2023年4月9日坂本サトル×佐藤達哉 デュオツアー『In my STUDIO』仙台公演ライブ感想(ネタバレなし)
2023年坂本サトルさんの2つのツアー
坂本サトルさんの、約3年半ぶりとなる全国ツアーが始まりました。
今回は、2つのツアーが同時進行で行われる予定で、
一つは、キーボーディスト佐藤達哉さんとのデュオツアー『In my STUDIO』(仙台、弘前、大阪、東京)。
もう一つは、サトルさんのギター弾き語りソロツアー『30年後のひとり』(札幌・小樽・白石・八戸)。
それぞれ、4会場で行われます。
今年は、サトルさんが佐藤達哉さんと共演して20周年ということもあり、達哉さんと2人で回るツアーを企画したとのこと。
達哉さんは、aikoやZIGGY、LINDBERG、HOUND DOGなど、現在様々なミュージシャンのバンマスやサポートを担当されており、大変お忙しい中でスケジュール調整の上、参加となったとのことです。
2023年4月9日デュオツアー初日仙台公演感想
ライブ会場「誰も知らない劇場」
会場の「誰も知らない劇場」は、2019年4月1日に仙台中心部にオープンした小劇場。
40年以上「セントラルホール」として親しまれてきた映画館をリノベーションした空間で、弾き語りやアコースティックライブなどのコンサートはもちろん、上映会や演劇などにも使用されているそう。
ステージには赤とブルーの幕が垂れ下がり、客席の赤いソファが印象的。
非日常的な設えとなっており、レトロモダンでシックな雰囲気です。
映画館のものをそのまま使用したというイスもクッション性が高く、サトルさんのギターと達哉さんのキーボードとのセッションを、集中してじっくり楽しむことができました。
ステージの照明演出も素敵でかっこ良かったです。
サトルさんの円熟味を湛えた歌声を堪能
今回のライブでは特に、今まさに円熟を迎えているサトルさんのボーカルの魅力を存分に堪能できました。
スローバラードからロックまで、幅広い楽曲を歌いこなすサトルさんの、ボーカリストとしてのすばらしさを改めて実感。
時に繊細で切なく、時にラウドでロックに、ケレン味たっぷりに。
どれもサトルさんらしいボーカル表現となっており、サトルさんの真骨頂である切なさはもちろん、優しさ、力強さ、憂いなど、深みを増した表現力と歌声が、観客の心を震わせます。
包み込むような温かさがあり、それでいてハスキーな歌声は切なさと色気を含んでいて、聞いていてとても心地よい歌声になっていると思いました。
サトルさんはラジオなどで、ご自身でも「いまの歌声が一番いい」と仰っています。「歌と気持ちが合ってきている」と表現していて、それは「昔より力を抜いて歌えるようになったから」ではないか、とのこと。
熱い熱量と気迫でマイクに向かい、観客を歌の世界に引き込んでいく様子が、とても感動的でした。
佐藤達哉さんとの熱いセッション
共演20年を誇る盟友・佐藤達哉さんの演奏も素晴らしかったです。
観客の心の奥から感情を引き出すような、美しく熱い旋律を奏でる達哉さん。「伴奏に彩りを添える」といった、そんな紋切り型の表現では収まらない、セッションマンとしての真骨頂を見せつけてくれました。
ギターの弾き語りでは出会えない、新しい曲の魅力に出会えるライブだと思いました。
マスク着用での観客のコーラス参加
仙台公演では、事前にフライヤーが配布され、観客は「マスク着用の上で声出しOK」と告知されました。
今回のライブで私が一番感動したのは、ステージ序盤で、マスク着用の上、観客がコーラスを一緒に歌った場面。
達哉さんのピアノの演奏を控えめにして、観客のコーラスを聞き、オフマイクでひとこと「…素晴らしい!」とつぶやいたサトルさん。
この時のサトルさんが何とも言えない、とてもいい表情をしていて、徐々にではあるものの、以前のように観客と一緒に音楽を楽しめる状況を取り戻している感動を、噛み締めているようでした。
ミュージシャンが本当に音楽を信じている場面に出会えると、とても胸が熱くなります。
このシーンだけで、初日のライブに参加して本当に良かったと思えました。
デュオツアーはこの後、ソロツアーを間に挟みながら、弘前、大阪、東京と続いていきます。
ツアーが進むにつれて、さらにチームワークを深めた演奏が期待できると思うと、ますます楽しみです。
ツアーグッズ
サトルさんの愛猫・グリコさんをモチーフにしたグッズ多数。
全部かわいい。
■2023年4月9日デュオツアー「In my STUDIO」仙台公演
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