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2024/10/14・15 雨ふらしカルテット@沼津・三島 サントムーン柿田川フリーライブ/佐野美術館「十三夜の宴」感想

佐野美術館会報掲載プロフィールより

雨ふらしカルテット プロフィール

雨ふらしカルテット…どこか切なく、どこか懐かしいメロディ、そして心をワシ掴みにする言葉。AKB48やモーニング娘。など数々のアーティストとコラボする傍ら自身のバンドでは故郷である津軽地方の素朴さを融合させた作品を発表。iTunesジャズトップアルバムチャートにランクイン。
https://ame-q.com
Vo 葛西 孝道 / Ba 野月 隆志 / Dr 佐々木 パンツ / Pf サーカス 田中

雨ふらしカルテットプロフィール

東京&青森の2拠点で活躍する、スウィングジャズを基調とした4人組バンド「雨ふらしカルテット」
彼らを知ったのは、青森の音楽イベント「HOMETOWN MUSIC LIFE」(略してHTML)にて。

2023年のHTMLはオーディション枠で出場。Vocal&Trumpetの葛西孝道さんが諸事情で来れないとのことで、Bass野月隆志さん、Drums佐々木パンツさん、Keyboardサーカス田中さんの3人で演奏していた(歌も歌っていた)。
翌2024年は、通常のアーティスト枠で出場。司会のd-iZeさんとのコラボも目を引いたが、何といってもVocal葛西さんがセンターで率いる雨ふらしは、前年とは全く別ものの存在感を放っていた。スウィングする演奏にのっかる伸びやかで引き付けられる歌声、圧倒的な声量。

もう一度見たい!と思っていたところ、10月に静岡でのライブがあると知り、とても楽しみにしていた。
10月14日はショッピングモールでのフリーライブ、15日は佐野美術館併設の日本庭園で野外ライブという、趣の異なる2days。
特に2日目の佐野美術館のライブが本当にかっこよかった!



10月14日(月・祝)サントムーン柿田川

サントムーン柿田川にて

10月14日は、ショッピングモール「サントムーン柿田川」のフリースペースでのライブイベント(入場無料)。13時~/15時~の2ステージあり、私は13時の回を観覧。
この場所での演奏は2018年に呼ばれて以来の6年ぶりだそう。ブルーノート東京で音響を務められていたマシモミツオさんという方がこの日のPAを担当しており、その方からのご紹介と話していた。
「アイム」「素敵な世界」「in the window」「Yell」など、約30分間で6曲くらいだったかな? 館内の音の響きも気持ちよく、楽しそうに演奏する4人が素敵。フリーライブとは思えないくらいの充実感があった。
一緒に行った子供(10歳)も「すごかった!」との感想。演奏後の物販でHTML2024のTシャツに反応してくれて、「青森の人ですか?」と葛西さんに声をかけていただいたのもうれしかった。

13時からと15時からの2ステージ
ステージ。音響も力を入れている様子
上から見たステージ
撮影OKでした
物販
物販

10月15日(火)佐野美術館「十三夜の宴」

日本庭園でスウィングジャズ!

佐野美術館「十三夜の宴」
2024年10月15日(火)
17:00受付・開場 17:30開宴
会費:会員4400円、 一般6600円
定員:70名(要申込・先着順)
会場:佐野美術館庭園内 ※雨天の場合は中止
出演:雨ふらしカルテット
【イベント概要】
毎年十三夜に行う、月と音楽を愉しむ演奏会「十三夜の宴」。
今年は「雨ふらしカルテット」さんをお招きし、ジャズ音楽をお楽しみいただきます。会場となる美術館に隣接する国の登録有形文化財 「隆泉苑」の庭園から眺める月は、演奏中ちょうど客席から正面に見えるところに位置し、ライトアップされた庭園や音楽と重なり幻想的な光景です。特別な空間で、ご家族やご友人と心癒される時間をお過ごしください。
演奏後には、懇親会や抽選会を行う予定です。お弁当やバイキング形式の温かいお食事をご用意いたしますので、是非ご参加ください。
0817_表_ミューズ交歓34号

