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【ロンドン発】2024年週刊ジャーナル(1月6日~1月12日):ロンドン在住ライターが見たこと、感じたこと。

1月6日:ホームにキツネがいるのだけど!!

どこから迷い込んだ!?

このホームの両側は線路になっていて、一時線路の上をウロウロ。電車が来たらえらいことになるわ!と焦っていたら、ホームにひょっと上がってきた。この後どうなったのかは分からない...。



1月7日
:次男の学校開始とともに、GCSEの模擬試験が始まりました。今日から2週間続きます。


1月8日:レコレールに生出演し、2025年のUK音楽についてお話させていただきました。



オアシスの『Definitely Maybe』が30周年で話題になっているけど、スーパーグラスの『I Should Coco』も30周年なのよ。こちらも盛り上がっていきましょう!!アニバーサリー・ツアーへの意気込み(?)はこちら(↓)。

Danny, Gaz and Mick stopped by Chris Moyles' Radio X breakfast show this morning to chat about the upcoming I Should...

Posted by Supergrass on Monday, September 16, 2024

歳をとりすぎる前にツアーで演奏しようと決めたのだとか(笑)。ダニーはあのアルバムは(テンポが)早いから、フィットしないと、と、これまた90年代のMr Motivator(↓)を引き合いに出してる。時代だなあ。



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ラジオで早起きして気分が良いので、このままランチに外出。長男とEATARY へ。


イタリアン・コーラとアランチーニ。
長男のカルゾーネ。2種類あったらしいのだが、こっちは生ハムとモッツアレラ。
食後は1階のカフェでお茶。


金曜日に新年会があるので、ワイン、生ハム、チーズを買って帰宅。


1月9日:本日お届けしたケーキ。


1月10日:BBC6music が、『90s Forever』という企画で、一日中90年代の音楽で盛り上がってました。

プレイリスト、一部だけど見て(↓)。踊ってるか、歌ってるか、泣いてるかで一日中なにも手につかず。


コメディアンのJosh Widdicombe も選曲してる。この人音楽の趣味が似てるからか、よくライブで見かけるのよね。


大泣きしたのはこちら(↓)。



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夜は友人夫婦4組を招いて新年会でした。

ゲストの一人が持参してくれたティラミスは、星形パンドーロのティラミス。

私たちを含めて5組の内の4組は次男が同じ学校に通う子たちの両親なのだが、一人の母親Aが、今の学校に入れたのはリベラルであることが理由なのに、学校でウクライナ侵攻や、ガザ問題を全く討論していないのはおかしい、と怒る。確かに16歳なので、政治や社会情勢に意見や姿勢を持ってもおかしくはないと思うが、それを人前で表明するのはまた別問題かも、とは思う。特にウチの学校はユダヤ人が多いので、反イスラエルを声高に掲げるのはかなりの勇気が必要だろう。先月私は「Gig for Gaza」というポール・ウェラー主催のチャリティーコンサートに行ったが、その時の様子をソーシャルメディアに挙げることを少し考えた。というのも、私もユダヤ人の友人が多く、SNS上で彼らとも繋がっているから。しかし、どんな信条を持とうとも、私は私であり、これが原因で友人関係が壊れるのなら、それまでだ、とも思ったし、っていうか、知るかよ、という姿勢で投稿した。今のところ縁を切りたいと言ってくる友人はいないのだが、彼らがどう思ったかは分からない。ウクライナ侵攻にしても、ガザ問題にしても、当事者だけの問題ではなく、もっと複雑なので、正しくない情報や理解できない状況だけで、善悪を判断するほうが危険なのではないかと思うのだが、Aは納得していないようだった。
別のゲストMは音楽好きで、最近何のライブ行った?という話で盛り上がった。なんとMはスリップノットに行ったらしい。「初めて観たけど凄いパワーだった!」と興奮してた。今年は娘13歳とビリー・アイリッシュを観に行くのが楽しみと言っていた。



