アンティークな銀座奥野ビル、しっとり玉露。|建築さんぽ #02
たくさん歩けて、インスピレーションが湧いて、出かける選択肢が尽きなくて、お金がかからなくて楽しい趣味。建築にくわしくない人の建築さんぽ第2弾です!
第2弾にして激ハマりする、しびれるようなビルに出逢ってしまいました。
奥野ビル(旧名銀座アパートメント)
ハリーウィンストンやシャネルのある銀座の曲がり角から、2〜3本東銀座側に入った通りに佇むアンティークなビルです。1930年代に建てられた当時の高級マンションなのだそう!こんなところに、こんな素敵な建物があったなんて......。どんな人が住んでいたんだろう?
現在はギャラリーやアンティークショップなどが入っていて「時代とともに生き方をアップデートしているビル」だということが素敵だと思いました。
テナントは気品のあるお店やギャラリーが多く「ビル界の紳士」のような印象をうけました😌 ちょうどこの壁の色くらいの茶色のツイードのジャケットを着て、蝶ネクタイはネイビーかブラウンでキメているような、そんなイメージ🌹
一階のアンティークショップには、素敵なグラスやランプが並んでいて目の保養でした。このマンションのなかでも、こんな素敵な食器が使われていたのかもしれない。
一階にはポストがあってどんなギャラリーがあるのか、一覧してみることができました。
金庫、かっこよい。銀座の高級マンションの金庫、なにが仕舞われていたんだろう!
手動エレベーターで上階へ
手動でドアを閉めないと作動しないレトロなエレベーターに乗って上階へ。なんだかタイタニックを思い出しました😌
階段もあります。いたるところに生花やドライが飾ってあって、空間として美しすぎました……。昔ぽさと今ぽさの融合って、すごく良いですよね!(語彙)
消火栓すらもアンティークに感じる。ドアノブの鍵穴も愛おしい。
ドアと小部屋がたくさん。中銀カプセルタワービルのときもそうだったけど、元住居って想像することがたくさんでミステリアスで惹かれる。
唯一当時のままの「306号室」
実は2000年代まで、この306号室には住人のかたがいらっしゃったそうです。「スダ美容室」という美容室を営まれ、廃業されたあともこのお部屋で暮らしていらっしゃったのだそう!丸い鏡や床や壁紙など、全て美容室のときのままなんだとか😌
現在は「銀座奥野ビル306号室プロジェクト」のみなさまが当時のかたちを残しながら、お部屋の保存や展示をされているそうです!纏う空気の質感や香りまで、その当時のままのように感じられました。
こうやって、残していくべきものを次に繋げられるって本当に“有り難い”なあって思います。誰かが維持をしてくれるから、文化に触れることができるんだなと思うと、本当に感謝です。
入り口には面白い釣り紙?がありました。「行くか来るかで(同じ道でも)上りになったり下りになったりするんだよ」わかりきったことのようで、視点を変える面白さを再認識させてくれる言葉。
やっぱり古いものが好き
前回は「もう二度と再現できない尊さと、儚さ」が好きと書いたのですが、「時を経てまとった“重厚感”に押しつぶされそうになる感覚」も好きだなあと思いました。伝わりますでしょうか?笑
85年前を想像して、この建物が過ごしてきた長い時間のことを考えると、自分なんてちっぽけだと思えるというか。目の前のことで精一杯になっていたとしても、ひとたび時間旅行にでられるというか。
丸の内でしっとり玉露
この日はちょっと歩いて、丸の内「喫茶室 嘉木(一保堂茶舗)」で玉露を飲みました🍵 のれんのかかった上品なお店で、お茶の販売店舗と喫茶室が併設されておりました。
日本茶を自分で淹れるのが苦手なので、おいしく淹れてもらえるのがうれしい……。
次はどこにお出かけしようかな!