あのウイルスってほんとうなの?6
一度死んだから言えること!
◎ここはどこ?・・・の前に
「ここはどこ?」・・・と、ベッドで目覚めた私が言うシーンを思い浮かべるところですが、実際には違っています(笑)
前回の「深い水の底から」は無意識から目覚めた時を後から思い出したもので、私が朝起きるように目覚めた時の感覚とはズレがあるのです。
無意識→目覚める→ここはどこ?ドラマ的にはこんな展開ですが、実際には「ここはどこ?」と思う間もなく、次のような感じだと覚えています。
目が覚めると私はベッドの中に居て、それに気づいた看護師が近寄ってきて、体調を聞いていると言うシーンから始まりました。その時の私は酸素マスクをしていて、起きてるのに頭は目覚めてはおらず、看護師は麻酔科医を呼びに行きました。
医者「呼吸は苦しく無いですか?」
「いま酸素呼吸器を付けてるんです」
「少し止めてみますから状態を教えて下さい」
私は喋ろうとしますが声が出ません。するとすかさず説明されました。
医者「いま喉に管が入っているのでお話しはできません」
「問いかけに頷くだけで構いませんよ」
私は特に苦しく無かったのでOKに頷きました。
医者「血中酸素濃度も良いみたいですね。」
「そのまま夕方まで呼吸器なしで過ごしてみましょう」
そしてその麻酔科医は去って、看護士が私に向かって何かを説明したのですが、はっきりとは覚えていません。たぶん今の体位がしんどいかどうかだったと思います。
そして気づくと夕方になっていたようで、その麻酔科医が再び現れて様子を聞きました。私は再びOKと頷くと、そのまま自発呼吸で過ごす事を提案され、その日以来人工呼吸器や酸素呼吸器の世話になることはありませんでした。
随分と後でわかったのですが、もともとは人工呼吸器が設置された特別室で、私は日々生死を彷徨っていたようで、意識が戻って後に私は他の患者さんと同じICUへと移されたそうです。
※特別室での1か月半の闘病については、ゆあんさんの目線でまた別に書きますね。
私は記憶が飛んでいて、病院へ運ばれた経緯も気管挿管で麻酔したことも覚えてはいませんでした。ここはどこ?というのが普通なのに、不思議に現状を受け入れていたのです。
「あぁ私は入院してるんだ。そういえば病院に来たな」
「声が出ないし、寝ているのが辛いな」
と何故かその点だけを理解し、看護師やドクターの言う事を大人しく聞くのみで、担当医からも「よく目覚められましたね。大変だったんですよ」とニコリとされただけでした。
なんせ喉に穴が開いているせいで、空気が漏れて話が出来ないので、今の自分について問うことも出来なかったし、そんなことにも気付かなかったのです。その状況をただただ受け入れて、従順な子犬のように従っていました。
次回こそ"ここはどこですか?"です。
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