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#バックナンバー【やっと離婚協議書の内容です!】

【珈琲のオトモのマメ知識 vol.409】

離婚のシリーズの終盤です!
肝心要である“協議内容”

この確認ですね
前回の続きとも言いますが…


§『離婚協議書の内容』

何を決めたらいいの?
ってところですが、

項目としては…

・親権者、監護権者
・養育費
・面接交渉
・財産分与
・慰謝料
・履行の確保

項目毎に確認です
ですが、これは契約書です

書き方というものがあるわけで、
よく目にする?“第〇条”ってやつ

これをベースに確認しますかね


第1条(離婚の合意)

『夫(以下「甲」とする)と妻(以下「乙」とする)は、協議離婚に合意し、以下の内容の離婚協議書を取り交わす』

これは、そのままですが、
〇〇の契約をするよ!みたいな

契約書では、ありがちな条項です
同時に、必須な条項でもあります

ここに、
・離婚届をいつ提出するか?
・離婚届を誰が提出するか?
を併せて記載してもいいです

別に条項を作成して、
別に記載してもどちらでも


第2条(親権者、監護権者)

『甲乙間に生まれた未成年の子である長男(令和○○年○月○日生、以下「丙」とする)の親権者は甲とする』

監護権者を別に定める場合は、
これに併せて…

『乙は丙の監護権者となり、丙が成年に達するまで、これを引き取り養育する』

まず『監護権者(身上監護権者)』については、
#399で、ご確認を…

因みに、監護権者であっても、
第三者を定めることはできません

それが、祖父母であってもです
判例も出ているので、抗うのは難しいでしょうね…


第3条(養育費)

『甲は、乙に対し丙の養育費として令和○年○月から丙が成年に達する日の属する月迄、毎月末日、金○万円を乙の指定する口座へ振込送金の方法により支払う』

『振込手数料は、甲の負担とする』

基本的には、この2項あればいいですが、
下記の条項もあった方が賢明です

『甲及び乙は、第1項の定めの他、丙に関し、入学や病気、怪我等、特別な費用を要する場合は、互いに誠実に協議して分担額を定める』

『乙が、病気及び怪我のために丙に特別出費したときは、甲は乙の請求により、その費用を直ちに支払うものとする』

“特別の費用”と言われるもので、
これらについては、なかった場合に、

負担損が有り得るので、
定めておいた方がいいかと思います

これは別で条項にすることもできますが、
それは、どちらでもいいのでお任せします

『同条の養育費は、物価の変動等の事情に応じて甲乙協議により増減できる』

これも、これからの経済を鑑みるならば、
当然に必要となるかと思います


第4条(慰謝料)

『甲は、乙に対し、慰謝料として金〇万円の支払義務があることを認め、これを〇回に分割して、令和○年○月から令和○年○月迄、毎月末日、金○万円を乙の指定する口座に振込送金の方法により支払う』

『振込手数料は、甲の負担とする』

破産等が予想される場合は、
下記の条項を追加します

いわゆる“社会的な破産”となったら、
一時金で払え!って内容です

『甲について、次の事由が生じた場合は、乙の通知催告を要さず、甲は、期限の利益を失い、乙に対して残金を直ちに支払う』

一 分割金の支払いを1回でも怠ったとき

二 他の債務につき、強制執行、競売、執行保全処分を受け、或いは公租公課の滞納処分を受けたとき

三 破産、民事再生手続開始の申立てがあったとき

四 手形交換所の取引停止処分を受けたとき

五 乙の責めに帰することができない事由によって、所在が不明となったとき

慰謝料がない場合には…

『甲と乙の間に、慰謝料は存在しないことを確認する』

この条項を入れておけば、
後々のトラブルにはなりずらいです

因みに、慰謝料は分割である必要はないですよ
一時金での支払いでも構いません

というか、一時金で支払えるなら、
その方が、取りっぱぐれるリスクはないです


第5条(財産分与)

『甲は乙に対し、財産分与として金○万円を令和○○年○月○日迄に乙の指定する口座へ振込送金の方法により支払う』

『振込手数料は甲の負担とする』

内容に、金銭以外の分与がある場合
それは個別具体的な詳細を記載してください

不動産等の移転の際の登録免許税等、
伴う費用負担も明記の必要がありますよ

さらに、住宅オーバーローンがある場合
そもそも、住宅オーバーローンってのは、

“住宅の売却価格以上にローンがある状態”
って感じです、つまりは、ただの負債です

『甲は、住宅オーバーローンの負債を引き取り、乙への負債分与をしない(××銀行×支店扱 住宅ローン:照会番号××)』

これも記載しておければ、
その後、請求されることがなくなります

これも、別条項にしても大丈夫です


第6条(生命保険)

『甲は、下記生命保険の保険金受取人名義を丙に変更することに合意し、甲により令和○○年○○月末日迄に受取人名義変更の手続きを行うものとする』

『甲は、第3条から第5条に定めた債務が存する間において、丙の了承を得ることなく当該保険金受取人名義を変更しないことを認諾する』

『甲は、同条変更を行う際は、変更後の保険金受取金額が第3条から第5条に定めた債務の全額を下回らないものとする』

(××保険 証券番号×××)

これらは“受取人”の変更に関しての条項

1つ目 ⇒ 変更への同意
2つ目 ⇒ 勝手に変更しないで
3つ目 ⇒ 保険金額 > 債務 とすること

最後はあってもなくてもと思います
そもそも、財産分与に債務がないなら、

こんな条項は不要ですからね


第7条(学資保険)

