【戦う夫婦の再生物語#2】絶望の淵で掴んだ希望…父の一言がくれた救い
「金の切れ目が縁の切れ目と言うけれど、
私たちの絆は途切れさせない。
家族として再生を目指すリアルな物語。」
〜これまでのあらすじ〜
公務員を退職し専業主夫の「私」。妻が突然、自営業を本格化させると宣言し、家計は混乱。退職金は9ヶ月で300万円減少し、このままでは貯金ゼロの危機に。
「別れ」という言葉まで飛び出す中、夫婦の再生は可能なのか——!?
読んでくれたら嬉しいです(*^^*)★
■ドン底に落ちた私
夜が深まり、暗闇が部屋を包む中、眠気は一向に訪れなかった。胸の動悸は止まらず、不整脈のリズムが自分の不安を代弁しているかのようだ。横になるたびに頭を巡るのは、家計の数字と妻の夢のはざまで揺れる自分の無力さ。起き上がり、枕元の時計を見つめた。
深夜2時。
「もうダメだ……」
思わず声が漏れた。
寝れない夜を過ごし朝を迎えた。いつもの日課の散歩へ出かける。
普段は1時間程度で帰る散歩も、この日は気づけば4時間を超えていた。朦朧としながら河川敷を歩く。見慣れた風景が目に入ってきてはいるが、何も目に入っていない、ぼやぼやで異様に感じる。
冷たい風が吹き、体温を奪っていったが、それでも心は落ち着かなかった。
「どうすればいいんだ…」
歩きながら何度も呟いた。
今月は車検もあるぞ。10年経つのに、1度もタイヤを変えてない。前回から何もメンテナンスしてない。全部変えたら一体どれだけかかる…?
気がつくとスマートフォンを手に取り、父親へLINEをしていた。
■一筋の光 父からの言葉
LINEのやりとり
私
「車検ってタイヤ買えたらどれくらいかかるのかな…?ディーラーは高いよね…」
父
「安心だけど高いね。タイヤやブレーキパッドのような安全に関する部品はけちらないように」
いきなりシビアなお金の話はできない。
どう打ち明けよう...。
ここで、さりげなく車検の話でジャブをうつ私。
私
「車は持ってるだけでやっぱり高いよね…。売ることも検討しなきゃかもしれない…」
「親父が家計簿付けてたんだよね?俺も付けてみようかな…」
「メンタルが不安定になるから、カードも通帳ものんちゃんに渡してたんだけどさ」
「のんちゃん(妻)は、俺のメンタルのことを考えて今まで何も言わないでくれたんだと思う。でも、お金の危機管理が無いのも否めない」
「金の切れ目が縁の切れ目かもしれない。ちゃんとお金の事と向き合わないといけない」
私は立て続けに父親にLINEをしていた。
今までの辛さ、プレッシャー、そして何も解決できない自分への無力感が一気にこみ上げ、全てを打ち明けていたのだ。
父親は察した。
父
「そろそろそういう相談があると思ってた。準備はしている」
その言葉を聞いた瞬間、肩にかかっていた重圧が少しだけ和らいだような気がした。
私
(と、父さん…?)
父
「まだ父さんも母さんも元気だし、働ける。この年齢で少し負担が増えるくらい、むしろいい運動になるよ」
父親はさらに、非常に具体的な提案をしてくれた。
「まとめて大きな額を援助するより、毎月足りない分だけ援助するのはどうだろう?そうすれば、お前たちの自立も妨げないし、負担も分散できると思うんだ」
父親のLINEを見た瞬間、涙が溢れた。
その提案は、私の心に希望の光を灯した。
私
「改めてお金のことで相談させて欲しいです。ごめんなさい。本当にありがとう。すみません」
その場で私は泣き崩れた。安堵と感謝が入り混じった涙だった。
■胸に抱いた新たな決意
家に帰る途中、心が少し軽くなった気がした。状況は何も変わっていない。それでも、父親の言葉に支えられて、自分はまだやれるのだと信じられた。
「もう一度やってみよう。現実と向き合おう。」
私は、胸に新たな決意を抱き、厳しい現実に立ち向かう覚悟を固めた。
「歩き続ける先に光はあるか。
揺れる心に差し伸べられた手。
支え合うことで、また一歩。
家族として、夫婦として⋯。」
(続く)
《次回予告:支出の迷宮を抜けて》
父の助言に救われたものの、不安定な日々は続く。
「まず現状を整理しよう」と動き出した。
ノートに震える字で費目を書き出し、支出を見つめる。
揺れる心の中、家庭の未来を掴むための挑戦が始まる──。
ちょっと…というかだいぶ暗いですね
ここから再生していく…かもです。
今後とも読んでくれたら励みになります\(^o^)/