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博物館先輩ガイドから学んだお客様ファーストの姿勢
先日、バンコク国立博物館日本語ガイドグループに明治大学の学生さんと先生のグループから特別ガイドの依頼があった。
私は今回はガイドではなく、サポートとしての参加で、客観的に近くで流れを見ることができたのでその学びを書きたいと思う。
大学側はガイドの後に予定があるため、1時間半でお願いしたいとのこと。
通常2時間でご案内しているガイドを短縮しなければならない。
ここで、先輩方の判断は、展示物の紹介を大幅に減らすのではなく、展示物はなるべく多く紹介し、原稿を削るというものだった。
展示物を減らすのであれば、私たちガイドは、一つ一つの展示物の原稿自体はそのままなのでとても楽。でも原稿を削るとなると原稿を考え直す必要があり、手間がかかる。
結果、先輩方は未来ある学生さんたちになるべく通常のガイドに近い流れで、できるだけ多くの展示品を紹介したいという想いで原稿を再考された。
2グループで回ったため、同じパートを担当された先輩方は、事前に打ち合わせをして、どの内容を削るか相談され、原稿内容を合わせるという準備もされていた。
また、宗教美術品を担当の先輩は、最後2グループ合流して1人でガイドのため、他の人と相談する必要はないものの、「家で1人で考えていても、流れが掴めないから」と前々日に自主練習に来られていた。
本当にゲストの方への愛を感じた。
短縮ガイドは、原稿を削っても繋がりが自然で、全体の流れが分かり、先輩方の経験と知識はさすがだった。
また、学生さんたちのために、いつものガイドには無い先史時代の遺跡や「ロッブリー美術」の説明も入れていたところも良く考えられていた。
学生さんの中には、「おーロッブリー」と反応してしている子も。
すごい!と思って、お話したら、「世界史で勉強しました!」とのこと。
(私は全く記憶に無かった、、、)
ガイド終了後の学生さんたちは、「私は5時間はいれます!」「もっと見たかった」とキラキラした目で口々に。
先輩方のゲストを1番に考えた姿勢とガイド愛に学ぶことが多かった。
先輩方のこのようなガイドに対する情熱が50年積み上がって、今の博物館の日本語ガイドグループの評判に繋がっているのだなと実感。
私たちガイドは何回も説明している内容でも、特に観光客のゲストの方々は一生に一度聞くか聞かないかのガイド。
観光客、在住者共にせっかくの貴重な時間使って来ていただいているので、来て良かったと思える楽しいガイドを提供していきたい。
また、若い子たちのまっすぐな感性に触れて、いつまでもそういう瑞々しい感性を持ち続けたいなと思った。
学びの多い貴重な体験だったので、noteでも残すことにしました。