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自分の声は好きですか?


こもった声だし
大きい声出ないし
音域狭いし
音痴だし

随分と長い間
自分の声が
好きではありませんでした。

中学生のころ、
一度だけ
同級生の女の子に

「あなたの声が好き」
と言われたことがあって、

まるで
「あなたのことが好き」
と、言われたかのように

嬉しくなったことを
思い出しました。

だからなのでしょうか。

ここ最近、

「声がいいね」

と言っていただく機会が
増えたのですが、

まるで
存在を認めてもらえたかのように
嬉しいことに感じるのです。

声を
「言葉」として
処理するのとは
別の深いところで

「音」として
刺激を受ける
場所があるらしく

それは

あの「匂い」と
おなじように

本能領域に作用する

ある匂いや
ある声を

知覚した瞬間
何かの拍子に
思い出した瞬間

どこか深い場所に
触れたような

キュッとなるような
懐かしさを
感じることがあります。

まるで
その人は

理屈を超えて
自分をオープンにできる

安心できる存在であると
本能的に
知らせてくれるかのように

繋がりを感じる
瞬間なのかもしれません。

そして、今
自分の声が好きになりました。

「自分と繋がる」ことは
深い安堵を感じることだと
学んだからなのかもしれません。

Tout bruit écouté longtemps devient une voix.

「長い間聴かれた音は声になる」

Victor Hugo


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