地よく楽しい響きでたくさんの人の耳を満足させる。そういう音に触れたとき、私はポップだなと思うし、ポップさにくるまれた音楽の芯は何だろうと探究心をくすぐられるから。
実際にやりたいことを実現している人を目の前にすることで、今自分が勉強していること、やりたいことへの取り組み方を見直そうという気持ちにもなった。経験やプライドを脱ぎ捨てたフラットな心が必要だ。理屈をこねずに学ぶ姿勢も大事になってくる。かかなくてもいい恥をかくことも増えるだろう。そもそも人づきあいが下手すぎる問題をどうにかしよう。
課題はいっぱいある。でも何だかワクワクする。
そんなことをぼんやり考えながら、千里さんのライブを楽しんだ。