ギンちゃんがウチにきて一年
シルバー文鳥のギンちゃんが2023年7月11日にウチにやってきた。今月で一年目となり、最近は手の中におさまってくれるくらい、すっかり慣れてきたところ。
小学校低学年のころ、当時はまだ生体販売されていたメジロを飼っていた。幼かったからかあまり興味がなかったからなのか、手に乗せたり触ったりしてた記憶はなく、メジロ3羽が大きいひとつの竹籠に入っていたことと、ベランダに出していたら気がつけばもぬけの殻になっていた、その2つの絵面の記憶しかない。
その数年後に野良猫を拾って17年一緒に暮らし、それから10年…。正直猫を失った時のペットロスが激しくて、以来ペットを飼うことに抵抗感を持つようになってしまった。猫は好きだしまた飼いたいけれど、またあの悲しみを味わうのかという思いと、そもそも金銭的余裕もなく動物を飼う勇気が持てなかった。
それなのになぜギンちゃんを飼うことになったのか。
2022年に舘野鴻さん作の『ねことことり』という絵本の絵を描かせていただき、そこで猫と鳥を描いた。シリーズ3部作ということで、2作目のタイトルは『あおいことり』。今度は小鳥が主役だ。唐突に絵本の宣伝をし出してなんてイヤラシイ奴なんだと我ながら思うが、ギンちゃんを飼うことになった動機はまさに『あおいことり』のためだった。
猫もうまく描けなかったのでもちろんスケッチ練習が必要なんだけど、鳥は更に未知数。形態、どんな風に動くのか、仕草や習性などを毎日近くで見たいと思った。
そんなわけで特別文鳥が好きというわけでもなかったし、こだわりもなかったけれど、鳥初心者にはインコやオウムより文鳥が良さそうだ、とネットリサーチの末、去年の5月ごろ思い立ち隣駅の古くからある鳥専門ペットショップに行ってきた。その店はペットショップという言葉があまり似つかわしくない鳥が大好きな人の個人宅のような趣ある佇まいの店で、そういえばメジロもこの店で飼った気がするなぁ、店主のおばちゃんもなんだか遠い記憶の中で見覚えがあるぞ・・・と思いながら、文鳥が欲しいのですが、と声をかけてみた。
その時期はもう幼鳥はほとんど出払ってしまって、文鳥では1羽のシルバー文鳥、1羽のシナモン文鳥の2羽の幼鳥がいるだけだった。
ほぼ大人サイズに成長したその二羽をカゴから出して見せてくれた。手乗りを覚えさせているようで、店主さんが手を目の前に差し出すと、チョンと乗った。シルバー文鳥の方がちょっとだけ体格が大きく、たぶんこの子は男の子だね、とのこと。店内の棚の隙間に飛び乗って元気いっぱいなその子がいいとすぐ決まった。
こどものころメジロを飼っていたとはいえ、母が世話をしていたし、記憶はほぼないしで全てが初体験。簡単な世話についてはお店で教えてもらい、注意すべきことはとにかく検索した。
2週間後には横浜小鳥の病院という鳥専門の病院で健康診断、文鳥についていろいろ先生に質問しつつ、順調に育っていった。
猫を飼っていたこどものころは今のようにスマホで気軽に検索なんてできなかったので、猫については動物病院の先生に聞くばかりであとは感覚で育てていた。でも今はなんでもすぐに調べることができるので、飼い始めの1ヶ月間、取り憑かれたように深夜まで文鳥のことを検索しては事故や病気のページを読んで恐怖していた。こんなに小さいのだから、犬猫と違って繊細でちょっとのことですぐ死んでしまうかもしれん!と、10円玉5枚分の軽さの存在をとても危ういもののように接していた。
そんな中・・・ギンちゃんに事件が起こる!
長くなったので続きはまた次回。
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