#バックナンバー【“財産分与”を知ろう!】
【珈琲のオトモのマメ知識 vol.382】
さて、なぞシリーズの時間です
“離婚”造詣が深くなってきましたか?
↓ 前回の内容です
今回は“財産分与”について
言葉では聞きますが、
実はよく知らない
って、分野のやつですかね
では、その内容を確認してみましょう
まず最初に法務省のQ&Aを要約すると…
参照:
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00018.html#:~:text=%E9%9B%A2%E5%A9%9A%E3%82%92%E3%81%97%E3%81%9F%E8%80%85%E3%81%AE,%E3%81%A8%E8%80%83%E3%81%88%E3%82%89%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
Q.財産分与とは?
離婚をした者の一方が他方に対して財産の分与を請求することができる制度
その目的としては…
・夫婦が共同生活を送る中で形成した財産の公平な分配
・離婚後の生活保障
・離婚原因による損害賠償の性質
基本的な考え方は、共同財産の公平な分配です
Q.財産分与の額は?
原則的に、当事者間の協議によって金額を決まります
例外として、調停、審判、裁判などで決まります
平均としては、1/2となることが多いようです
Q.対象は、夫婦共有名義の財産か?
一方の名義になっていても関係ありません
夫婦の協力によって形成された財産が対象です
Q.財産分与はいつしたらよいか?
離婚と同時、その後でも請求可能です
ただし、離婚から2年を経過するとできなくなります
これらで概要の確認は大丈夫ですかね
一言程度で、まとめると…
Q.財産分与とは?
⇒
・主に財産の公平な分配
・離婚後の生活保障
・損害賠償の性質
Q.財産分与の額は?
⇒ 多くは、1/2
Q.対象は、夫婦共有名義の財産か?
⇒ 夫婦の協力による財産
Q.財産分与はいつしたらよいか?
⇒ 離婚から2年以内に請求
かんたんには、こんなところでいいかと
後は、細かなところを確認してきます
§『共有財産と特有財産について』
共有財産は、上記通りですが、
その反対として“特有財産”があります
これは共有財産からは除かれるもので、
それぞれが固有に所有する財産のことです
夫婦だろうが、すべての財産が協力の下、
構成できたわけではないよね?ってやつです
これらは、それぞれ
具体例を挙げてきます
・共有財産
以下、すべて婚姻後の収入等によるものです
⇒ 預貯金
⇒ 土地建物等の不動産
⇒ 家財道具一式
⇒ 車輛、宝石類
⇒ 有価証券、保険(返戻金があるもの)
⇒ 借入金等の負債
・特有財産
⇒ 婚姻前の預貯金
⇒ 相続、贈与を受けた財産
⇒ 別居後に取得した財産
⇒ 第三者名義の財産
※ 会社経営していた場合などの会社名義財産
子供名義財産は、共有財産となる場合が多い
⇒ 年金
※ ただし“年金分割”はあるので注意
具体的には、こんな感じです
ここで注目したいのは『借入金等の負債』
マイナスの財産だろうと、
夫婦の協力の下、形成されたものであれば対象です
ただし、ギャンブル等婚姻関係に無関係なら、
それによっても負債は対象とはなりません
よく問題になるのは『オーバーローン』
主に住宅ローンが売却清算しても、
ローンが完済できなかった場合のこと
当然、これも共有の負債となります
多くは、いずれか一方が全額負担し、
その他の財産で調整する措置がされます
他の負債があっても、基本的には、
財産から控除されて、財産分与がされます
※ 注意!
特有財産だからといって、
共有財産にならないわけじゃない!
特有財産でも、その維持等のために、
実質的に寄与した事実があれば、
それは共有財産とされることがある
例えば…
相続によって不動産を受けたが、
その維持管理は、その配偶者が行っていた
この場合、その維持管理の貢献を
主張、立証することで共有財産となります
§『?共有財産か…これ?』
きっと、実際には、
『これ、共有財産か?』
ってものも出てきても、
おかしなことではないですよね?
そんなときはどうなるか?
