ハゲ鷹と呼ばれた話
わたしの職場には給茶機があり、コーヒー、緑茶、麦茶、水の冷たいものとあたたかいものをのむことができる。
これはとても便利で、毎日利用している。
そして、幸運なことに、わたしの席は給茶機に非常に近いため、のどがかわけばすぐにとりにいくことができる。
そして、さらに幸運なことに、お土産のお菓子などがよく給茶機の横に置かれる。
限られた数のお土産であっても、すぐにもらいにいくことができる。
というよりも、わたしはお菓子を常備しているためそこまでお土産欲はないのであるが、近隣の席の方々がついでにとわたしの分まで持ってきてくださり、おこぼれにあずかっている状況だ。
とは言っても、お客様からいただいたちょっとおいしいお菓子などはやはりうれしい。
ある日、仕事をしていると
まーさん(会社の大先輩、68歳)
「ハゲ鷹たち、ジュースとった?」
ハゲ鷹。
となりの先輩(40代主婦)
「なにハゲ鷹って!笑」
まーさん(会社の大先輩、68歳)
「だってハゲ鷹でしょ!」
いろんなあだ名でいままで呼ばれてきたが、ハゲ鷹ははじめてであった。
しかも、先輩だけならまだしも、ハゲ鷹"たち"とは。
われわれが食べログやごはんの話ばかりしているため、まーさんはいつも「あんたたちはいつもごはんの話ばっかね!」と言っている。
まみむ
「まだとってないですよ、とってきてください」
まーさん
「まだとってないなんて珍しいじゃないのよ!ほらなに味がいいの!」
先輩
「マンゴー」
まみむ
「みかん」
するとまーさんはマンゴーとみかん(オレンジ)のジュースをくれた。
まーさんは、現役でバリバリ仕事もこなされているが、庶務的な仕事もしてくださっており、こと給茶機横のスペースについてはきれいに保たれていなければならないと、人一倍気をつかっている。
そのため、お土産などが置かれていると、すぐどかしたくなるらしい。
わたしがいろんなお土産をいただけているのは、まーさんのこの潔癖のおかげであるとも言える。
まみむ
「まーさんなに味にしたんですか?」
まーさん
「あたしこうゆうのあんますきじゃないのよ!甘すぎるでしょ、やなの」
と言って、りんご味のジュースを持っていった。
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