バンデューラ奏者カテリーナさん 平和への祈り
日々、ウクライナ情勢が気になりますね。
私にとっても遠い国の出来事ではありません。
ウクライナ出身のバンデューラという伝統弦楽器奏者、カテリーナさんのことをご紹介します。彼女は日本在住で16年間演奏活動を続けています。
カテリーナさんは、生後1か月の時にチェルノブイリ原発事故に遭遇しました。キエフで避難生活を余儀なくされたのです。
お父さまは、原発作業員の服の清掃の仕事をしていたそうです。被ばくして10年前に亡くなりました。
そして今年、祖国はロシアの軍事侵攻に。
現在ではウクライナにお母さまが一人で住んでおり、心配な日々を過ごされています。
カテリーナさんは私のライアーの先生と親しく、私たちがレッスンで使っている教室でもコンサートが開催されました。そんなこともあって、今回のウクライナのことはとても心配です。
バンデューラという楽器
バンデューラはウクライナの民族楽器で、日本ではあまり知られていません。日本の「琵琶」を縦にして弾くような楽器です。
形や弦の数はいろいろ。
その音はとても郷愁をさそう音色です。
そんなバンデューラもかつては弾圧にあいました。
奏者がおおぜい殺されたり、楽器を燃やされたりした悲しい過去があります。
今回のウクライナ危機でカテリーナさんはSNSで発信し続けています。
CDの売り上げをすべてウクライナへ送付するという活動です。
私も微力ながら応援させてもらいました。
瞬間的に「ひどい、何で戦争なんか・・・」と感情的にもなりましたし、反面、こんな微々たるもので何か状況が良くなるのだろうか・・・と思ったりもしました。
もしかしたら、何にもならないかもしれません・・・。
自分こそ正しいという考えに囚われないこと
それぞれが自分こそ正しい、相手を「悪」だと決めつければ争いは起こります。大きなトラブルから小さな争いまで。
争いは、それぞれの善と善の戦い。
自分にとっての正しさは誰かの間違いかもしれません。
逆もそうです。誰かの正しさは自分にとっては間違いかもしれません。
「自分は正しい、相手が間違えている」という対立が深まれば、そこからは何も生まれません。それに、自分の正しさばかりにフォーカスするとその考えは硬直しやくすなります。
どう考えればいいだろうか
反対意見を認める柔軟さは失わないようにすること。
複雑な歴史的背景を考えること。
単純に「どちらかが善、どちらかが悪」と決めつけないこと。
どうすれば解決へ向かうのか深く考えること。
それにしても、たくさんの兵士が戦いによって命を落としたり、
ごく普通に生活をしていた人々が亡くなるのは何とも痛ましい。
突然、生活は破壊され死が迫ってくる恐怖。紛争は自然災害ではなく、人間によって起こされるので防ぐことが出来るのに。
伝統的な民族芸能、貴重な文化財が失われるのはあまりに悲しい
そしてこの破壊的な出来事によって、人の命はもちろんのこと素晴らしい伝統的音楽や芸術などが無くなってしまうことも心配してしまうのです。
それは大きな損失だから。
紛争という災難によって伝統的な民族芸能や、貴重で美しい文化財が失われる。ウクライナの燃やされたバンデューラだって、もう戻ってきません。
ロシア・ウクライナの攻防が一日もはやく終わりますように。
どちらの国もこれ以上被害が出ませんように。
そして、音楽や楽器や文化が消滅の危機から救われることを祈ります。
そしてカテリーナさん自身の気持ちも少しでもやわらぎますように。
カテリーナさんの投稿はこちらです。
お読みいただいてありがとうございます。