藍綬褒章と祖父と昭和

もうすぐ平成が幕を閉じますね。

ハタノシステム創業者である祖父の龍吉が藍綬褒章を受章したのは平成元年のことでした。

内燃機関業界への貢献が功績として評価されたことによる受章でありました。

受章の一報を受けた時、祖父は「昭和天皇がご存命のうちに結果を出せなかった」と悔やんでいたといいます。

この意外な反応に周囲はとても驚いたそうです。

10人兄弟の末っ子として岐阜の小さな村で生まれ、早くに父や兄たちを亡くし、新聞配達をしながら家計を支え、大学に通った祖父。第二次世界大戦中はビルマ(現:ミャンマー)へ出征し、帰還直後に起業して多くの苦難を乗り越え、昭和をたくましく生き抜いて来た明治45年生まれの祖父にとって昭和天皇は特別な存在であり、昭和は特別な時代であったのかもしれません。

今となっては、この真意を確かめる術もないですし、その気持ちを計り知ることは難しいのですが。

ただ、祖父にとっては同じ年でも昭和64年と平成元年の違いはとてつもなく大きく、昭和から平成へと元号が変わったことの意義は大変深いものがあったということは間違いないのでしょう。祖父と同世代の人たちには祖父と同じような思いを持っていた人たちが少なからずいたのだと思います。

あと数日で平成から令和へと元号が変わろうとしています。

5月1日までの数日間は、自分が生きてきた平成という時代を振り返り、自分の人生と向き合いたいと思います。

きっと、忘れていることもあるでしょう。やり残していることもあるでしょう。

心の整理、行動することの整理、我が家の整理・・・きちんと断捨離しなくては。

晴れやかな気持ちで令和元年を迎えられるよう、この数日間を大切にしたいと思います。


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