2022年11月4日・5日 伊東洋平「静岡と仙台 きずなコンサート」@清水マリナート ライブレポ
伊東洋平さんと静岡・清水のご縁
宮城県を拠点に音楽活動を続ける、仙台市在住のシンガーソングライター・伊東洋平さん。
昨年(2021年)12月25日には仙台最大のホール・仙台サンプラザホールでワンマンライブを開催し、チケット完売のうえ大成功を収めるなど、大活躍されていらっしゃいます。
ギター片手に、東北を中心として全国各地へとライブに飛び回る洋平さんですが、ここ数年、秋のこの季節は、静岡市・清水区まで足を運んでくださいます。
仙台在住の洋平さんが、静岡でライブをおこなうきっかけとなったのは、清水区にお住まいで「清水うたい隊 東北ボランティア」の代表を務める、望月先生との出会い。
小学校の教師を勤めあげ、洋平さんと出会った頃は教頭先生をされていたことから、望月先生と呼ばれています。
望月先生が主宰するボランティア団体「清水うたい隊」は、「音楽で心の復興を」という信念のもと、’13年から、東北の被災地を訪問して被災者の方へ歌を届ける「心の復興支援活動」をおこなっています。
近年はコロナ禍で活動休止となっていましたが、今年('22年)は8月9日~12日の4日間、3年ぶりとなる東北ボランティア活動を、高校生5人を含む総勢15人で実施されたとのこと。
また、「清水うたい隊」は、「するが紅トマHIKO⭐︎星隊(するがべにとまひこぼしたい)」(’16年結成。通称・紅トマ(ベニトマ)ちゃん)という、地元静岡・清水で活躍するアイドルグループを運営しており、地域のお祭りや福祉施設でのイベントなどに参加し、「音楽で静岡の元気を応援」しています。
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望月先生と伊東洋平さんとの出会いは2017年8月。
この年、「仙台七夕まつり」のステージに出演することになった紅トマちゃん。紅トマちゃんたちを引き連れて仙台に訪れた望月先生は、仙台・勾当台公園(こうとうだいこうえん)でおこなわれた七夕祭りのステージで、初めて伊東洋平さんの歌を聞き、とても感動したそうです。
ステージを終え、勾当台公園を歩いていた望月先生は、ばったり伊東洋平さんに出会い、その時に初めて声をかけ、感動を伝えたとのこと。
洋平さんの歌声・人柄・音楽活動に心底惚れ込んだ望月先生。
その後の望月先生の洋平さんへの熱の入れようは凄まじく、「伊東洋平静岡応援団」団長を名乗り、洋平さんを静岡・清水に呼ぶべく精力的に活動を続けていらっしゃいます。
なお昨年の、洋平さんの仙台サンプラザ・ライブの際は、大型バスをチャーターし、静岡から15名で片道8時間ほどかけて、ライブに駆けつけたそうです。
洋平さんは、望月先生の熱烈な応援のもと、2017年は静岡にある大学の学園祭ライブに参加。2018年・2019年は「清水福祉会館はーとぴあ清水」、2021年は「マリナート リハーサル室」「清水テルサ ブランオーシャン」と2daysでライブを開催するなど、年に1回、定期的に清水でのライブを実現してきました。
11月4日 静岡と仙台きずなコンサート@マリナート小ホール
11月4日におこなわれた、約1年ぶりとなる清水でのライブ。
静岡市清水区は、今年10月23日、台風15号の影響により、大雨による浸水や長期間の断水などの被害に見舞われました。
ライブ主催の望月先生もまた、被災した清水区にお住まいであり、浸水の後片付けをしながら「洋平さんの音楽を聴いてこんこんと湧き出てくる元気に救われた」そうです。
東北・被災地でのボランティア活動でつながっていた望月先生と洋平さん。仙台と静岡の橋渡しとなり「被災した静岡に音楽で元気を届ける」という、より強い思いのもと開催された今年のライブ。
会場は、「いつかマリナートのホールでコンサートをやってみたい」という、望月先生の長年の夢が実現した、清水マリナート・小ホールでのコンサートとなりました。
望月先生のがんばりで、客席数290のホールに200名弱の観客が入り、盛況といえる観客数だったのではないかと思います。
