10月23日 ファンタジー本搜集熱、再び。松岡正剛さんの千夜千冊はえらいことになっていたのである(極私的に)。
先日惜しくも逝去された松岡正剛さんのWEB版「千夜千冊」を覗いているが、誠に参考になる本ばかりである。
書評を読んでついほしくなって買った本が既にたくさんある。
大変危険な書評集であって、困っている。
例えば、ロード・ダンセイニの「ペガーナの神々」。
こちらハヤカワ文庫FT発刊後、最初期の1979.3.13に発行されているが、それに先立って1975年に発行された創土社版ハードカバーを今回購入した。
AMAZONでは古書含め取り扱いがなかったので、書影は載せられないが、FT文庫の装丁を代わりに載せる。昔とは変わっているようなので2種。
ペガーナの神々 (ハヤカワ文庫FT)
作者:ロード ダンセイニ
早川書房
松岡氏はその千夜千冊にてこの本を評されている。「ペガーナの神々」を訳した若き荒俣さんに、自身の雑誌への寄稿を頼まれた際の顛末も語られている。
私は荒俣さんの妖精画紹介に触発されて、今の銅版画画風(といったものがわたしにあるのなら)が定まってきた、と思っている。いわば個人的には大恩人、と勝手に思って尊敬している。
妖精画廊―挿絵黄金期の絵師たち (1980年) (妖精文庫〈別巻〉
妖精画廊〈part 2〉夢を描く絵師たち (1981年)
手に取ってぼろぼろになるまで読んだのは、PART2の方である。
私がこの本に出合ったときは、既に皆さんに(立ち読みにて(笑))読み込まれていたようで、新刊本なのにもかかわらずすでにボロボロだった。
で、普通は新刊でボロボロの本などを買うわけがないのだが、いやこの本との出会いは大変なことだ、と胸の内でささやくものがあり(誰だ(笑))、当時の私には高価で清水飛び降り価格であったのだが、購入したのだ。
買って一度も後悔したことはない。
まあ、話がずれたが、その荒俣さんがらみで、文庫本は購入すみ(まあどこにいったかは不明ですが(´;ω;`))ではあるものの、改めて単行本を「日本の古本屋」サイトで購入したのだ。
いやもうその時代の雰囲気、ファンタジー本の創成期とでもいおうか、手に取るだけで非常に気分があがってくる。
リアル本、古本の魅力とは、このあたりであろう。
数日前に入手したのは、似たような年代である1977年刊のこの本。
沖の小娘 シュペルヴィエル 堀口大學 訳 青銅社
浅学ゆえ作者のシュペルヴィエルについては知らなかったが、これも千夜千冊のなかで松岡さんが矢川澄子さんと食事中?にこの本の一節を紹介された、というくだりを読んで、矢も楯もたまらず購入に至ったものである。
ペガーナの神々、創土社、1975、沖の小娘、青銅社、1977。
そのころの出版界の雰囲気は想像するしかないのだが、多分心ある皆さんがまさに出版したい本を心を込めて出していたのだろう、ということが、この本たちの佇まいから伝わってくる。
造本がすばらしい、装丁がすばらしい。活字一つ一つが美しい。
加えて両方とも箱いり。保存状態も良好である。
WIKIPEDIAより創土社の項を引く。
1970年設立。近年では『ケンブリッジ版世界各国史』や『ドイツ民俗学とナチズム』等の歴史学術系の刊行物や、『中国年鑑』『環境年鑑』等の専門書を主に取り扱う。
怪奇・幻想文学にも古くから携わっており、1970年代からアンブローズ・ビアスの選集、「ブックス・メタモルファス叢書」と銘打ったこの分野の叢書、また、『ラヴクラフト小説全集』などを出版している[1]。
その後この分野からは遠ざかっていたが、休眠会社を経て、酒井武史の買収を受けた2001年末から『アドベンチャーゲームノベル』シリーズと銘打ってゲームブックの出版を開始し、80年代に人気の高かった作品の復刊やそのような作品に関連する新作の発行を行っている。なお、最初の完全新作ゲームブックは『魔人竜生誕』(2006年3月初版)である[2]。
また、青銅社に関しては、どのような出版社かは調べきれなかったが、1985年と87年に澁澤龍彦監修で「幻視のラビリンス 日本幻想文学大全」といった本も出しているので、幻想文学系にも力を入れていた出版社であったのだろうか。
幻視のラビリンス 日本幻想文学大全 全2巻泉鏡花、島尾敏雄他(青銅社)
本との出会いは一期一会。本屋以外でも書評からの出会いというものも、結構大きいのだ。
(新聞の読書欄からの出会いというのもありますねー)
お志本当に嬉しく思います。インプットに努めよきアウトプットが出来るように努力致します。