ジーザス・クライスト=スーパースター|初観劇に向けて予習した本8冊
(2024/6/10更新)
こんにちは!
大阪在住の劇団四季ファン、mamiです^^
ジーザス・クライスト=スーパースター(以下、JCS)京都公演が終わり、
6月末からは全国公演で全国各地の劇場をめぐります。
私は今回の京都公演で初めて観劇する予定です!
今までキリスト教に触れる機会がなく、予備知識がないので、
念のためキリスト教について予習をしました。
(音楽は劇場でのお楽しみにとってあります!)
今回は予習のために読んだ本の紹介です。
私はもともと読書が好きなので、
この機会にといろいろ読み比べましたが、
こんなに読まなくても大丈夫だと思います。
→「①または②」と「必要に応じて④」で大丈夫かな、と。
★京都公演を4回観た後の、各本の感想を太字で追記しました。
予習で知りたかったこと
公式サイトの登場人物紹介には、
ジーザス・クライスト、イスカリオテのユダ、マグダラのマリアの他に、
カヤパとアンナス、ピラト、ヘロデ王、十二使徒のペテロとシモン、
群衆などが載っています。
イエス・キリストについて知ることができる(特に最後の7日間)
JCSの登場人物の背景や、この時代の社会情勢が分かる
あまり宗教色が強くない
そんな本をさがして読みました。
SNSにも予習した本の情報があったので参考にしました。
イエス・キリストについて知りたい
① 名画と読むイエス・キリストの物語(中野京子)★追記あり
「西洋名画を楽しむための、イエス・キリストのおおまかな生涯の手引書」として書かれたそうで、「舞台を楽しむための~」と読み替えてもよさそうです。
イエス・キリストの生涯にスポットが当たっていて、新約聖書の内容のみ。
絵画も43作品登場しますが文章が中心で、当時の社会情勢の解説もわかりやすかったです。
JCSの予習にちょうどいいのではないかと思いました。
★JCSの中で「これは絵画にあったな」と思うシーンがいくつかあり、文章からのイメージだけでなく絵として覚えていて良かったなと思いました。表紙のシーンもあって、胸が締め付けられる美しさでした。
② イエスの生涯(遠藤周作)★追記あり
成人してから十字架にかけられるまでの、イエスの生涯を描いた小説。
最後の7日間はこの小説のクライマックスでもあるので、
多くのページが割かれていて、各登場人物の心理状態がよく分かりました。
JCSの作品紹介にあるイエス像は、
遠藤周作さんの描くイエス像と似ているんじゃないかなと感じました。
★著者の遠藤周作さんの解釈で、この小説ではできごとの順番が一部入れ替えてあります(小説の中にもその旨は書いてあります)。予習として読むなら順番が違うことは覚えておいた方がよさそう。
今回観た中で、加藤迪さん演じるジーザスは心優しい人という印象で、小説のイエスに似てるなと思いました。
改めて読みなおしたいです!
③ 駆け込み訴え(太宰治)★追記あり
SNSでよくおすすめされている本。
読んでよかったです。
文庫本20ページ分の短編小説です。
イスカリオテのユダの独白という形式。
イエス・キリストに対するユダの重い愛と憎しみを語っていますが、
語り口が軽妙で面白かったです。
JCSではユダがもう一人の主役のような存在とのことなので、
この複雑なユダの心理をどう表現されるのか、より楽しみになりました。
★JCSを観る前に読んだ時は「予習に必須というわけではない」と思ったのですが、観てからは「読んだ方がいい」に変わりました。
JCSはユダも主役で、この小説のように熱い想いをずっと訴えていて、このミュージカル自体がユダ目線で書かれているような気がしました。
青空文庫に収録されていて、web上で自由に読むことができます。
キリスト教全般について知りたい
④ キャラ絵で学ぶ!キリスト教図鑑(山折哲雄・監)
とても良かったです。
図書館の児童書コーナーで見つけました。
イラストや地図や表などで初心者の大人にも分かりやすかったし、
よくまとまっていてサクッと読めます。
実は『イエスの生涯』を読むときに辞書代わりに参照していました。
下のリンクから、目次やページ例を見ることができます。
⑤ 名画の謎 旧約・新約聖書篇(中野京子)
『名画と読むイエス・キリストの物語』と似ています。
