「何者」かになりたかった私
アクセサリー作家のMamiです。
ボチボチながら自分に出来ることを考えて活動しています。
数年前の私からしたら、考えられないくらいチャレンジしていると思います。
前の私は、鬼滅の刃のぎゅうたろうかよってくらい人のことを羨んでいました。
そして自分にはそれが出来ないと思っていました。
子どもが産まれてすぐは、自分のことに悩む暇なんてなくて、毎日毎日子どものことだけ。
こんなに自分の思うようにいかないことがあるのかと、そのストレスでぐったりしていました。
疲れていても、子どもは外に連れ出さないわけにはいかず、時々開催されているマルシェなんかのハンドメイドイベントにも連れて行きました。
せめて自分の好きな雰囲気のところに行こうと思ったわけです。
あれこれ何にでも手を伸ばす子どもを「触らないで!」「そっちに行かないで!」と髪を振り乱しながら見て回る中で、出店されているお店やそのスタッフさんが、キラキラして見えました。
美しく並べられたディスプレイ。
光輝くアクセサリー。
綺麗にオシャレしているスタッフさんたち。
『あっち側に行きたいなぁ…』
ほんのりとそう思いました。何かを作ることは昔から好きだったし、とても魅力的な世界に見えました。
「お店を挟んだあっち側の人」に憧れを抱きました。
今から思えば、一歩踏み出すかどうかだけなのですが、もう絶対自分には出来ないことなのだと思っていました。
『子どもの世話があるし』
『どうやって作るか分からないし』
『どうやったらイベントに参加できるか分からないし』
『行動力ないから無理だし』
今振り返って、それがいけなかったとは思いません。
だって毎日子育てに必死でしたし。
その時の私は何か始めるタイミングじゃなかった。
本当にそれだけだと思います。
ちょっとだけ気持ちに変化が起きたのは、幼稚園のママさんでハンドメイドイベントに出店していた人がいることに気づいた時でした。
編み物で小物を作り、イベントで販売するからとご本人からお知らせを頂きました。
す…凄い!!
本当に驚きました。子どもいてもやれる人もいるんだ。
あんな風にできたらなぁ、でもまだ私には出来ない。
だってその人は行動力あるし。そう思いました。
まぁ実際、行動力のある方でしたし、お子さんは二人いらっしゃいましたが、二人とも優秀で手が掛からないのは周知の事実という感じの方でした。
それでも、個人で活動している人が目の前に現れたのはインパクトがありました。
その後、夫の転勤に伴い今の土地に引っ越しをして、子どもの幼稚園も変わりました。
そこで更なる衝撃を受けていきます。
まず幼稚園の雰囲気が、前とは全然違いました。
前の幼稚園は、バスで往復していましたし、ママさんたちとも話さないわけではないのですが、じっくり話ができる機会はそんなに多くはありませんでした。
引っ越し後の幼稚園は毎日自分で送り迎えだし、保育が終われば園庭を開放して下さるので、毎日遊んで帰ります。
子どもたちが遊んでいる間、ママたちはずーっとおしゃべりしています。
だから、全体的にみんな仲が良かった。
私の子どもの学年が、特に活発な方が多くて面白かった。
魅力的な人が多くいました。
革製品を手縫いで作り、いつかお店を持ちたいと考えている人。
英語が話せてそれで仕事している人。
美味しいものが好きで、お店をたくさん知っていて連れて行ってくれる人。
運動ができて、トレーナーの仕事をしている人。
3人も子どもがいるのに、いつも明るくてキレイにしている人。
子どもをあちこちのイベントに連れて行き、様々な体験をさせている人。
イベント等の企画に参加して、運営や人との縁をつなぐことを仕事にしている人。
オシャレが好きで、コーディネートを仕事にしようと勉強している人。
もしかしたら、前の幼稚園にもいたのかもしれませんが、こんなにたくさんのママさんとゆっくり話せたのは初めてで、しかもプライベートでも交流するようになり、色々と知っていったわけです。
その影響は、最初まずい方に出ました。
比較です。しかも、自分にないものばかりを意識するっていう。
私には無理だし。
長く続けてきたこととか特にないし。美味しい物は食べたいけど、調べて車飛ばしてまで行かないし。
車の運転得意じゃないから、遠くのイベントに連れて行くのは難しいし。
私は子ども一人だけど、あんなに明るく振る舞う余裕ないなぁ…。
