第11回「脱・施設から築・地域へ!NPO法人「月と風と」が目指す半径2キロの"混浴社会"!? ~1話目~」
超リスペクトしている法人「月と風と」に昨年のどこかで取材を行いました。ずっと、ずっとしたためていたその記事を更新いたします。
■■■脱・施設から築・地域へ!NPO法人「月と風と」が目指す半径2キロの"混浴社会"!?■■■
「友達ほしい。」「バイトしたい。」「結婚したい。」「好きな子にチョコあげたい。」。どこにでも落っこちていそうな“THEつぶやき”。あなたもついこんなことを呟いたことはありませんか?これ実は、兵庫県尼崎市で障害福祉サービスを行うNPO法人月と風とを運営している清田さんが、実際に聞いた“障害者”のつぶやきなのです。若いとか年をとっているとか、カッコいいとかカッコ悪いとか、障害があるとか無いとか、そんなことは置いといて。どうしようもない“ただの人”として、目の前のあなたのつぶやきをちゃんと聞いてくれる人がいる社会っていいなと思いませんか。「障害福祉」の枠を「障害者」と一緒にヒョイと飛び越え、孤立をなくす地域づくりまで見据えてしまっている、そんな“NPO”。月と風との代表の清田さんが目指す“混浴社会”について聞きました。
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NPO法人月と風と…オモシロ可笑しく、時に真面目に。「共生のまちづくり」を目指して、尼崎市にて平成18年~重度心身障害者の地域生活を支えるヘルパー派遣事業を実施。障害者と地域社会との接点をつくり、地域から孤独を無くす「ヒトリボッチジャナイプロジェクト」に邁進中!
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■障害が一番重い人こそ地域に!
兵庫県尼崎市のJR園田駅から徒歩10分、NPO法人月と風と(以下、月風)の小さいけどひときわ目を引く存在感の大きなカラフルな事務所があります。アート作品が飾られ、主張たっぷり!の外見からは、まさかここが福祉の事業所だとは想像がつかないかも。
月風は主に重度心身障害者へのヘルパー派遣を行っている、いわゆる障害福祉サービスの事業所で、利用者の多くは、コミュニケーションが難しかったり、胃ろうや痰の吸引、人工呼吸器の管理など、医療的ケアの必要な人が多いのが特徴。ケアが難しい重度の障害者を率先して受け入れてきたのは、「障害が一番重い人が地域にいたほうが、みんなが暮らしやすい世界になる。」という代表の清田さんのポリシーから。平成18年からこの尼崎の地で重度の障害をお持ちの方の在宅生活を支えるヘルパー派遣事業を行っています。またその一方で、世の中の社会問題のほとんどの原因となっている孤独をなくそうという「ヒトリボッチジャナイプロジェクト」をもう一つの軸として取り組んでいます。
■地域から“孤独”をなくすーヒトリボッチジャナイプロジェクトー
ヒトリボッチジャナイプロジェクトは、①「アートプロジェクト」②「お風呂プロジェクト」③「地域づくりプロジェクト」④「ヘルパー育成プロジェクト」の4つに分かれています。その取り組みはどれも「そうきたか!」と言いたくなるようなユニークなものばかり。例えば、古着屋さんとコラボして障がいのお持ち方と一緒にファッションショーをしてみたり、事務所でカルチャースクール的なものを開いてみたり(その名も「軽茶堂(かるちゃどう)」)。どれも入り口には「福祉」だとか「介護」というイメージを作らず、「なんか面白そうやん。」から入って、そこに自然と障害のある人との出会いがあるように作られています。
どのプロジェクトも清田さん曰く「知り合いの多い人生は幸せな人生!」と言う考えのもと、障害のある方と地域社会との接点をつくる取り組みとして運営されています。
( 第2話目へつづく・・・ )
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福祉の線引きを薄めるために、福祉の中で遊んでいます。特に障害をお持ちの方と一緒に。みなさまのサポートはそれらの遊びに活用します。