『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』職場不満のファンタジーを考察する
夏頃に読んでずっとまとめようまとめようと思って、ずっと放置してきたおすすめの一冊。
スマホ・SNSの普及により若い人もさまざまな情報にアクセスできるようになり、錯覚資産(他人を勘違いさせる力)という人生を勝ちゲーにする、無敵な資産を誰でも持てるようになったよ。ただ錯覚資産で無双するのは辞めようね内容です。
なぜなら、錯覚資産は斜め後ろから他人をフルボッコにするくらいの破壊力を持っているから。
例えばtwitter1万人いたら、なにやってる人か分からないけど、なんだかすげーってなりますよね。それです。
本書のスタンダードな内容の書評はヒデヨシさんのブログを参照してほしい。(おそらく同年代なので、ヒデヨシさんのブログはむちゃくちゃ刺さる)
人はなぜ事実とファンタジーを混在させるのか
最近遭遇した事例で、ある社員が、自分のやりたいことができていない、〇〇さんが悩んでいるのは職場環境が悪いという訴えがあった
ゆくゆく話を聞いてみると、この〇〇さんが辞めるとその人の仕事が自分に振ってくるのが嫌とのこと、、、、
そして、自分がやりたいと言ってた仕事も、直属上司に確認すると、中途半端で結果を出していない
この事例のように本人の認識と事実を客観的に検証するとズレが生じることはよくある話である
なぜこのようなことが起こるのかについて、興味深い記述がありました
「自分 には ろくな 肩書 が ない」 という 事実 と、「 偉 そう な 肩書 には 価値 が ある」 という 事実 は、 矛盾 する。 だから、 人間 は、 無意識 の うち に、 この 矛盾 を 解消 しよ う と する。
「偉 そう な 肩書」 を 得 られれ ば、 矛盾 は 解決 する が、 それ は、 そんなに 簡単 に 得 られる もの では ない。 そこで、「 無意識」 は、「 意識」 の 知ら ない ところ で、 この 矛盾 を 解消 する ため に、「 偉 そう な 肩書」 の 価値 評価 を 書き かえる ん だ。
このように、人は理想と現実が違う場合に、無意識に脳内で理想を自分に現実にすり替えてしまう
この無意識が曲者で、自分ではまったく気が付かないのだ
今回の場合だと、「結果が出せていないことや、他人の仕事を押し付けられたくないという現実」と、「自分はもっと結果が出せるからイケてる仕事をやりたいという理想」のギャップに対して、会社が悪いと理想の部分をすり替え、脳内で理想と現実の整合性を持たせ、コンフォートゾーンに持っていこうとしているのだ
逆の見方をすれば私が「伸び悩んでいる社員がいるという現実」と「社員が自分の人生に責任を持って主体的に仕事して欲しいという理想」にギャップがあり責任を社員に押し付けることで理想をすり替えているともいえる
このような理想のすり替えの例として他には以下のようなものもある
・勉強 の 苦手 な 人 が「 勉強 の できる 奴 は 心 が 冷たい」 と 思う。
・ブサイク な 人 が「 見た目 じゃ なく て 中身 が 大切 だ」 と 思う。
・運動 の 苦手 な 人 が、 スポーツマン を「 脳 筋 バカ」 だ と 思う。
・貧乏 な 人 が「 卑怯 な こと を 平気 で やる 人間 が 金持ち に なる ん だ」 と 思う。
現実 世界 の 敗者 が、 自分 の 脳 内 世界 で 価値 評価 を 捏造 し、 脳 内 世界 で 密か に 復讐 を 遂げる ん だ。 しかも、 本人 は、 それ を やっ てる 自覚 が ない。
まとめ
正直、現実と理想のギャップがなんて誰でもあるし、現実を理想に近づけるのではなく、理想を現実に近づけてしまう例は枚挙にいとまがない
そんなときに、ちゃんと指摘してくれる仲間がいて欲しいし、逆に指摘されたことについてフェアに受け止めてくれる仲間へ時間を使いたい
そう思うとサイバーエージェントの採用基準である、「素直な人」っていうのはとてつもなく重要なファクターになってくる
能力も大事だけど、「素直でフェアでポジティブでメンタル強い人」間違いなくそれだけで価値だ