山の失敗談。"雪洞×Gore-tex"
これまたずいぶん前の話です。
友人と「バックカントリースキーへ行こう!」と乗鞍高原へ行きました。
そこはスキー場のトップから山に入っていくことができる場所だったのですが、当時まだ僕はちゃんとしたBC装備を持っていなかったのです。でも21歳くらいだったし、「アルペンスキーを背負って、スキーブーツで雪面蹴りこんでいけばいいや!」と決め込んで入りました。
前日10センチ近い降雪があった15°くらいの斜面を、ノースノーシュー、ノースキーシールのスキーブーツ男が、1泊テント装備を持ったツボ足で進んで行ったのです。冬山を登るみなさんなら、想像つくでしょうか…。
ハイご名答!最初の斜面50mちょっとを1時間あがいて力尽きました…。とても山頂付近まで行ける状態ではなかったです。。
そのまま帰るのも悔しかったので、何かしたい…と閃いたのが、斜面に穴を掘って雪洞(かまくら)泊をして帰ろう!と。作戦を変更し、適当な斜面をみつけてスコップでズンズン掘り始めました。テント装備持っているのに…です。
時間はいっぱいありましたから、かれこれ2時間くらい掘りまくって完成!大人2人が横になって快適に眠れる、座って天井に余裕のある高さの快適な「ホテル ウィルダネス乗鞍」が開業しました。
屋根の厚みは十分、中の広さも十分。手間暇かけたので床面は平ら。もう当初の目的を忘れて大興奮し、さっそく中で居住空間を作りました。
ガスランタンなんか持ち込んで、さらに雰囲気はいい感じに。こんなの持ってくるからそら荷物は重いわけです。
中でさっそく火を焚き、鍋をつつき、熱燗を作り…それはそれは贅沢なひと時を過ごしています。
…と、ふと作業でGore-texアルパイングローブの表面がビショビショに濡れてることに気が付いた僕は、”この間に乾かしといたほうがいいな!”と思い、普段のキャンプの感覚で、雪にテントポールを刺して、そこへ物干しのように吊るしたのでした。Gore-texの新しいグローブだったので、中はドライで快適でしたが、表面が濡れていると後々染みたらやだな…と思って。
そんなこんなで、しばらく時間を楽しみ、ふとトイレがてら降りしきる雪を少し除雪しようと思った僕は、「干してあった」グローブを取り、それを颯爽とはめて外へ出ようとおもいました…。ところが………。
まさかの、グローブは中までビッチョビチョじゃありませんか…(;´∀`)
そこでハッと気が付きました。Gore-texは「透湿性素材」。つまり水は通さないが、蒸れ(水蒸気)は通すもの。。
雪洞の中で火をバンバン炊き、温かくした先には湿度100%に近い湿気に包まれる雪洞…。ここに中がドライのGore-texグローブを干せば…逆透湿が………と思った時には後の祭り。”しっかり干したかい”あって、中までずぶぬれグローブが完成しました。。トホホ。
結局そのあとグローブをシュラフの中に突っ込み、確か寝乾かして次の日はややウェットなグローブで過ごした記憶があります。。
今考えれば初歩的なミスといえばそうですが、写真を見返していて、こんな思い出もあったなぁと、一筆。
みなさん!
Gore-tex製品は雪洞で干しちゃだめですよ~~~。
あ。だれもそんなことやんねぇか、、笑。