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ある日のウクライナ詐欺
私は基本的に、SNSでフォロバ100%でした。
今は100%ではなく、ビジネスアカウントや、自分にあまり関係ないテーマの投稿をされているアカウントなどは放置したりしますが、一般の人の場合、フォローをお返しする率が高いです。フォローしてくるけど読みにこない方もおられるし、どんどんフォロバするとタイムラインがこちゃごちゃになるのですが、「誰をフォロバして誰をフォロバしないか」ということを一回一回考えるのが苦手なのです。人を覚えるのは苦手です。フォローしてくる人の中には、こちらが以前投稿にいいねしたためにフォローでお返ししてくださった、という方もいるかと思います。
それでいつものように、Twitterでフォローしてくださった方にフォローを返したら、その人からDMがきました。
初対面で「会えて嬉しい」は謎だなと思いましたが、「あ、Nice to meet you.」を訳すとそんな感じか、と納得しました。
「こんにちは、フォローありがとう」も分かります。こういうメッセージをくださる方は今までにもいました。
「女性? 男性?」というのも、以前私が入り浸っていた無料チャット等で定番の話題だったので、普通にお答えしました。
さて、以前Instagramで、フォローした途端、やたらグイグイくる方がいたのですが……。
そのときウェブ検索で調べると、このような方は出会い系サイトの業者さんであり、出会い系サイトに誘導されるとの情報がありました。
こういう人には会話の途中で「出会い系サイトの業者さんですか?」と聞くと、会話が止まる傾向にあるそうです。ということでそのように送ってみたら、メッセージがこなくなりました。
今回のTwitterの人は、私が「女性です」と答えたにも関わらず、会話をやめません。アイコンも人間女性じゃないし、男性狙いのエロアカウントとかではなさそうです。が、なんとなく、怪しい予感がしました。一体どこに話を持っていかれるのでしょう。
彼の最愛の友人が私に感謝しているそうです。しかしそれ以外は、言い回しに癖があってよく分かりません。
彼はドイツ兵の将軍(という設定)らしいです。どうやら、ニュースなどで言っている、ウクライナ詐欺の一種のようですね。
畳み掛けるように個人情報を求めてきます。
っていうかなんで将軍が、どこの馬の骨とも分からない人に連絡してくるのでしょう。あと将軍のアイコンがわんことはどういうことですか。
まぁそこは個人の自由ですが。盗難アカウントや、乗っ取りかもしれないし。
私が以前ネット徘徊していたとき、急に「おめでとうございます! iPhoneが当たるチャンスです!」というページが表示され、「わーい! iPhone当選したらラッキー!」と、嬉々としてアンケートに答えたら変な通知が山ほど届くようになった、という悲しい出来事がありました。
このときの「おめでとうございます!」の画面で紙吹雪が降る演出があったため、その後、pixivで投稿して紙吹雪が降ってくる演出があったときには、「詐欺か!!」と身構えました。今でもpixivの紙吹雪を見ると、フィッシング詐欺を思い出します。
また、以前アメブロでイラストを多く投稿していた頃に、ハッピーネットワークという組織(?)の方から、「あなたのイラストを雑誌に載せませんか?」というようなコメントがついて大喜びしたことがありましたが、検索してみると、「ハッピーネットワークは悪徳商法」という情報がたくさんあり、その上、「ハッピーネットワークの勧誘の人は『絵が下手で頭の悪そうな人』に声をかけて回っている」という情報があって、二重にショックを受けました。
というわけで私は傷心しているのです。
私は傷心を将軍に打ち明けました。
が、彼は決して「あなたの投稿のこういうところが素敵だから、この人なら話が分かると思って、初対面だけど君に賭けてみることにしたんだ」などとドラマチックなことは言ってくれないし、ハッピーネットワークにアホ認定された私の創作物を褒めてもくれません。彼は彼の愛する彼自身だけを信じているのです。
まぁ相手は緊急事態だから(という設定)、私のデータや人間性どころじゃありませんね。……それどころじゃない緊急事態になぜ、見ず知らずの人に話しかけてくるのか。
「怖がらなくていいよ」と言ってくれるジョンソン。私はストーリーを読み進めるため、先を促しました。
ジョンソンがクエストの説明モードに入ります。
急に「皆さん」になりました。
だから何で政府やら国連絡みの極秘情報を、性別も年齢も職業も分からない私に、出会って37分で伝えるんだ、っていう。
私がイベント進行を妨害したから、ここにくるまでに37分かかりましたが、すんなり話を聞いていれば数分で言ったことでしょう。
私は自分の小説執筆力の低さを棚に上げ、彼のストーリーに不満を持ちました。
彼は私に、金の延べ棒が入った箱を渡したいようです。
しかし私は、今まで詐欺に引っかかってきた経験を生かし、直感をもって、彼が詐欺師であると判断しました。なんとしても、箱の受け取りをお断りしなくてはいけません。
ハッピーネットワークに声をかけられたあの頃から、私の絵の下手さは変わっていないかもしれません。しかし頭は、少しずつ賢くなることができるのです。
なんとしても箱を渡そうとする彼と、箱の受け取りを拒否しなくてはならない私。謎バトル開幕です。
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