毎日が飽きない生活に 【わんだより】vol.2 リキの話
わんだよりとは
わんだん邸卒業生のリキ
元飼い主さんの飼育放棄で保健所へ収容されていたところを2020年11月、わんだん邸が引き取りました。2021年10月に現在の飼い主さんの宇野さんと出会い家族になりました。
わんだん邸を知ったきっかけ
宇野さんは1991年に雲仙賢岳噴火で被災した子犬2匹を迎えたことをきっかけに保護犬と暮らすようになったそうです。
宇野さん:
「実家でも子供の頃からずっと犬がいる生活でした。イギリスに『子供が生まれたら犬を飼いなさい。』ということわざがあるんです。
私も家庭をもったら子供と犬との生活をしたいと考え、実際に子供が生まれたときに、雲仙から元野犬だった子犬を2匹を迎えました。犬たちはイギリスのことわざ通り、子供たちに多くのことを教えてくれました。その後も犬がいる生活を続けてきて、犬たちには敬愛の念でいっぱいです。」
そんな宇野さんですが、2019年に当時飼っていた犬が亡くなったときには、犬との暮らしを諦めることも考えたといいます。
宇野さん:
「リキの前にいた犬が亡くなった時、自分達の年齢・体力のこともあって、別れの辛さや最期までお世話できるかを考えると、もう犬との生活は諦めようと思っていました。そんな時に譲渡だけでなく、遊びに行くことでも支援ができる【わんだん邸】を知りました。『人と触れ合うこと、愛情を注ぐことが保護犬たちに必要なこと』という言葉に惹かれ遊びに行ってみることにしました。」
リキとの出会い
わんだん邸にいた頃のリキは、警戒してお客さんに吠えてしまうことが多く、特に男の人にはしつこく吠え続けていました。でも、宇野さん家族が初めてわんだん邸に行ったときには、リキの方から近づいてきてくれたそうです。
宇野さん:
「初めてリキに会った時、リキの方から触らせてくれたんです。男性が苦手と聞いていたのですが、主人にも触らせてくれました。そして妹の肩に顎を乗せたんです。これは運命だと思いました。でも、本当に最期まで責任を持てるか、すごく悩みました。家族ともたくさん相談する中で、リキと一緒に年を重ねて行くのもいいのかなと考えが変わりました。そしてリキを迎えることに決めました。」
リキのお散歩
リキはわんだん邸にいた時からお散歩が大好きでした。今のお家に来てからは朝夕1時間以上の長めのお散歩をしています。さらに、朝はほぼ毎日ドッグランへ行くそうです。
ドッグランの駐車場に着くと、いつもすごい勢いでドッグランまで走って向かうそうで、宇野さんの運動にもなっているとか。そのドッグランでは自分のことを管理人のように思っているのか、新しく入って来た犬の匂いを嗅いで確認し、気が済むとドッグランを見渡すように座るそうです。
宇野さん:
「せっかくのドッグランなのに、じっと座って周りを見ているんです。どこかでケンカがあると、近づいてヤジを入れるし…飼い主としてはもっと走り回ってもらいたいんですが(笑)それもリキらしいと思ってます。でも、気に入っている子が来るとスイッチが入るようで、走り回ります。特に同じ頃わんだん邸にいた卒業生の嵐丸と鈴蘭と会うと、とても楽しそうに遊んでいます。」
リキがくれた飽きない毎日
宇野さん:
「リキはこだわりがはっきりしていて人間みたいなんです。家にはリキ用にスペースを準備していたのですが、そこには入らずソファーや私のベッドが気に入ったみたいで、定位置になってしまいました。また、お座りと待て、はできるのですが、プライドがあるのかお手は絶対にしません。最初は手を触られることが嫌なのかなと思っていたのですが、お散歩終わりに拭く時は、ちゃんと手をあげてくれます(笑)。そんな感じで毎日のやりとりの中からリキのこだわりを知ることが楽しくて、飽きないんです。」
宇野さんのお話を聞いて
わんだん邸に来た保護犬は平均3〜5ヶ月程度で卒業しますが、リキは約1年いました。なかなか新しい家族が見つからないのはリキのこだわりが強すぎることが原因ではないかと思っていたのですが、宇野さんはそんなリキをしっかり受け止め、面白がっていました。リキの強いこだわりはいつまでも一緒にいてくれる家族を見つけるために必要だったのかも知れません。新しい家族に出会ったリキは、安心できる場所を手に入れ、宇野さんのことも信頼していて幸せそうでした。
わんだん邸で出会った保護犬と里親さんの暮らしを今後も取材していきたいと思います。
撮影・取材協力
宇野さん・リキ /
Twitter:@RIKI23_20171001
Instagram:@riki23_20171001
https://www.instagram.com/riki23_20171001/
わんだよりとは
前回の記事
「わんだよりvol.1 エマちゃんの話」
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