旅日記10日目パリ・バトームシュー(1991年8月8日)
航空券のリコンファームが必要で電話での会話が不安だったため、シャンゼリゼにあるアエロフロートのオフィスに行った。「冷たい態度の女」に対応してもらい無事リコンファームできた。意地悪な人はたくさんいるので、慣れてきたようだ。
この日のメインは「パリで映画を観る!」であった。映画の時間まで間があったので、レンヌ通りのfnacへ。レジに並んだら、私の前に並んでいたのが、なんとジャン=ポール・ベルモンドだった!髪が真っ白なおじいちゃん(この時64歳。26歳の私にはおじいちゃに見えたのね)、若い彼女を連れていた。驚いたのはパリの皆さん。誰も話しかけず、しかし遠巻きにみんな見ている。プライベートは干渉せずなんですね。粋です。きっと今ならスマホで撮ってSNSに、となるのであろう。
わりと大きめな映画館でなぜこれを選んだのか….めぼしいフランス映画がなかったのと、日本映画を編集したコメディだったから珍しかったのだろう。1966年アメリカ映画「Lily la tigresse/What's Up, Tiger Lily?」邦題は「どうしたんだいタイガーリリー?」。ジャン=ポール・ベルモンドを見た流れなら、彼の主演作が観れていたら素敵だったのに。
宿には夏休みの間の短期留学でアリアンス・フランセーズに通っている日本人の女の子たちが泊まっていたので、誘ってもらった。アリアンス・フランセーズはのちに私も1993年の語学留学の時に通ったフランス語の学校。バトー・ムッシュはセーヌを行き交う遊覧船で、特に日の暮れる頃が人気。パリの夕暮れとライトアップされたエッフェル塔を船から眺めることができる。
一人旅だけど、旅先での出会いが嬉しい。今みたいにメールもSNSがないので、その後はお会いしていない。