佐野美術館会報
0817_表_ミューズ交歓34号
十三夜の月を愛でながら楽しむ大人の宴

三島市にある「佐野美術館」という私設美術館に併設された日本庭園で毎年行われる「十三夜の宴」。
「十三夜」は、「十五夜」と並び秋の名月を鑑賞する、1000年以上前からある風習なのだそう。満月より少し欠けた月を愛でるというのも粋だなと思う。

2024年の十三夜である10月15日。
満月と見紛うほど見事な月を背景に、日本庭園に設置されたレッドカーペットのステージ。松の木に映される照明もカラフルで鮮やかだ。
黒のスーツで揃えた4人のルックも大人の雰囲気で、日本庭園×スウィングジャズ×野外ライブというクレイジーな組み合わせと最高にマッチしている。
夜空に気持ちよく響き渡るボーカルと、トランペット、ピアノ、ドラム、ベース。
とにかく最高にかっこよかった。

青森出身のバンドであることをオーディエンスに伝え、「津軽じょんがら~雨乞い」を演奏。「雨よ降れ」のところを「月が出た!」と歌い変える。(「雨ふらしカルテットです!雨降らなくて良かった!」は野外での定番フレーズなのだろうか)
「in the window」「素敵な世界」「ベイベー~フラミンゴの夢~」などオリジナルナンバーのほか、「Georgia on My Mind」「What a Wonderful World 」「Under My Skin※」(※’21年「雨晴らしカルテット」名義でカバー)といったスタンダートナンバーも織り交ぜ、観客を引き込んでゆく。
演奏の合間に聞こえる秋の虫の音も心地よい。

「Parade」ではオーディエンスから自然とハンドクラップが起こり、「gregory」では曲の世界に酔いしれ、しかしオール津軽弁ソング「わらしのころ」で突き放される(笑)(年配の観客が多く、ぽかんとしていた)。
「Yell」
前のMCで、葛西さんは2022年の休業について触れた。昨年の今頃(2023年10月頃?)、サーカス田中さんから「そろそろやってみない?」と連絡をもらい、このタイミングを逃したらもう戻れないかもしれないと、復帰を決めたそうだ。(ということはHTML2023の欠席は…と、この時に知る。)「Yell」歌中での地団駄のような足踏みも力強く、歌詞がびんびん心に刺さった。
この後2曲ほど演奏し、ラストは中島みゆき「糸」のカバー。しっとり始まったかと思えば、中盤から心躍るスウィングジャズにアレンジし、華やかに終演。
アンコールが起こり、オーラスは「MEMBERS ONLY~顔ぶれはいつものとおり」。夜空の月にむかって高らかに咆哮する。パーティーの締めくくりにぴったりの選曲だった。

葛西さんのボーカルは、切なく歌い上げたかと思えば、喜劇役者のようにユーモラスだったり、ダンディだったり、MCではときどきクレイジーで、その振り幅がとても素敵だ(サーカス田中さんが舵を戻していた)。
そして演奏する3人がニコニコ楽しそうなのがとても良い。

なかなか見られないロケーションでの最高のライブを静岡で楽しめたことに感謝。
「十三夜の宴」は毎年出演者が変わるそうだが、願わくばもう一度この場所で雨ふらしカルテットのライブが見たい。

佐野美術館のXの画像を明るくしました
ステージ真横から見た光景
篝火(かがりび)もたかれている
松の木に映るライトが幻想的
終演後の物販タイムで撮影。暗かった
前日と色違いのTシャツ着用で
「HTMLのTシャツ何枚持ってるんですか!?」
と佐々木パンツさんに驚かれる私(3枚です)
ライブ後の懇談会では
静岡おでんなど地元の食事が振る舞われた。
おいしかった



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