こちらは宗教画のモチーフごとに解説する形式で、より絵画ファン向けかなと思いました。
こちらには旧約聖書の内容も含まれています。
文章はこちらの方がくだけていて面白かったです。
私が読んだ『中野京子と読み解く名画の謎 旧約・新約聖書篇』は旧バージョンだそうです。
⑥ 世界でいちばん素敵な聖書の教室
旧約聖書から新約聖書の内容を解説した本。
タイトルの通り、挿絵が美しくて楽しめました。
一問一答形式で進んでいくので、
キリスト教を全然知らない私からすると、
時々、質問が唐突な感じがしました。
⑦ 遠藤周作で読む イエスと十二人の弟子 ★追記あり
SNSでJCSの観劇レポートを見ていると、
最後の晩餐のシーンで男性アンサンブルさんが使徒に扮しているようで、
使徒について詳しく知りたくて読んでみました。
どのアンサンブルさんがどの使徒に扮しているかが分かるかなぁと。
でも、この本を読んで分かったのは、
イエス・キリスト処刑前の使徒の様子は、一部の使徒を除いて
聖書にもあまり詳しく載っていないということです。
本の前半は"イエスと弟子"をテーマに
遠藤周作の書いた『イエスの生涯』の内容をざっくりまとめたもの。
本の後半は"十二使徒列伝"で、
使徒一人ひとりを解説したものですが、
イエス・キリスト処刑後の使徒たちの様子が中心でした。
使徒たちの殉教がけっこう凄惨で驚きました。
美術品の挿絵は見応えがありました。
★『最後の晩餐』のシーンはありましたが、ダヴィンチの有名な絵画とはちがう描写でした。JCSに名前が出てくる使徒はイスカリオテのユダ、ペテロ、シモン、ヨハネ、ヤコブくらいで、あとはその他大勢という感じでした。
番外編
⑧ 沈黙(遠藤周作)
フォロワーさんに教えていただいた本です。
江戸時代のキリシタン禁制の厳しい日本が舞台の小説。
イエス・キリストを直接描いた小説ではありませんが、
主人公のポルトガル人司祭が信仰を棄てるように迫られた際に「神はなぜ応えないのか?」と問う姿は、死に直面したイエス・キリストが神に向かって祈る姿に重なるのではないかと感じました。
ポルトガル人司祭に加えられる肉体的+心理的な拷問のむごさと
神の沈黙に直面する人間の苦しみに、
何度も本をそっと閉じてしまい、
すんなりとは読み進められなかったです。。
JCS観劇前のまとめ
今のところ、
①『名画と読むイエス・キリストの物語』
②『イエスの生涯』
のどちらかを読めば、JCSのストーリーの予習はできそう。
①解説本か②小説かは好みの問題かなと思います。
(私は②『イエスの生涯』が好き)
あとは必要に応じてですが、④~⑦の中では
④『キャラ絵で学ぶ!キリスト教図鑑』が良かったです。
③と⑧も作品への理解が深まりそうで、余裕があればぜひ。
JCS京都公演が終わったら、
予習してどうだったのかを書き足そうと思います。
★JCS観劇後のまとめ
JCS京都公演では4回観ることができました。
ここにある8冊を読んで、音楽の予習はせずに、公演プログラムのストーリーを読んで臨みました。
予習のおかげで「あれ誰?」と思うこともなくお話についていけたけど、
予習をしていなくても、音楽と演技で作品を楽しむことはできると思いました。さすが劇団四季ミュージカルの原点と言われる作品。
複数回観る予定なら、初回はまっさらで観てもよかったかも…。
奥が深いというか解釈の余地がある作品で、予習はしていても「ここはどういう表現なんだろう」と心に残る点はたくさんありました。聖書にある表現なのかミュージカルとしての表現なのかが分かってよかったですし、予習して得た知識をもとに表現の解釈を考えるのも楽しいです。
音楽のインパクトがものすごくて、一度観てからはずっと英語版のCDを聞いています(四季版はオリジナルキャストのCDがありますが廃番で手に入りません)。音楽と演技に圧倒されて、毎回ズーンと重い心で帰宅していました。
話が逸れましたが、JCSの予習におすすめの本(観劇後ver.)は、
「①または②」+「③」、「必要に応じて④」
にしようと思います^^
もしくは予習なしで観て復習するのもアリ。
参考になれば幸いです。
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