あのウイルスってほんとうなの?49
一度死んだから言えること!
◎知りたかったこと
見たことのない看護師さんが、夜勤の挨拶に来られた時に突然に言われたのです。
「まめぞうさんは覚えては無いでしょうけど、あの日あの場所に私は居て、お世話させていただいていました。」「その後の事も知っています」
私はその看護師さんにすがるように「気が付けば訳の分からない状態で目覚め、言われるまま治療を受けて今に至っているのですが、誰もなぜこうなっているのか?という事情を説明してくれないのです。」
「メンタルが不安定になりそうで、どうか助けてください」と言いました。
そして私が書いてきたように、麻酔をしてからの私は、急激に体調が悪化して、肺炎が表面化して呼吸困難になり、それに伴い皮下気腫が起こり、ニッチモサッチモいかない状態が起きていたのだと、何度も生死を迎えるので日々が危険だったと言われました。
「そんな中で奥様は毎日面会に来られていましたよ。許される限り浮腫んだ手足を擦り、お声を掛けられていました」
「本当は毎日面会は出来ないのですが、その熱心さにスタ風一同が胸を打たれました」
「奥様だけでなく、お二人の息子さんも同じようにされ、お父さんお父さんと声をかけて励ましておられましたよ」
その話を聞きながら本当に済まない気持ちになり、またハラハラと泣いていました。
これを書いている話の殆どが泣いているのですが(笑)、どうにもならない身体で、自由もなくメンタルも凹んでいると、感情は泣く方向へと向かうのです。
入院するのは元気になる為!というのは確かではありますが、後付けみたいなもので、その時その瞬間はとても病んでいて、メソメソと凹んでいるものなのです。
恥ずかしいと思いますが、あるがままを書くと決めたので、今までもオムツやカテーテルなどの下半身事情を公開しています。
ほとんどの人がこういう入院を体験しないでしょうし、ご家族もどんな状態を過ごしているのかも分からないもの。だったら私が代表して書くしかありません。
入院生活の過酷さを伝えたいのではなく、誇張の無いありのままを知ることで、怖さは抑えられます。「幽霊見たら枯れ尾花」って言葉の通りで、人は怖がると、実際の倍ではなく二乗で恐怖が増大します。
でも真実を聞いていると意外と「こんなものなのか。いうほどじゃないな」と思うかもしれません。それでいいのです。
本当に怖いのは痛みや不自由ではなく、知らないまま物事が進んで行くことです。ちゃんとした認識を持っていれば大丈夫!だと私は経験しました。
まあそんな感じでその看護師さんは私の手を握り、様々な話をしてくれたのです。
「次男さんが学校の時間にもかかわらずお見舞いに来られていたので、『学校は大丈夫なの?』と聞きましたら、『学校よりお父さんのことの方が僕には大切なので』と言われて、びっくりしましたが、凄いと思わず声にしてしまいました。しっかりしたお子さんですね」
わたしも感動しました。中学生の次男は毎朝自分で弁当を作り、学校に登校すると担任にその日の都合を言い、早退して病院にきてくれていたようです。担任の先生も彼の意思を尊重してくれて、全面的に協力してくれました。
家族と話したい!早く自宅に帰りたい!みんなで食卓を囲んでいろんな話をして笑いたい!痛切に思いました。
こうしてこの看護師さんのお陰で、私は長くストレスの一つになった、この病気での始まりと現在位置の確認が出来たのです。本当にありがたかったですし、やはり早くに退院することを目指す事にしました。
そして、ここから私の奇跡が始まって行くのです~(^^♪
続く