僕たちが地域にひらき続ける理由とは │マイコミュニティ論
三休は「地域の人たちと一緒に遊ぶ」機会をつくり、共犯者が増やしていくことがその地域の福祉力を上げることにつながる仮説を立て自分たちのペースで日々実践している。
そしてカフェも運営している。「カフェで働きたい」思いを持つたった1人のメンバーのために急ピッチメニューも価格もコンセプトもあまり熟考せず、カフェごっこのようにスタートした。組織自体が「地域にひらく」を体現化しているのでカフェのコンセプトも自然と「地域にひらく」に傾いていった。
ありがたいことにお客さんも増え、三休で何か企画をする人たちも増え、カフェ業務に関わるメンバーやスタッフが増えていき、色々と考えるフェーズに入った。
この数ヶ月前からスタッフたちとカフェ打合せを定期的に開催し、少しずつ形を整えている。そのなかで改めて言語化しようと思い立った「コミュニティ」の定義。スタッフに対してのマイコミュニティ論を共有、議論し、「僕たちのコミュニティとは」を再定義、共通認識にしていく会議を昨日おこなった。
自分の考えをまとめあげると3000文字超のボリュームになったので、これnoteにあげよう!と思い立ちました!
(もしご一読し「勉強になった!」という気持ちを感じたのであれば「気に入ったらサポート」お待ちしております 笑 )
●そもそも「コミュニティ」ってなに?
コミュニティの語源はラテン語「コミュニース(コム+ミュニース)」。コムは「一緒に」・ミュニースは「任務」で一緒に任務を遂行すること。
コミュニティの変遷、
1960年代:建築物などのハード整備によりコミュニティを生み出そうとするもの。人々が集まる場所をつくり、そこに集まり、会話し、関係性をうみだすような都市形態の提案。
1980年代:建築物などのデザインにコミュニティの意見を反映させるもの。1960年代のコミュニティは専門家が主体で地域の人たちの意見が反映されていない。そのため、公共施設を地域の人たちも考えデザインすることで住民のコミュニティ意識を高めることが目的。
2000年以降:建築物などのハード整備を前提とせず、地域に住む人が緩やかにつながり、自分たちが抱えている課題を乗り越えていくことを手伝うもの。コミュニティ=人のつながりをつくるための手法
202X年~:ただいるだけでいい。つながらなくてもいい。何かしたい人がいたらつなげる。 そんなコミュニティが主流になるんじゃないだろうか、の仮説。
●なぜ三休は「コミュニティ(地域づくり)」を打ち出しているのか?
福祉事業というのは僕たちの都合で終わらせることはしてはいけない。わらにもすがる思いで三休通所を決めた人や三休で働くことを生きがいとしている人がいたりと彼らの居場所を僕たちの都合でなくすことはしたくない。
就労支援と謳っている以上は「農業やカフェの仕事を通じメンバーのなりたい姿ややりたいことを実現するサポート」をしていかなければいけない。これが就労継続支援 B 型事業の役割で三休の使命で、これを提供していければ就労支援のサービスとして成り立つ。でも、僕たちはそれだけで終わりたくない。
メンバーたちは京田辺市で過ごし、働き、遊び、年を重ねていく。つまり、京田辺での暮らしそのものが豊かになっていくことが、彼らが障害を理由にしんどい思いをする機会を少なくし暮らしやすい状態にしていくのではないか。だからこそ、僕たちは就労支援だけでなく地域に拓けたコミュニティづくりをおこなっていくと決めた。10年後・50年後の未来をつくるために。
そのため、2018年07月から地域の方々と三休オープンに向けた話し合いを毎月開催した。そのときに意識したのは「共犯者をつくること」。そのため1つのテーマに対してのオープンミーティングとだらだらとおしゃべりする自由な飲みの場の第2部形式でおこなった。最初は20名程度、そこから平均10名前後が集まった。これのおかげで、畑を借りることができたり農業を教えてくれる人があらわれたり大学生とのプロジェクトにも参画したりと一緒に三休をつくる仲間をみつけることができた。
2019年4月にオープンし、「面白い企画を毎月開催していこう」と思い、次々に企画していた。が、それはスタッフの疲弊にもつながり、そして、福祉事業が整っていない・農業の土台が固まっていない状況では優先度は高くないなとコミュニティづくりを一旦見直すことになった。
2020年07月、カフェで働きたい通所希望者が見学にお越しになり、急きょカフェ事業をスタート。だいたい1ヶ月くらいでつくりあげた。そのときのイメージは「コミュニティカフェ」。売上というよりも地域の人たちが来るフックを意識したので、このときはお客さんにがっつり喋りかけ仲良くなり滞在時間もぐんと多かった。
レンタルスペースも開始し、ちらほらとレンタルする人も増えていった。そしていまは「売上」や「来店者」にも目を向け、「常連を増やし地域に根差す」コミュニティの側面だけでけなく、より多くの人たちに僕たちの野菜やハーブを知ってもらい購入していただく手段としても機能している。
コミュニティ形成を意識しているいまの理由はいくつかある。
・三休が地域に根差していくため = 障害福祉がまちにあることが地域に浸透していってほしい。
・まちで暮らす人たちと障害者が知り合う機会をつくるため = 障害のある人たちが暮らしやすい状態にしたい
・三休の野菜やハーブを認知していくため = 売り上げをたくさん上げたい
・メンバーの就労支援の機会を提供するため = お客さんと関わる機会をつくりたい
・信号もないコンビニは徒歩 1 時間のド田舎での原風景を呼び起こすため = 地縁型コミュニティを形成したい
●三休が位置付ける「コミュニティカフェ」とは?
" コミュニティカフェとは、人と人とを結ぶ地域社会の場や居場所の総称 (長寿社会文化協会定義) “
“ コミュニティカフェとは、「タウンカフェ」や「コミュニティサロン」 などさまざまな呼ばれ方がされる“まちのたまり場”のことを意味する。 普通のカフェや喫茶店と異なり、お茶を飲むことよりも、他の客や店の人と交流したり情報交換したりすることが大切にされる場所である。だから、「カフェ」であることは必ずしも必要ではない (コミュニティカフェとモビリティ ━地域空間における〈つながり〉の変容 / 田所承己)”
→「コミュニティカフェはこう!」という明確な定義は存在しない。三休独自のコミュニティカフェを言語化しスタッフやメンバーの共通認識にしていく必要がある。
ぼくが考えるコミュニティカフェはこのようなものだ。
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福祉の線引きを薄めるために、福祉の中で遊んでいます。特に障害をお持ちの方と一緒に。みなさまのサポートはそれらの遊びに活用します。