ここ静岡で、洋平さんのホール・コンサートが実現したことは、それだけでとても驚きで、感動的でした。
(会場の写真・藤井理央さんのブログより)
最初は、ベニ☆トマちゃんたちのステージ。
ギンガムチェックのかわいらしいワンピース姿で、『サマーサンバ』『あしたまた会えるね』『エル』『夢おいかけて』の4曲を、元気あふれるダンスとともに歌いました。
そして、バッキングメンバーと、洋平さん登場。
メンバーは、グランドピアノ・藤井理央さん、アコースティックギター・後藤秀人さん(ヒデさん)、パーカッション・安部優莉奈さん(ゆりなさん)の4人編成です。
1曲目は『リボン』。明るい曲調と観客の手拍子の中、洋平さんの「ただいまー!」が会場に響きます。「♪君と出逢えてよかった だから清水にこれた」と歌う洋平さん。この曲の編曲を担当された理央さんのピアノを生で聴けたのもうれしかったです。
2曲目の『小エビサンドに乗って』では、サビの♪1・2・3・4・5の振り付けを観客と一緒におこない、会場の一体感を作り上げていました。
ここで、「(伊東洋平を)見るのが初めての人~?」と観客に問いかけたところ、約半分の方が挙手。
洋平さんは、マリナートでのホールライブを「夢を叶えてもらった。素敵なプレゼントをもらった」と述べ、主催の望月先生たちへ感謝を伝えていました。
続いて『ブラシカ』『かすみ』と歌ったところでバックバンドのメンバー退場。洋平さんのMCタイム…と思いきや、メンバーがいないステージで、なぜかメンバー紹介(笑)。最初からそういう段取りなのか?それとも間違ったのか?わかりませんが、それもまた洋平さんらしい(笑)一面が垣間見えるステージでした。
洋平さんソロのステージでは、『花は咲く』をギター弾き語りで熱唱。
続く『Home』はパーカッションゆりなさんと。実は洋平さんは6歳まで静岡・御殿場市に住んでいたというお話をされ、「静岡にたくさんエールを送りたい」と『HERO』を歌い上げました。
洋平さんも一度ステージをはけ、メンバーとともに再登場して『星の屋根』。キラキラした時間に包まれるようなとても素敵な演奏でした。
続いてメンバーのMC。ヒデさんは埼玉にお住まいでありながら、ご自宅付近から富士山が見えるそう。鎌倉在住の理央さんもまた、お住まいの地域から富士山が見えるとのことですが、先週くらいに富士山に積もった雪が、このときはほとんど溶けていたことにとても驚いていました。
そしてゆりなさんは、静岡に来るのが初めて。富士山を生で見るのも初めてと、初・静岡を楽しんだようでした。
ライブ後半。新曲『君へ逢いにいく』を披露。
『The game is still on』では、洋平さんの熱で観客をぐっと引き付け、『Door』ではサビの手拍子で、会場の一体感とボルテージがさらにアップ。
地方に住みながら音楽を続けることについて、洋平さんは、
「ミュージシャンは“売れたら勝ち・売れなかったら負け”という風に、勝ち・負けに捕らわれていた時期もあった。いまは、みんなとこうやって作る時間がとても大切で愛おしい。そういう、勝ち負けではないミュージシャンとしての在り方を示していきたい」という旨のお話をされ、『Well and Will』で本編のラストを締めくくりました。
アンコールでは、メンバー全員がオレンジ色のTシャツに着替え、胸元には富士山、背中には「がんばろう‼清水」のメッセージが。
『優しさの色の歌』、紅トマちゃんも再登場し一緒にダンスしながらの『イモ天Sunday♪』、『TSUBASA』を歌い上げ、大きな拍手の中、ステージは幕を閉じました。
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静岡での洋平さんライブ(有料)としては、今までで一番大きい会場だった、マリナート・小ホールでのコンサート。
初めて洋平さんの曲を聞く観客も多い中で、洋平さんの熱で後半ぐんぐん引っ張っていき、最後には会場全体が同じ気持ちになったと思いました。
会場いっぱい笑顔があふれ、あたたかな気持ちになれる「これぞ洋平ライブ!」という時間を、静岡でも作り出した洋平さん。すばらしかったです。
