Fのコードがおさえられなかった
豆と小鳥エピソード91は「文化祭」をテーマにバクとナミンで話しています。
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昭和38生まれの私が中一の頃はフォーク全盛の頃で
猫も杓子もギターを抱えてた時代。
アリスや松山千春や中島みゆきの人気が凄かった。
杏里のデビューシングルの「オリビアを聴きながら」が大好きだった。
テレビがまだ元気と言うか
メディアはテレビとラジオ、新聞、雑誌しかなかった。
その頃、何人かのフォークの歌手は
テレビに出ないことを決めてる人もいた。
でも、その後に歳を重ねた時に
彼らは穏やかにニコニコとテレビに出てたから、
多分、若い時はみんな元気に何かに抗いたいもんなんだろう。
ミーハーな私は軽音楽部に入りフォークギターを買ってもらった。
お店でギターを初めて触ったときに、この楽器を思うように操れたら
大好きな美しい曲の数々を自由自在に奏でることができるんやと
夢と野望が膨らんだ。
しかし、如何せん、私は生まれつき手が小さく、指は驚かれるほど短い。
GやD7やEは短い指と小さな手でもおさえることができたけど、
難関は5本の指をすべて使うFのコード。
指のヘラは赤くなり、肩は凝り、何回、練習してもFの音が出ない。
好きな曲にはたくさんFのコードが出てくる。
無念。。。私はFのコードを乗り越えることができず、
あっさりと挫折してギターをやめた。
夢と憧れでパンパンだった風船はあっという間に
部屋の片隅でしぼんでしまった。
自分なりに頑張っても上手くできないことは
楽しいと感じることができなかった。
振り返るとあれからも、
私は今まで本当にたくさんの事を諦めてきたと思う。
最近ではガーデニング、筋トレ、毎日2回の散歩に挫折しました。
みなさんはどうですか?
諦めなかったのは26歳くらいの時に
一般人の倍のお金と時間をかけて取得した運転免許と
32歳のバンクーバー移住の時にした禁煙くらいのような気がする。
我ながら「諦め上手」。積み木のようなgive up on~。
そんな自分が好きではなかったから
長い間、自己肯定感がとっても低かった。
でもね、とりあえず私はトライはしたんだと今は思える。
挫折を恐れずやりたいことはやってみた、
すぐに諦める結果になったとしても。
得意な事が今もほとんどないけど、
人が経験するために生まれてきてるなら
たくさん諦めてきたことも、
それはそれでいいんじゃないかと思うようになってきてる。
そして、今でも私は性懲りもなしに
新しいことにトライすることが大好きだ。
初めてのパン作りに挑戦しながら
春を探しに近所をお散歩しながら
とりあえず鏡に向かってにこっと笑って
お聴きくださったらうれしいです。