あなたのお陰で頑張れる
私は四月から、新社会人になった。新社会人にな
ると同時に一人暮らしが始まった。現在は
研修期間で慣れない土地で生活している。
さて、新社会人になってもうすぐ二週間になる
が、最近ふと感じることがあったことを書き記そ
うと思う。今年から新社会人として地方から都会
に引っ越してきたしてきた人には、
ぜひ一読していただきたい。
先週の土曜日、地方に住んでいる彼が来てくれ
た。会うのは二週間ぶりくらいだったが、
一人生活やら研修やらでバタバタしていたので、
一ヶ月くらい会ってないかのように感じた。
せっかくなので、都市の中心にあるのショッピン
グモールへ足を運んだ。
彼はこの土地には数回しか行ったことがなく、
目を大きく開いて興味津々に(人をかき
分けるのが大変だね)と言う。まだこの土地に
慣れておらず、周りをキョロキョロ見回す彼が、
面白かった。その後も彼は、慣れない場所を堪
能して次の日に帰路についた。地方へ帰る彼を見
送ったあと、自分自身、なんとも言えない虚無感
に包まれた。さっきまで2人で乗っていた電車、
共にに歩いた道、一緒に並んで眠ったふとん。見
るたびにちょっとだけ、目の奥が湿ってきそうに
なる。それは、入社式前日に母が私のうちに一泊
した後の朝、母は家へ、私は会社へ、それぞれ向
かうべき道へ歩んでいったあの時の感覚と似てい
た。もう家に帰っても誰もいないんだな、のあの
感覚。大切な人と離れるのは、ずっと離れ離れで
はないとわかっていても、とても寂しくなってし
まう。
こういう出来事があってから、私は今まで理解
できなかった一つの言葉の意味についてやっと理
解できるようになった。それが、今回のテーマの
あなたのお陰で頑張れる
である。
実はついこの間まで、この言葉の意味が分から
なかった。別に誰がいたからって、頑張れないこ
とは頑張れない。恥ずかしながら、そんなことを
考えていた。だが、一人で暮らしていると今まで
恵まれていたんだなって改めて感じた。最近は、
彼が大学の勉強を、血眼になって頑張っているか
らわたしも頑張ろう。と考えるようになった。
週末は母と会えるから、会えたら楽しいからそれ
までがんばろうと考えたり、大学からの同期がい
てくれるから私も頑張れると考える。
こう見ていると、私の生きがいは
きっと私の大切な人たちなんだろう。
日常生活の色んなところに
大切な人がいるから頑張れるんだな、と。
自分で軸を定めて、かつ色んな人に支えられなが
ら、今日も私は生きていく。