山の失敗談”忘れ物は怖いぞ~”
みなさんは忘れ物は良くするタイプですか?この記事を書いているワタクシは良くするタイプです。(笑)きっと注意欠陥系なんでしょうねぇ。
忘れ物をしても多くの場合どうにかなりますよね。日本で考えれば多くの場合お店は近くにあるでしょうから、最悪現地で調達すればいいですし。
しかし、「忘れ物をした場所が山」となると事態は一気に深刻になることも。今回はそんな忘れ物にまつわるイタい想い出を一つ。
北米最高地点のキャンプ場での”忘れもの”
数年前アメリカはアラスカ州に位置するデナリ山へ登山遠征へ出かけたことがあります。この山は標高6,190mで北米最高峰、日本では以前呼ばれていたマッキンリーという名前の方が馴染みがありそうです。緯度が高いこともあり夏でも夕方以降や陰ったときの気温は‐20℃近くと異常に寒い場所でもあります。
この山は60~80kgをそれぞれがソリとザックに入れて荷物を持ちながら概ね5つのキャンプを前進しつつ山頂を目指します。
多くの登山隊は”14k camp(通称メディカルキャンプ:4,270m)”にベースを置きそこで登頂のタイミングを調整、不要なものを置いていき”17k camp(通称ハイキャンプ:5,240m)”へ移動、1泊ないしは2泊で山頂を目指すという行動をとります。ハイキャンプは北米最高地点のキャンプ場であり、いかんせん気温が低く風が強いわけです。
ね、風の強さ感じていただけました?
私たちは4人で出かけたのですが、メディカルキャンプにテントを張ってベースとし、山頂アタックに不要なものをテントに置き、ハイキャンプ用に3人用テントを別に持って行って1泊を過ごし、そのまま山頂へ向かう軽量作戦を立てたわけです。そんなわけで多くの資材を置いていきました。
出発から10時間近く、酸素も薄いわけでなかなか歩みが進まず19:00ころようやくハイキャンプへ到着。(この季節は白夜でありほぼ暗くならないのです。)
既にハイキャンプの風は強く、少し陰ってきたので‐20℃くらいになってるしさっさとテントを立てて休もう!と到着も間もなくいそいそとテントを建てる準備をしたところで事件が発覚。。。
テントのポールが無いじゃあーりませんか。。
いやまさか!とみんなでそれぞれのリュックを確認するも、やはりない。そう、下のキャンプに置いて来たようなのです。周囲のガイドツアーやレンジャーに「何か予備のテントやポールない!?」と期待を込めてみるも、「そんなのないよ。下まで取りに帰れば?」と。確かに白夜ですよ。帰ろうと思えば数時間で下までは行けますよ。。。
でも…。苦労の末着いたし、19:00だし、、やだよ。。涙
爆風の中途方に暮れること数分。たまたま仲間の1名がストックを持っていたことにより、テント生地の真ん中に伸ばすことでなんとか「それっぽい」テントが完成!!あとは周囲を雪の壁で覆ってどうにか。。風が吹くたびに結露の氷が顔に落ちるもののかろうじて過ごせる!!!
…という完成品がコチラ。
それでも1泊だけだから!山頂に行った次の日はメディカルキャンプまで降りるから!そうしたら超快適なテントが待ってるから!ね!ね!!!
…とお互いを支えあい、結局ココに4人入って3泊しましたとさ。笑
これはこれで今となってはいい思い出です。旅はこういうのがなくっちゃ…。とはいえ、山の忘れ物は時によって怖いことになりますよ~。
みなさん、明日の登山の準備は万全ですか~??
実はこの登山での「忘れ物失敗談」はまだ続きがあるのですが、この話を楽しんでいただけたら、また次回。。
”必要なものは何ひとつ忘れてはならないが、不必要なものも何ひとつ持ってはならない。”(登山家ガストン・レビュファ)
自分への戒めとして‥😛