無色の生きる道
娘がコロナになった。
職場から感染対策をしっかりと言い渡され、
可愛い娘をコソ泥のように眺める。
問題は娘の口から放出される目に見えないウイルスとやらだ。
どこまで飛沫しているのか、どこを浮遊してるのか、とりあえずアルコールをバガボンの警官のように、四方八方に噴きまくる。
あーウイルスに色があればいいのに…。
目に見えて良いじゃん!ガンにだってマークをつけられちゃうんだから、ウイルスにも色ぐらいつける技術あるんじゃない?
コロナだったら、何色かなぁ。黄色?
いや可愛いな…ピンクとかだったら、イルミネーションみたいに見えちゃうのかな?
でもウイルスめちゃくちゃいるらしいじゃん。
全部に色つけてたら、一歩も歩けない。。。
もう無菌室に住むしかない。まじみんなカプセル生活。潔癖症の人なんか、色が見えた瞬間に生きる意味さえわからなくなるだろう。
なるほど…色がない事に意味があるのだ…。
無色も個性なのだと、生きる強さなのだと、
妙に納得して、私は今日もマスクをしつつ娘をぎゅっとする。