運動はそこまでのめり込んでできないなぁ。
人とたくさん話すと気疲れしてしまうから、たくさんの人とあんなに明るく仕事できないなぁ。
人の良いところばかりが目に入ってきて、自分の良いところが何一つ思いつかない。
ないないない、何もない。
そして焦る気持ちがジリジリ膨らんできます。
私も何かしなくちゃ…
私もあんな風に振る舞いたい…
母としても、個人としても、上手く出来てなくてまずい。まずいよと。
「明るく穏やかなお母さん」
「お母さんしながらやりたい事を仕事にする人」
「一つのことを続けられる人」
私も何かを得たくて仕方なかった。
しかも多分なのですが、「他者からの印象が良い何者か」「他者が羨む何者か」になりたがってる。
ここではたと気づくのが、「何かしなければならない」と、義務的な考えになってしまっていること。
「明るく穏やかな母でいなければいけない」
「好きなことやれなければまずい」
「英語これから必要なのにできないのはまずい」
この考え方は、今でもにょきっと顔を出します。
「したい」じゃなくて、「した方が良い、しなければいけない、しないとまずい」という感じ。
もしかしたら、今までの外的要因とか、インナーチャイルドとか、トラウマとか、何かあるのかなぁと思う部分もありますが、まだそこは見つけられていないので、もし何か気づいたらシェアできたらなぁと思います。
さて、幼稚園でのママさんたちとの交流のおかげで、色々経験させてもらい、少しずつ変化した私。
子どもが年長の時に、役員をやることにしました。
大変だけど、楽しかった。
上手くまとめ上げることは出来なかったですが、やり抜けたのはとても良い経験になりました。
そして大きな一歩となったのが、役員をやっていた中での、幼稚園のバザーです。
当時のバザーは一人一つは何か提供する必要があり、それは手作り品でも良いことになっていました。
そこで、ずっと手作りに対する情熱を燻らせていた私は、手作りブローチを出品しました。
「手作り品って、女の子向けのばかりになりがちだから、男の子向けのを作ってみよう」と、恐竜のブローチを作りました。
他にも蝶とかウサギとか。
役員は先に集めた作品を見ることができます。
その仕分け作業で、私の気持ちは大きく動きます。
「何コレ!超可愛い!誰が作ったの〜?!」
役員のママさんたちが、一気にザワザワしたんです。
「あ…私です…」
「え〜!凄い!」
こんなに褒めてもらえたのは久々で、めちゃくちゃ嬉しかったことを覚えています。
しかもそのブローチの話がバザー開催前に広がり、バザー当日午前中に、私の作品は完売しました。
バザーなりの値段ですし、まだまだ下手なのですが、それでもすぐに売れて凄く自信になりました。
バザー後、すぐにハンドメイドの活動をしようと思ったわけではないのですが、「あれは個人的にも作ってもらえるのか?」と一人の方に言われ、それがまた広がって何人かからオーダーを受けることになったんです。
ここら辺で、「よし、やってみよう!」と少しづつ動き始めます。
なので、幼稚園のママさんたちにはとっても感謝しています。あの時私を持ち上げてくれて、やれるかも?と調子に乗せてくれたから、今でもアクセサリーを作っています。
まぁ、調子に乗ってフワッと始めたばかりに問題も多いのですが…そこは後に書いていきます。
『自分の作ったもので喜んでもらった。』
ここは一番の原動力だと思います。
今でも基本はそこです。
私の作品を見つけて、わぁっ素敵!とまず心が弾む。
着けることで、これとどの服を合わせよう?どこに行こう?とワクワクする。
そしてお気に入りを着けたことで、目線が少し上がって気持ちが前向きになる。
毎日を頑張っている人たちのエネルギーになるような、そんなお手伝いを少しでもできたらと思って作っています。
たくさんの素敵な作家さんの作品が溢れている中で、私の作品を選んでいただくのは、なかなか難しいのですが、私が作る作品の雰囲気が好きだと思って下さる方と、少しでも多くの出会いがあるように、私は行動を続けていきます。
あの日、「何者」かになりたかった私。
「アクセサリー作家」やってるよ。
「note書いてる人」やってるよ。
「まぁまぁなお母さん」やってるよ。
「以前より行動できる人」になってるよ。
人と比べてばっかりだった私。
「何者」かに、ちょっとはなってるよ。