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能楽海を征くvol.2
ピースボートVoyage119
本日の船内講座
「私のライフヒストリー」
講師: 能楽師 藤井雅之
弟子でもなかなか聞けない、師匠のライフストーリー。ピースボートに乗り合わせた奇跡的偶然の恩恵に預かる。内容は門外不出😅
ちょっとだけNoteでどうぞ💁♀️
我が師匠は、加賀百万石、藩お抱え13代続いた波吉家に18歳から内弟子として入り修行。師に見込まれ14代目として継ぐ事となる。
ここまで聞いても凄いストーリーである。
ここで能楽のストーリー
明治政府が出来、幕府の終わりと共に、各藩お抱えの座が解雇され
能楽師達は百姓など一般市民として生計を建てなければならなくなった、
能楽存亡の危機の折
アメリカのグラント氏が来日し、歓迎会で行われた演能で大絶賛されたことから
岩倉具視が能の復興に力を入れたそうな。
洋の東西を問わず、芸術は美に対する感性を持ち合わせたパトロン達が発展させてきた。
そして芸術家達は、彼らの審美眼を更に洗練させていったのだ。
人間の三大欲求を満たすものでは無い、アートや芸能などは、力のある者の庇護が不可欠だったのだ。
能のストーリーを元に作られた歌舞伎は
かぶく(ウケる)という言葉の通り、芸術性を高めるというよりは民衆のウケを狙い楽しませる事を1番として演じられてきたものは、雑草の如く強い。
この二つが合体すれば良いように思われるかもしれないが、そうなると多分どちらも満足のいくものではなくなるのだろう。
という事で、能はほとんどの日本人が知らない、観た事もない、何か高尚なもの、的な空気が、今日の日本の能の現状なのだ。
これほど勿体無い事はない。
何故私がこんなに能にこだわるのか。
次に続けようと思う。