日々の大切な習慣
わたくしは便利屋を営んでおります。
様々なお客様のご自宅を訪問させていただきますが、一日数件をまわることもございます。
1年間を通して季節に関わらず、お客様のお宅に入る前は【新しい靴下に履き替える】のがわたくしのマイルールです。
移動車両には靴下だけ10足入った蓋つきの布ボックスがあり、その中から取り出して履き替える。
ですので、洗濯物を干すと靴下だけが大量に、まるで家族がたくさんいるような光景になります。
以前、仕事が休みの日に前庭のよく陽があたる場所に洗濯物を干していたら、ご近所の奥様が声をかけてくださいました。
「西の豆狸さんのおうちは4人家族ですよね? いつも靴下がたくさん干してあるのは何故?」
と。
実はかくかくしかじか、と上記のようなご説明をしましたら
「え? 西のさんは便利屋さんなの? 事務所は? え? ここでやってるの?」
と、我が家の生業をご存じないご近所様は驚かれておりましたが、その数日後にお仕事のご依頼いただきました。
靴下を訪問先ごとに履き替えるのは、わたくしの中で気持ちの切り替えを行う上でも重要な儀式のようなものです。
そして洗濯をする靴下をはじめとする洗濯物はいつもたくさんあるけれど、文句ひとつ言わずにきちんと洗って絞ってくれる洗濯機、干すのを手伝ってくれる家族、乾かしてくれる太陽の暖かさとそよぐ風に感謝しています。
わたくしの日々の大切な習慣です。