Miller et Bertaux ミレー・エ・ベルトー/「オード・パルファン」香水
息子の稽古の迎えまで時間があったので、本当に久しぶりのスパイラル@表参道へ。最奥にあるスパイラル(螺旋)形状のスペースでの個展を見ながら、”このスロープで動画撮ったら絵になるなぁ~”と思ったり。スロープ上に、Spiral Marketなる、おサレなセレクト雑貨ショップがあるので、訪れたことがある方も多いと思います。ここは、このビルが竣工した1985年から、変わらずに営業している店です。
このスパイラルビルは、ワコールが「文化の事業化」を目指し建てた複合施設です。設計は、槇 文彦先生 (http://maki-and associates.co.jp/firm/index_j.html)設計です。先生を知らなくても、代官山のヒルサイドといえばピンとくる人も多いハズ。そう、日本が誇る建築界の巨匠の作品の1つです。
なかなか本題に至りませんが、店で雑貨を見ながら、とてもオシャレな香水を見つけました。その名は、Miller et Bertaux。"Bertaux" って、フランス語をほとんど知らない私にとっては、BertauxもBordeau(ワイン産地のボルドー)も同じ綴りに見えます笑。ググるとet は、英語の「and」のことで、「~と~」つまり、「ミレー”と”ベルトー」ということ。クリエイター2人の合作です。いくつか、肌に付けてみましたが、特に気に行ったのが、インドからインスピレーションを得た「a quiet morning」と「Shanti Shanti」の2品の香水です。
なかなか表現が難しいですが、匂いとしては、秋の枯れ葉、あまり出入りの無い小屋に入ったときの「ツーン」としたカビ臭さに至る手前の何とも表現が難しい香りでした。手首につけた1プッシュから6時間くらい経つというのに、未だにかすかに匂います。記憶をたどると、同じ香りはイタリアの修道院のものと同じ部類だと思います。
五感の内でも、脳内に長く刻まれるのは、味覚以上に嗅覚も記憶の中を漂い残るものだと思います。フレッシュでもない、春や夏の眩しさを彷彿される力強さは決してない香りですが、どこか懐かしい、ホッとする、そんな感情を呼び起こす力を、この魔法の瓶は兼ね備えていると感じました。
唯一の難点は、100mlで16,500円(税込)という値段。買うか買わないか、暫く悩むと思いますが、きっとそのうち、購入することでしょう。香りにそんな値段を出すのは馬鹿げていると思う人もいると思います。一方、その香りで1日を振り返ったり、ホッとする時間が持てるとすれば、それはそれで価値ある1品かも知れません。
日本でも、各地に様々な名産品があります。その季節にしか取れないものも少なくありません。その土地を旅した思い出を持ち帰る意味でも、各地の特産品を利用した香水作りなども、ミニボトルで販売する企画立案はきっと、好奇心を掻き立てるものとなるでしょう。海外ではそんな展開例がきっとあるハズです。
皆さんにもきっと忘れられない、芳(かぐわ)しいフレグランスがきっとあることでしょう。
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