水平線のかなたに
終戦近くなると、否が応でも戦争のことを目にします。
今年はそれに、関東大震災100年が加わることになります。
先日図書館で、引き留められた新刊が
水平線のかなたに 真珠湾とヒロシマ
著:ロイス・ローリー 講談社
作者は戦後、東京に軍医の親と共に2年生活します。
文中に作者は“自転車の少女”として登場し、“学校にいた少年”とのエピソードも掲載されています。
著者は1994年にマイアミでの図書館大会の期間中、朝食を共にしていた人が自分と同い年であることが判明し、思い出話しとなり、、、。
作者ローリーはリッチモンド大学のスピーチで朝食時の“自転車の少女”と
“学校にいた少年”の経緯を語っています(以下部分抜粋)。
「僕は渋谷にある学校に行ってたんだ。」
「渋谷に学校があったの覚えてるわ。自転車に乗ってよく通り過ぎてたから。」
「(沈黙)…あの緑色の自転車に乗ってたの、君?」
そう、朝食を共にしていた人は、“学校にいた少年”だったのです。
1948年当時、東京で言葉を交わすことがなかった2人の
記憶が75年のときを隔てて、重なり合いました。
本の内容の大部分は、我々が知る機会が少ない、真珠湾での出来事と広島の話しです。
学校にいた少年は、わたしと同窓の大先輩であることを本から知りました。
直ぐ読み終わってしまいますが深くステキな本です。