読書メモNo.50『塞王の楯/今村翔吾』
直木賞受賞作の本
本屋さんで中々見つからず逆に欲しくなった本です。
圧倒的ボリューム
圧巻の読後感
今まであまり読んだことがなかったですが戦国時代の話です。戦国時代の武将の知ってる名前が出てくるのでそれもあって意外とサクサク読み進められました。
時は戦国時代。
幼き頃、織田信長軍により、両親をそして妹を失った匡介。織田軍から逃げる道すがら、彼を引き取ったのは「塞王」と呼ばれる、石垣造の職人飛田源斎。
源斎と共に、石垣職人として働く匡介にはその才能があった。石の聲が聞こえる気がするのだ。
最強の楯と謳われる石垣
戦い真っ只中でも、修繕する危険な「懸(かかり)」を行うことも。職人が無暗に攻撃されることはないが、巻き添えにあう事は当然ある。
それでも石垣職人は人々を守り、泰平を目指す。
ある戦で、匡介たちが「懸」を懸命に行っていたが、甲賀衆の猛攻により負けが見えてきた。匡介は、石垣を壊して「攻撃」しようと提案する。源斎は良い顔はしなかったが、了承した。石垣は守るもので、攻撃するものではないからだ。石垣職人の域を超えていた。源斎が心配したのはその行為が石垣職人に対して「恨みをもたれる」事だった。
一方
至高の武器となる鉄砲
ここにも、若き跡取り彦九郎がいた。石垣と違い、人を殺める道具を作る職人は、武士以外からは歓迎されない。それでも、彦九郎達は鉄砲で泰平を目指す。性能の良い武器がありとあらゆる武将に使用されれば、そもそも戦いをする気にならないはずという信念があった。
匡介たちと彦九郎たちは、度々戦場では衝突する。石垣は性能面でどうしても改良する部分が少なく、一方鉄砲は性能が日々上昇していた。その武器の性能にあわせて石垣を組むため石垣側は後手後手の対策となっていく。
しかしそこは塞王といわれる石垣職人。時代の先駆だった砲撃を度々阻んだ。
そのような中、懸に出ていた源斎が命を落とす。職人は敵の標的には基本的にはならないのだが、標的にした者がいた。以前、匡介たち石垣職人が攻撃をした「甲賀衆」だった。
恨みは恨みを呼ぶ。源斎が死んだのはあの日の自分だと後悔する匡介。
石垣は人々を守るためのものだったと。。。
豊臣秀吉が、世を治めると石垣は守るものではなく見せる物がでてきた。
石垣職人は、戦に合わせて組む為戦がなくなれば、仕事が減り技術の向上が難しくなる。それでも匡介たちは、平和を望んだ。
だが、彦九郎は泰平は長くは続かないと匡介に言う。
そして----
豊臣秀吉が亡くなると、彦九郎の予想通り1600年を目前に天下分け目の大合戦が始まった。
石田三成側の彦九郎
徳川家康側の匡介
若き跡取りたちの最後の戦いが始まる
最強の楯と至高の武器。激突したときはどちらが勝つのか。
石垣と鉄砲を使い、泰平を目指す職人達。どちらも目的は同じなのに、手段は正反対。一方は民から感謝され、他方は民から嫌われる。
平和を目指すって、なぜそんなにも難しいのだろうか
いま、この時も戦争がおきている。人を守るために使いたかった武器が罪なのない子供を、お年寄りを、大人達を、彼らの未来を奪っている。
平和を願わずにはいられない🌏
おすすめ度:★★★★☆
コスパ :★★★☆☆
読後感 :★★★★☆
小説読み始めるとやっぱり面白いわ~
ビジネス書も好きですが、本屋大賞時期だけは小説に没頭
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