■11/4セットリスト
11月5日 静岡と仙台きずなコンサートアフターミーティング@マリナートリハーサル室
2日目、おなじくマリナートの、リハーサル室にておこなわれたアフターミーティング。
リハーサル室といっても、とても広く設えが美しい空間で、60名以上の観客の前でのライブとなりました。
昨年(’21年)ライブをおこなったのもこちらのスペースです。
(マリナート・リハーサル室の画像・藤井理央さんのブログより)
アフターミーティングということで、前日のホールコンサートより観客との距離も近く、音響スタッフも望月先生のお知り合いが担当されるなど、みんなでライブを作っていくという和やかな雰囲気で、洋平さんも幾分リラックスした様子。
とはいえ、ステージにはグランドピアノが設置され(さすが「楽器のまち浜松」を擁する静岡)、素晴らしいバンド演奏と熱いボーカルは前日のホールコンサートと変わりません。
洋平さんいわく「お客さんと同じ目線だからこその内容で」というプログラムとセットリストだったこの日。
なかでも、
理央さんのピアノと洋平さんのギターでセッションした『あかり』、
ゆりなさんのパーカッションと洋平さんギターによる『TKDB』、
ヒデさんと洋平さんのツインギターで演奏された『Every single day』
という、バンドメンバーひとりずつとのセッションがとても素晴らしかったです。
この日のアンコールでも、「がんばろう清水」Tシャツを着て登場してくれました。
観客はちっちゃなお子さんからご年配の方まで幅広く、子供のかわいらしいおしゃべりが演奏と融合したり、この日この空間ならではのライブとなりました。
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洋平さんのラジオ『てりラジまんでい!』(仙台・ラジオ3)では、
「両日ともにバンドの演奏もすばらしかった。自分自身も強い思いをもって歌わせてもらった。いろいろなものを超えてみんなと繋がっていく素晴らしい時間だった」と、静岡でのライブについてお話されていました。
洋平さんと静岡・清水の縁をつないでくれた望月先生。
ぜひとも、これからも毎年この縁をつなぎ続けていただきたいですし、応援していきたいと思います。
■11/5 セットリスト
※ライブレポについて、メモしきれず若干記憶があいまいなところがあり…セットリストや演奏など間違いがあればご指摘ください。
■藤井理央さんのブログ
11月4日&5日の静岡の模様を、ピアノで参加された藤井理央さんもご自身のブログに綴られています。
2022年12月16日には仙台・電力ホールでライブ
洋平さんの今年の集大成として掲げる大きなライブが、12月16日に仙台・電力ホールで開催されます。
ゲストに、伊東洋平さんのプロデュースをされている坂本サトルさんや、宮城在住のシンガーソングライター幹mikiさん、そのほか様々なアーティストの出演が発表されており、洋平さんの歌声との多彩なセッションが楽しめそうです。
■電力ホール ライブの詳細はこちら
伊東洋平さんのアルバム・サブスクほか
伊東洋平さんのソロ名義のアルバムは、サブスクでも聞くことができます。
CDは洋平さんの公式通販サイトで発売しています。
洋平さんの音楽に興味を持たれた方は、ぜひ聴いてほしいです。
■One for All,(2017年2月8日発売)
■Hereditary(2020年11月4日発売)
■Door(2021年12月1日発売)
■小エビサンドに乗って ダンスムービー
〜Enter Language Academy オフィシャルイメージソング〜 伊東洋平「小エビサンドに乗って」ダンスムービー 作詞/作曲:伊東洋平 ダンス:DANCE STUDIO DREAMONE. / Enter Language Academyの皆さん
■君へ逢いにいく MV
奥会津かねやま発ショートムービーの主題歌「君へ逢いにいく」のミュージックビデオです。 歌 #伊東洋平 作詞 伊東洋平 坂内譲 作曲・編曲 小林俊太郎 音楽プロデューサー 中西康夫