週末の夜更かし、眠れぬ夜の羊|日々の雑記#29
眠いけれどもう少し起きていたい夜、眠りたいのになかなか寝つけない夜。
そんな夜は台所の灯りを消して、noteを開いて静かに過ごします。液晶の光が作る缶ビールの陰影。洗い物を増やさないよう、コップに注がずそのままで。
書きはじめると目が冴えてしまうので、もっぱら読みに徹します。耳にあてたイヤフォン、小さなボリュームで音楽を聴きながら、フォローしている方々の記事を読む穏やかな時間。
なぜか苦いことがあった時や心が千々に乱れている夜には、固まった視点を少しずらしてくれるような、調子を変えるきっかけになるような記事に出会えるから不思議です。
図書館や本屋、レコードショップで経験してきたこの偶然が、嗜好の鋳型にはめられがちなネット上でも訪れるのには驚くばかり。これからも技術として作り出されるのではなく、縁として生まれることを願ってやみません。
“創作の街“
noteが目指しているものだそうです。
この街にアカウントを得て1年が経ちました。
文章を書く暮らしを楽しみ、時にはいっちょまえに苦しむ中で、新しい気づきを求め他の人たちの記事を読む営みは、図書館に通うのと似ています。
創作の街に建つ図書館。この頃は顔馴染みの方も出来てきて、時折立ち止まって二言三言「コメント」のやり取りするのも嬉しいものです。
気になる記事にあの人も「スキ」を押していると、表紙裏、ブックカードに署名をして本を借りていた頃を思い出し、懐かしくなります。
そして冒頭の眠りたくない夜、眠れない夜に読むnote。昼間とは違う、真夜中の図書館に忍び込むような魅力があります。
深夜、誰もいない館内は本来の静けさがあって、昼間とは違った表情をしています。人々が来館している時は棚に腰掛けた本たちが、その蓄えた知識を披露できるのを、今か今かと待ち構えている雰囲気ですが、この時間は建物全体が目を閉じ思索の再構築を進めている、そんな気配を感じます。
瞑想する図書館の邪魔をしないよう、普段より慎重に、静かに歩みを進めます。でもきっと、今夜私が読むべき本は書架の一画、大きな窓から入る月明かりに照らし出されていることでしょう。整然と本が並ぶ中、近づいた瞬間にそれと分かるはず。頁をめくればすぐに惹き込まれ、時間を忘れて読み耽るに違いありません。
(「酒の短編」下書き)
やがて訪れる眠気に電源を落とすと建物は消え、気づけば朝です。若干の寝不足と宿酔いがありますが、胸には夕べの興奮もまだ残っていて、こうしてまた新しい一日が始まります。
真夜中の図書館での出会い。心に残る興奮が酔いの夢と消えないよう、スキをつけた記事をお借りして、自分好みのマガジンをつくりました。
どれも月明かりの下で見つけた素敵な記事ばかり。これでまた夢の続きが見られます。