1月11日:今日はご近所さんたちの持ち寄りパーティー。

私は昨日のティラミスをインプロヴァイズして、手前のティラミスに仕上げました。

思ったより人が集まって、ホストをしてくれたご夫婦は大変だったと思う。お隣さん夫婦は、私たちが引っ越してきた16年前、もうすぐ初孫が生まれるのよ、と言っていたが、なんと現在孫8人!彼らには4人の子供がいて、当時18歳でギャップイヤーだった一番下のAも今は34歳。Aだけが唯一子供を持っていないが、ゲイなので、養子縁組をしたいと言っているそう。「孫10人とかも夢じゃないね!」と言うと、パートナーにあまりハッピーではなく、あれで家庭が作れるとは思えない、とかなりネガティブ。
また、別のご夫婦は、成人して家庭をもった子供たちの住宅ローンを助けるために、自宅(ローンは返済済み)を担保にして借り入れしているそう。そのため70歳までは定年できないのだとか。
また別のご夫婦は、孫娘11歳が「自分は将来英国首相になるから、その手伝いをして欲しい」と言われているそうだ。政治家ではなくいきなり首相って、夢があっていいね、と励ました。
年齢も家族構成もバラバラの集まり。最後にお話しした女性は2023年に引っ越してきたばかり。下の子がまだ7ヶ月なので大変、と言っていたが、あっという間だよ~!とここでは先輩風を吹かせて、少し早めにお暇しました。


1月12日:『英国のフェスティバル、ヘッドラインアクトの減少とコスト上昇で「本当に厳しい」年に直面』という英ガーディアン紙の記事。「現在は、2年後のチケットの売れ行きを推測することでしか、前もってスターを予約しなければならない」というリード。


サブリナ・カーペンターやチャペル・ローンが2025年にフェスティバルのヘッドライナーを務めることや、デイヴ・グロールが「婚外子」の父親となったことで、フー・ファイターズの噂されていた夏のツアーが中止になるとは2023年には誰も想像しなかっただろう。しかし、音楽業界の予測不可能な側面にもかかわらず、ライブ・イベントはどんどん前倒しで企画されている。    トップクラスの音楽施設は2年先の2027年の出演者を予約し、フェスティバルはこれまでになく早くラインナップの発表を急いでいる。ヘッドライナーが不足し、ツアー運営にますます費用がかかる中、注目の新人アーティストはすでに2026年に向けてスカウトされており、業界はその運営方法を変えつつある。
 「間違いなく、すべてがより前倒しに起こっています」 とエレクトロニック・ミュージック協会のフィンレイ・ジョンソン氏は言う。「フェスティバルのブッキングが早まる傾向が見られています。バルセロナのプリマヴェーラ・サウンドは、今年は6月に開催されますが、10月にラインナップを発表ています。つまり、去年のフェスティバルが開催される前に交渉が始まっていたことになります。そして他のフェスティバルもこれに追随しています。チケットをできるだけ長く売り出したいということもありますが、アクトの数が少ないので、ヘッドライナーを確保したいということもあります」。    幅広い層のファンを惹きつけられるミュージシャンはほとんどいない。「人々は知名度に基づいてチケットを買っているよう見えます」とミュージシャンズ・ユニオンのライブ・パフォーマンス担当ナショナル・オーガナイザー、ケリー・ウッド氏は言う。その結果、以前ならフェスティバルの売上に大きく貢献していたかもしれない中堅アーティストが、今では「本当に苦労している」のだ。最も大きなステージで演奏し、ソーシャルメディアへの露出を増やすことで、既存のヘッドライン・アーティストはより大きくなり続け、他のアーティストからさらに距離を置き、状況を悪化させている。「トップと中堅の差は、本当に、本当に広がっている」と彼女は言う。
 インディペンデント・フェスティバル協会(Association of Independent Festivals)の最高経営責任者(CEO)であるジョン・ロストロン氏は、通常なら1月末までに発表されるはずの翌年のラインナップが、現在では「ほとんどすべての確立されたフェスティバル」が、11月末までに発表していると述べた。「タイムラインは変化しています」。
 トップ・エージェントによれば、48時間の期限付きオファーを受け、イエスと答えなければならないプレッシャーにさらされており、その後にアクトが賞を受賞したり、年末の投票でトップになったり、人気が爆発したりした場合、アクトを過小評価する恐れがあるという。
 グラストンベリーは、これまで以上に人気が高く、今年のチケットは35分で完売したが、これは依然として異例であり、この夏の出演者はまだ発表されていない。しかし、ニール・ヤングが以前はキャンセルすると言っていたにも関わらず、ピラミッド・ステージのヘッドライナーを務めることが今月初めに発表された。同フェスティバルは最近、昨年の利益が2倍以上になったと報告した。
 イギリスの団体PRS for Musicによると、2024年はテイラー・スウィフトを筆頭にスタジアム・ツアーも好調で、アデルのような大物パフォーマーは、ファンが世界中から1つの会場に集まるアーティスト・イン・レジデンス・ショーを選択したという。
 ツアー・アーティストは、アメリカのビザ費用の増加、EU国境での機材の遅れ、クルーや照明、バスのレンタル費用の大幅な増加など、多くの財政的課題に直面している。 
 ライブのチケット価格は、特に需要に応じて調整されるダイナミック・プライシング・モデルによって上昇しており、フェスティバル・チケットの価格も上昇している。「以前は1日60ポンドだったのが、今では250から300ポンドになります」とウッド氏は言う。
その結果として、オーディエンスはお金に見合うだけのものを期待するようになった。より大規模で複雑なツアーには綿密な計画が必要で、それには時間がかかる。LEDスクリーン、ハイレベルなプロダクション、追加ミュージシャンやダンサーは、ほんの手始めに過ぎない。「大きなショーを開催するには莫大な費用がかかります。 そして、どれだけの人が実際に取り組んでいるのかを聞けば、それは理解できます」とウッド氏は言う。「これは旅するサーカスなのです」。
 プロモーターがステージ制作費を負担することが多いフェスティバルでは、チケットの売り上げを保証できるヘッドライン・アクトを確保しなければならないというプレッシャーがさらに高まる。
 グレーター・マンチェスターのアンディ・バーナム市長のナイトタイム・エコノミー・アドバイザーであるサシャ・ロード氏は、「このようなショーを成功させられるアーティストはほんの一握り」であり、業界内は神経質になっていると語った。「今年は本当に厳しい年になりそうです」。
 Music Managers Forumによると、2024年には英国で72のフェスティバルが失われてしまったという。いくつかは恒久的に、いくつかは延期によって一時的に。同様に、多くのヴェニューも不安定な状況に置かれており、「誰もがプレッシャーを感じています」とフォーラムのチーフ・エグゼクティブ、アナベラ・コールドリック氏は語った。
 ラスト・ディナー・パーティー、ウェット・レッグ、マイルス・スミスなど、次の時代の先端を行くアクトを見逃さないために、ロンドンの一流ライブハウスは意図的に出演枠を空け、機敏さを保とうとしている。しかし、かつてないほど多くの新しい音楽が発表される今、プロモーターは人々がライブで何を見たいかを本当に予測できるのだろうか?
 ジョンソン氏はそう考えていない。「2026年に向けてブッキングを行い、今交渉を行うのであれば、その時点の状況を捉えていることになり、2026年の観客が今と同じように感じるとは限りません」。
 「ブッキングする側は、基本的に次の2年間に賭けています」 と、『Not a Diving』というポッドキャストを主催するDJのポール・ローズ氏(通称スキューバ)は言う。「業界に対する信任投票ではないのです」。