『甲は、下記学資保険の契約者及び受取人名義を乙に変更することに合意し、甲により令和○○年○○月末日迄に変更の手続きを行うものとする』

(××保険 証券番号×××)

こちらは学資保険なので、
“契約者”“受取人”の変更が、第6条と違いますね


第8条(扶養的財産分与)

『甲は乙に対し、乙の生活が安定する迄、○か月分の生活費として月金○万円の支払義務があることを認め、令和○○年○○月から○○月迄、毎月末日金○万円を乙の指定する口座へ振込送金の方法により支払う』

これについては、義務ではありません
婚姻費用にも似ていますが、

意味合いが少し違っております
未成年者がある場合は、必要になるかもしれません


第9条(居住家屋)

『甲と乙が所有する下記記載の物件につき、離婚後は乙が居住するものとする』

① 土地の表示
 所 在 福岡市〇×丁目地 番 〇番×
 地 目 〇〇
 地 積 〇㎡
② 建物の表示
 所 在 福岡市〇×丁目△番地□〇番×
 種 類 居宅
 構 造 〇〇
 床 面 積 〇㎡、〇階〇㎡

『乙の居住に当たり、当該物件に係る住宅ローン残高については、甲が○万円、乙が○万円をそれぞれ毎月負担する』

『当該物件に係る租税公課その他の一切の費用は乙が負担する』

この項目については、これってのはないかもです
必ずこうなるかは、状況等次第ですからね

その後の費用ってのは、固定資産税や修繕費用など
住んでいたら発生する費用のことです

その他にも、登記の変更などある場合
その期限や費用負担についても定めてもいいですよ


第10条(年金分割)

『甲(第1号改定者)及び乙(第2号改定者)は厚生労働大臣に対し、厚生年金分割の対象期間に係る被保険者期間の標準報酬の改定又は決定の請求をすること及び請求すべき按分割合を0.5とする旨合意し、乙は、離婚届提出後2箇月以内に厚生労働大臣に対し、合意内容を記載した公正証書の謄本を提出して当該請求を行うこととする』

年金分割については、#278、380
これらにて、確認できますよ

※ #278については、随時UPする予定なので…

今回は、公正証書を作成する形式になってます
故に、請求期限の記載もあるわけです

因みに、離婚協議書に合意があるからと、
乙が勝手に年金事務所に出向いても…

年金分割できません!
ここ、注意ですよ

公正証書を作成しない場合には、
2人で一緒の年金事務所に出向き、

請求書類の作成をしなければなりません
ですが、代理人を立てることは可能です

と、これは“合意分割”の話
“第3号分割”は別です

乙が勝手に請求したらいいです
そもそも、合意が不要な手続きですからね

これらの内容によっても、
条文の構成は変わるので、適宜対応を


第11条(面接交渉権)

『甲の丙に対する面接交渉については、次の定めとする』

1 面接は月に○回、○時間以内とし、場所は甲乙協議の上、決定する

2 乙は、甲が丙と○ヶ月に1回、宿泊を伴う面接交渉をすることを認める

3 面接時は事前に甲は乙に連絡するものとする

これも内容はそれぞれでしょう
それによって条文は適宜対応です

因みに、面接交渉権を認めない
ってことは、原則、無効とされます

子供の意思が優先と解されてます
ですが、DV等などの場合は別です

家裁等から保護命令が発令されている場合等
当然、これら事情は考慮されます


第12条(通知)

『甲及び乙は、住所、居所、連絡先を変更したときは、遅滞なく書面により相手方にこれを通知するものとする』

まぁ、これらはそりゃそうですよね
その後、養育費や面談なとあるわけですから


第13条(管轄)

『本契約から発生する一切の紛争の第一審の管轄裁判所を乙の住所地を管轄する裁判所をもって合意管轄とする』

これは有事のための条項です
乙の近くでやり取りしやすくするためです


第14条(清算)

『甲と乙は、本契約の各条項の外、名義の如何を問わず金銭その他の請求を相互にしないこと、及び甲乙以外の者が 本件合意内容には一切干渉しないことを相互に確認した』

これは、いわゆる“清算条項”
その後のトラブルを防ぐものです

ただし、当然ですが、乙からも、
その後、何も言えなくなるので、

そこは注意しなければいけません


第15条(公正証書)

『甲及び乙は、本合意につき、強制執行認諾約款付公正証書の作成を承諾した』

公正証書は作成した方がいいです
それも“強制執行認諾約款付”のものをです

理由は、もう言わずもがなですよね


後の記載は契約書の定型文です

上記のとおり合意したので、本書二通作成し、甲乙各自署名押印の上、各自一通ずつ保有する。

平成○○年○月○日

(甲) 住所 氏名 (印)

(乙) 住所 氏名 (印)

契約書における印鑑関連については、
#217にて、確認、復習してください

折角、作成しても無効…
ってこともあるかもしれません

それと、ここに記載する“氏名”
“旧姓”での記載をしてください

一応ですが『公正証書の費用』
これをご紹介しておきますね

手数料は決まってまして…

資産10億もあったらいいなぁ~

と、かなりの長文となりました…
ですが、これが具体的な内容です

作成するならば、確認は必須です
これくらいなら、自分でも作成できそうです

難しいと思うならば、
相談した方がいいと思いますよ


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