それは推定無罪と似てまして、
民法第762条第2項によって
反証がなければ、それは共有財産
ってことになります
つまり、共有財産としたくない場合、
その証明がされなければ、
それは“共有財産”ってことです
§退職金
これは大きく2パターン
・未払退職金
・既払退職金
それぞれで確認します
・未払退職金
確認事項としては
そもそも退職金があるか否か?
これは、雇用契約書や就業規則
これらにて確認が可能です
併せて、すでに会社が倒産している…
とかなっていると、
そもそも退職金がないので、
財産分与の対象になりません
では、金額は?
ってのは例示で確認を!
例)
20歳から勤続
勤務年数40年で退職金が3,000万円
婚姻関係は、30~50歳迄
3,000万円×20年/40年=1,500万円
こうなることが多い
ただし!退職までの期間が長い場合
約10年以上先が退職だと、
財産分与の対象とならないことがあります
なったとしても、その金額は例の場合でも、
その金額よりも少なくなりますので注意です
と、この計算については、
飽くまでも“例”です
基礎的な考え方といったところ
つまり、決まった計算方法はありません
計算例を挙げておきます
例1)
別居時に自己退職した場合の
退職金相当額を仮計算
その額から、婚姻前の労働分
この分を差し引く
例の場合だと…
中途退職金が、1,500万円なら…
20~30歳:独身期間 10年
30~50歳:婚姻期間 20年
合計:30年
1,500万円×10年/30年=500万円
1,500万円-500万円=1,000万円
財産分与の対象額は、1,000万円
例2)
定年時退職金から
婚姻前労働分、別居後労働分を差し引く
さらに、将来の金銭の前払いなので、
中間利息を控除して算定する
20~30歳:独身期間 10年
30~50歳:婚姻期間 20年
50~60歳:別居期間 10年
合計:40年
3,000万円×10年/40年=750万円
3,000万円-750万円-750万円=1,500万円
さらに、中間利息を控除します
これは、FP的に言えば“割引”のことです
今回は、日本国債10年物の“0.746%”
これで計算しますね、もはや復習ですが…
1,500万円×{1÷(1+0.00746)の10乗}
=13,925,575円
ってことになりますね
・既払退職金
すでに支払いがあった場合、
これは現金等にて所有しているわけで、
当然ですが、財産分与の対象となります
その金額も上記の算式と同様です
退職が先というわけでもないので、
その金額が財産分与の額となります
§『共有財産を増やすポイント』
・隠された財産がないかの調査
そもそも、相手方の財産の把握
これができないと、対象にすらできません
別居してなければ、把握もしやすいでしょうが、
別居後は、その把握も困難になるでしょう
『隠し預金はないか?』
『株式、投資信託はないか?』
『保険の契約を別にしてないか?』
様々な可能性がありますので、
常に注意しておく必要があります
共有財産として主張するには、
伴った証拠が必要です
証券口座、保険証券
給与明細やその他書類のコピー
しっかりと用意しましょう
その反証ができなければ、
それは共有財産と推定されるので、
最低限の準備でも備えましょう
・合意による公正証書の作成
協議によって離婚が成立し、
財産分与も共にまとまった
だとしても、公正証書は必須です!
口約束であっても、それは契約ですが、
『そんなこと聞いてない』
なんて、その後、言われるでしょう…
そんな時に、公正証書があれば、
その内容の証明になります
仮に、それでも支払い等が滞った場合
泣き寝入りしないために、
公正証書があれば、強制執行まで
手続きすることが可能です
あとは、法的措置に臆することないよう
思い止まってしますことも多く、
その場合の多くの結果は、泣き寝入り…
賢く立ち回るなら、専門家の協力を得ましょう
それもいち早くです!
財産分与にも期限があります
離婚してから2年を経過すると、
もはや、何もできなくなります…
専門家への相談
様々な請求等
いずれもいち早くです
遅れれば、伴ってすべてが遅れます
それでは、生活もままならなくなるかもしれない…
お子様に多大なる影響があるかもしれない…
最悪の事態になってからでは遅い
迅速な判断がすべてを救います!
↓ 次回の内容です
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