The Guardian:UK festivals face ‘really tough’ year due to fewer headline acts and rising costs

いやあ、先が見えないのは今始まったことではないと思う。私は2000年にグラストのThe Other Stageで、コールドプレイを観たけど、真昼間だったし、あれが2年後にピラミッド・ステージでヘッドライナーとかあの時点で誰が想像したよ?ただ、ヘッドライナー不足のため、夏は世界中のフェスが同じアーティストを押さえようとするから競争は高まるよな。前にも書いたが、以前友人がとある英フェスの元オーナーで、米ミュージシャン(バンド)をヘッドライナーに押さえていたものの、ヨーロッパの別のフェスからやはりヘッドライナーで声がかかり、そちらの方がギャラガ良かったため、その金額とマッチしないと出演しない、と言われ、その金額は出せないので、キャンセルになったという話を聞いた。アナウンス前だったのでそれができたのだろうけど、ヘッドライナー不在だと、他のアクトのアナウンスも出来ないので、かなり困ったと言っていた(というか「F●●K OFF!!!」という感じだったらしいのだが)。しかしながら、私も1999年からイギリスに住んでいるが、フェスのチケット価格の上昇には目を見張るものがあるなあと常々思っていた。たしかにヘッドライナーにはスペクタクルなステージやゲストアーティストなども期待してしまうが(文中の「旅するサーカス」は言い得て妙だな)、単にライブが観たいだけという想いだけでは、清算されない金額だしなあ。これは鶏が先か卵が先か、という論争になるかもしれないが、ダンサーも花火もライトもゲストもいらんから、チケット安くしてくれ、となったら、オーディエンスは納得するのだろうか。


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今週の1曲:Johnny Flynn - Detectorists (Original Soundtrack from the TV Series)

BBCのTVシリーズ『Detecotrist』が素晴らしいのは、もう何度も言っているが、主題歌も良いのよ。

Johnny Flynnは、最近では、アンソニー・ホプキンス主演の『One Life』で若き日のNicholas Wintonを演じたが、もうこの人が次のジェームス・ボンドでもよいのではないかというくらい、彼の演技が好き。


(今週終わり)


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